それにしても、近年のこのハロウィンの盛り上がりぶりは一体何なのだろうか。通勤の際、大阪環状線でUSJ行きの客を見かけるので余計にそう思う。
我が家も子どもらが写真のようにフザけてみかんに落書きをし、また私もついつい「ヒロタのシュークリーム」のハロウィンパッケージを買ってしまった(苦笑)。
我々が20代だった20年ちょっと前には、こんな盛り上がりはなかった。生まれ育った京都・上賀茂でも北山通り界隈で「北山ハロウィン」なるイベントをやっていたが、盛り上がりを見せているのはせいぜいこの10年ほどであろう。
この急激なハロウィンの盛り上がりについては、様々な分析がなされている。その最有力な説が、
「日本人は、実は仮装行列が好きだ」
という意見だ。祭りの法被や花火の浴衣も、ハレの服という意味では仮装でありこれはうなずける。
また、
「日本は農耕民族なので、収穫祭的イベントは馴染む」
という話もある。しかしあのカボチャと仮装に、収穫祭的な意味合いはあまり感じないのは私だけだろうか。
私が思うこのハロウィンの盛り上がりの理由は
「秋には、若者が騒げるイベントがちょうどなかった」
のが最も大きいのではないかと思う。
毎年バカバカしいと思いながら、冬にはクリスマスとバレンタインデー・ホワイトデーがある。完全に菓子屋の陰謀だろう。
春には花見、夏には花火があってそれぞれ飲んで騒げる。
しかし秋には、学校行事では文化祭などがあるが分散してしまっている。かといって、紅葉狩りでは飲んで騒ぐワケにはいかない。
その意味で、ちょうど若者が仮装でもして騒げるちょうどいいタイミングでハロウィンが存在するのであろう。菓子屋的にも、ちょうど売り物がない時期だけにオイシいのではなかろうか。
またあのカボチャのオレンジ色も、それまでの祭りにはない色で日本人には新鮮だったのだろう。実際、あの色でお菓子をラッピングされてしまったら妙にウマそうに見えてしまう。
しかしコレはあちこちで云われている事だが、このハロウィンの盛り上がりは幕末の「えぇじゃないか」に通じるものがあるそうな。すなわちあまりいい世の中ではないので、踊らずにはいられないという説だ。
確かに、安保法案は通るしもうすぐ消費税も再増税されるし、辺野古移転反対を掲げて当選した沖縄県知事を無視して工事が始まるし、野党が呼びかけても首相は国会を開かず外遊ばかりだし、TPPで何を話し合ってきたのか国民に全く説明しない。
中学生は殺されるし、やっとの思いで買ったマンションも杭の寸が足りなかったり…
…いい世の中ではないような気がする(涙)