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薬師寺の会津八一歌碑は水煙から

2015-11-07 06:53:52 | 会津八一の歌碑
薬師寺にも会津八一の歌碑が西塔の横にあり、
東塔が修理中、イメージが湧きませんが、ご紹介します。
 
すゐえん の あま つ をとめ が ころもで の 
    ひま にも すめる あき の そら かな
 
(水煙の 天つ乙女が 衣手の      
     ひまにも澄める 秋の空かな)
東塔の水煙に彫られた天女たち、音楽を奏でて
飛翔する彼女たちの衣の袖の間にさえ、
美しく澄んだ青い秋の空が見えるではないか。

実際は塔は高く水煙の暇などは見えませんが、
作者の絶妙な美的想像力で創り出されております。
西塔ですが、雰囲気だけでも
透かし彫りの『火炎』の中に飛翔する天女が
彫りこまれており、今は水煙と呼びますが、
明治頃に、『火炎』の火の字を嫌い、水煙となりました。
 
佐々木信綱も東塔の歌を詠んでおりますが?
 行く秋の 大和の国の 薬師寺の  
      塔の上なる ひとひらの雲
 
想像力をかきたてる会津八一の歌碑を見ながら、
金堂の薬師如来様にもご挨拶をせなば、帰れません。
 
  外から
ほほ笑みに、うっとりしながら、
東の隅にひっそりと佇む東院堂へ
 外から
白鳳仏を代表する国宝の聖観世音菩薩が安置されており、
あまりにも薬師如来様が有名すぎて、陰に隠れておられます。
四方には鎌倉時代の四天王像が守護され、
お堂を訪れる人は少なく、優雅な時が過ごせますよ。

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