学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

『奇想の系譜』

2008-06-10 21:00:57 | 読書感想
蛙の鳴き声に誘われて、浴衣で河原を散歩したら、さぞかし愉快に相違ない。そんな気持ちのよい夜です。

近頃『奇想の系譜』を読み直しています。美術を扱う学芸員でこの本を知らない方はいないでしょう。それほど著名な本。著者は辻惟雄先生です。私は「ちくま学芸文庫」から出された同本を持っていますが、読み過ぎと、書き込み過ぎで、表紙がすっかり黄ばんでしまいました(泣)

この本で紹介されている画家は、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳の6名。どの名も一度は聞いたことがあると思います。でも、本が書かれた昭和40年代。彼らの評価は非常に低いものであったり、ほとんど知られていなかったといいます。彼らが注目されるようになったのは、まさに『奇想の系譜』で紹介されてから、とのこと。まさに再評価ですね。

これから日本美術を学ぶ方、ぜひオススメです!