MCロッコール PF55mmF1.7
私は神戸生まれということで、六甲山は地元です。その名が冠されたミノルタ「ロッコールレンズ」に
愛着があるのは仕方のないことかもですね(^^)。
実際私が神戸の灘の店に勤めていたころには、阪神タイガース応援歌で有名な「六甲おろし」を
リアルにうけまくり冬場など駅に向かうのが寒くてつらいものでした。
ミノルタという会社はの創業者の田嶋一雄さんが西宮の鳴尾武庫川工場から始められたのが最初だそうです。
「西宮なら六甲山やなくて甲山なのでわ?」というつっこみもいれたくなりますね。
「カブトール 」でもけっこうかっこいいレンズ銘になりそうですがいかがでしょう?
冗談はともかくこの55mmF1.7にほどこされているコーティングは宣伝文句の「緑のロッコール」
そのままに淡い翡翠色で見ているだけでもうれしくなります。
地元スペシャルというべきか、大阪・神戸の中古カメラ屋さんのジャンクコーナーには文字どおり
「ゴロゴロ」といった数でころがっており、選びほうだいです。
素敵なのは「ジャンク品」といいながら「完動美品」レベルのものも多いことです。
おそらくあんまり数があるので中古屋さんもよほどの美品でもないかぎり、ボディとレンズを外して
ジャンク棚にならべてしまうのではないでしょうか。
特にこのSRシリーズの金属ローレットのタイプはガラスが良いのか鏡筒が上等なのか
ヘリコイドもスムーズでレンズもカビカビでないのが多く、当時のミノルタの
「値段はやすいが品質は高い」という理想的なつくりで好感度たかしです(^^)。
先日はフィルムカメラの最初の一台としてα9がおすすめと書きましたがマニュアル露出が苦にならない方
にはミノルタのSRシリーズは実におすすめです。なによりジャンク棚でシステムがそろってしまいますからね。
プリズムがかびていたりするのは避けたほうが良いですが、機械式なのでシャッターが切れればほぼ
使用に耐えます。またMOTカメラサービスさんはじめほとんどの市井の修理屋さんで修理が受けられるのも
安心です。露出計が不動でも最近スマホのアプリなどもありますから気にすることもないでしょう。
私のSR-1sも「元ジャンク」でしたがあんまり使い心地が良いのでオーバーホールしてもらいました。
55mmはジャンクをそのまま使用ですが不都合がないのでした(^^)ゞ。
ミノルタSR-1s MCロッコール PF55mmF1.7 1/30 F4 ベルビア100F
かつて北陸線が電化されたときに走っていた電気機関車ED-70です。
昭和32年製だそうでいかにも三丁目の夕陽っぽい鉄の質感が良いですねえ。
ロッコールレンズの魅力として私が一番評価しているのは「ハイライトの丸め感」です。
こういう光のあたった金モノはニッコールみたいにエッジを立てられるとキチキチして
見ているのがしんどくなるのですが、ロッコールは被写体は硬質なものでもなんとなく優しい感じに
してくれるので嬉しくなります(^^)。
ミノルタSR-1s MCロッコール PF55mmF1.7 1/30 開放 ベルビア100F
続きましてはヤンマー博物館の「燃える男の赤いトラクター」です。
「緑のロッコール」らしいみごとな開放のふわぼけ感ではないでしょうか。
こちらのヤンマー博物館では現場をリタイヤしたであろう元エンジニアの方が実際の製造現場での苦労話や
開発秘話をたっぷりと聞かせてくれますので、ディーゼル機械に興味のある方にはぜひおすすめですよ。
ミノルタにもそんな博物館があると良いのにですね。
撮影日に持参したレンズで一番短いのがこの55mmという不自由な一日でしたが
一本だけでがんばっての撮影というのもひさしぶりの充実感でした。
でも実際にはジャンクで良いから28mmなど欲しくなったのですが(^^;)。