ちくま学芸文庫から、岡本太郎、宗左近の対談『ピカソ〔ピカソ講義〕』が出版されています。この本は、言わずもがな、あのパブロ・ピカソについて画家岡本太郎(1911~1996)とフランス文学の翻訳・評論家である宗左近(1919~2006)がそれぞれの立場から見識を示すというもの。
私はまず岡本太郎がピカソに何を感じ、どう評価するのかに興味を持っていました。岡本太郎は「青の時代」は叙情的であまり評価せず、《アヴィニョンの娘たち》、《ゲルニカ》などを絶賛しています。ピカソの生まれたスペインと絡め、絵から東洋的なものを感じる、自分自身と最後まで戦った、才能があるのにそれを否定する努力をした、などとピカソの深い内面へ迫ります。
と、その一方で、私はしだいにピカソを熱く語る岡本太郎の力に引き込まれてゆくのを感じました。岡本太郎といえば「芸術は爆発だ!」の言葉が有名ですが、このセリフだけだと非常にエネルギッシュなイメージですね。でも、この本を読んでいると自分が目指す方向を若い頃から常に意識し、ほとばしる情熱とともに、するどい論理を併せ持つ知的な岡本太郎の姿がよりくっきりと浮かび上がってくるのです。それを引き立てた、聞き役宗左近の返しの巧さも圧巻。
この本は、ピカソについてはもちろん、岡本太郎の芸術に対する考え方も述べられており、読み応えのある内容です!オススメの1冊です。
●『ピカソ〔ピカソ講義〕』岡本太郎、宗左近 ちくま学芸文庫 2009年
私はまず岡本太郎がピカソに何を感じ、どう評価するのかに興味を持っていました。岡本太郎は「青の時代」は叙情的であまり評価せず、《アヴィニョンの娘たち》、《ゲルニカ》などを絶賛しています。ピカソの生まれたスペインと絡め、絵から東洋的なものを感じる、自分自身と最後まで戦った、才能があるのにそれを否定する努力をした、などとピカソの深い内面へ迫ります。
と、その一方で、私はしだいにピカソを熱く語る岡本太郎の力に引き込まれてゆくのを感じました。岡本太郎といえば「芸術は爆発だ!」の言葉が有名ですが、このセリフだけだと非常にエネルギッシュなイメージですね。でも、この本を読んでいると自分が目指す方向を若い頃から常に意識し、ほとばしる情熱とともに、するどい論理を併せ持つ知的な岡本太郎の姿がよりくっきりと浮かび上がってくるのです。それを引き立てた、聞き役宗左近の返しの巧さも圧巻。
この本は、ピカソについてはもちろん、岡本太郎の芸術に対する考え方も述べられており、読み応えのある内容です!オススメの1冊です。
●『ピカソ〔ピカソ講義〕』岡本太郎、宗左近 ちくま学芸文庫 2009年
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