ズミクロンR 50mmF2
ロングセラーモデルというものは初期:中期:後期型などとレパートリーがあり、各々ポイントが
あってマニアの収集欲をくすぐるものですね。理想に燃えて設計されコストもかけられた初期型。品質も安定して
豊富に選べる中期型。最高の完成度をもつ後期型など。もっとも真逆の評価をされることもあり
品質:精度もバラツキが多くあたりはずれの多い初期型。特徴もなく不人気の中期型。コストダウンもされて
質感の落ちた後期型など。それらを選んで探すのも中古カメラの醍醐味です。
ライカRレンズの初期型ズミクロンR50mmF2です。1965年から1976年までの長きにわたりR3が出るまで発売されていた
名標準レンズです。R3以降のRカム式に対応できるように3カムに改造されたバージョンで見つけるまで苦労しました(^^;)。
先をきゅっと絞ったデザインは一眼レフにありがちな威圧的な雰囲気をやわらげてくれて好感がもてます。
最近のぶわっと太った標準ズームとは真逆のデザインアイデンテティですね。R-Eのまるっこい
ペンタ部との相性も抜群です。本来のライカフレックスの角ばったペンタ部よりかわいくて似合ってるかと。
鏡筒は真鍮製だそうで小さいのですがずしりと重たいのですがそのぶんますますライカらしいしっとりとした
ピントリングの感触をたのしめます。
先端にはシリーズフィルターⅥをセットするリングが標準でついていたらしいのですが、中古レンズでは紛失されているのが
多くこのレンズもついてませんでした。またまたリングとフィルターを別途探すのに苦労しました。
結局リングは純正ですがフィルターは安くでていた国産のもので妥協しました。シリーズフィルターの特色として
装着してしまうとフィルターのブランドが見えなくなるのでなんら問題ありません(^^)。
ライカR-E ズミクロン50mmF2 開放 1/60 ベルビア50
ズミクロンなのでやっぱり開放の描写をご紹介です。神社の厄除けお祭りのトントと狛犬さんです。
質感描写の作例には狛犬さんが最適ですね(^^)。絞り開放ながら余裕しゃくしゃくのキレと解像感は
さすがのズミクロン様です。うしろのボケも優しくて国産レンズとは一線を画します。
最近の若いデジカメ女子の間では「背景のボケた写真」が流行のようですがですがこのズミクロンはがんばって
「開放でもキリリとシャープ」な感じです。おじさんは線の細いこんな描写も大好きです。
また開放なのにこのコントラストの出し方はすごいですね。前述のニッコール50mmF2がじつにらしい
へちゃつぶれ玉だったことを考えると、同じスペックでもこうも描写が違うというのは設計思想以前の問題ですね。
高性能で各社粒ぞろいの50mmレンズの中でも、これだけ差がわかるとほんとに嬉しくなります。さすがはズミクロン様!
デジタル時代の今ライカRシリーズはMシリーズよりずっとずっと安く買えますのでねらい目ですよ~(^^)。