宮城県仙台市、東北福祉大学の敷地内にある芹沢介美術工芸館で開催中の「芹沢介コレクション 絨毯Ⅰ」展を見学してきました。芹沢介(1895~1984)は染色家。柳宗悦の「民藝」に心を動かされ、民藝運動に深く関わりました。芹沢は着物、帯地、のれんのデザインのほか、カレンダーや絵葉書、ガラス絵など幅広い創作活動を展開しました。その一方で、古今東西の工藝品を数多く集めています。今回の「絨毯」もその1つです。
中東や北米などの絨毯がずらりと並び、それぞれ独特の模様が見られます。なかでもアメリカ・ナバホ族の《キューブスタイルブランケット》、これはタイトルの通りキューブ模様のブランケットなんですね。まるで現代アートを見ているような不思議な感覚を覚えます。コーカサスの《獅子と教会文敷物》は、単純化された獅子、それも表情がとてもユニーク。また、虎皮の敷物をそのまま絨毯のデザインに取り入れたものもあって、とても遊び心が感じられました。
先にご紹介した柳宗悦が模様について、こんなことを言っているんですね。模様は「不用なものへの省略」があり、「写実を超えた真実」であると。そして「模様は絵の結晶した姿」とも述べています。つまりは、余計なものをそぎ落とし、そこに残ったものこそが本当に大切なもの、「模様」の本質はそこにあるということですね。この展覧会に展示されている「絨毯」にも、たくさんの「模様」があります。どれも単純化されていながら、美しいものばかりです。芹沢は柳の言葉をしっかり掴んでいたのでしょうね。自身の作品にも、コレクションにも、「模様」に対する高い意識が見られるように思います。
芹沢介の美を楽しめる展覧会です。来年は「絨毯Ⅱ」も開催されるそうなので、続けてぜひご覧下さい!
●『茶と美』(「工藝的絵画」より)柳宗悦 講談社学術文庫 2000年
中東や北米などの絨毯がずらりと並び、それぞれ独特の模様が見られます。なかでもアメリカ・ナバホ族の《キューブスタイルブランケット》、これはタイトルの通りキューブ模様のブランケットなんですね。まるで現代アートを見ているような不思議な感覚を覚えます。コーカサスの《獅子と教会文敷物》は、単純化された獅子、それも表情がとてもユニーク。また、虎皮の敷物をそのまま絨毯のデザインに取り入れたものもあって、とても遊び心が感じられました。
先にご紹介した柳宗悦が模様について、こんなことを言っているんですね。模様は「不用なものへの省略」があり、「写実を超えた真実」であると。そして「模様は絵の結晶した姿」とも述べています。つまりは、余計なものをそぎ落とし、そこに残ったものこそが本当に大切なもの、「模様」の本質はそこにあるということですね。この展覧会に展示されている「絨毯」にも、たくさんの「模様」があります。どれも単純化されていながら、美しいものばかりです。芹沢は柳の言葉をしっかり掴んでいたのでしょうね。自身の作品にも、コレクションにも、「模様」に対する高い意識が見られるように思います。
芹沢介の美を楽しめる展覧会です。来年は「絨毯Ⅱ」も開催されるそうなので、続けてぜひご覧下さい!
●『茶と美』(「工藝的絵画」より)柳宗悦 講談社学術文庫 2000年
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