学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

プラトン「ソクラテスの弁明」を読む

2007-08-02 19:39:17 | Weblog
今日はお休み。一日のんびりとしていました。のんびりといっても、ごろごろ寝ていたわけではありません。本を読んだり、掃除をしたり、御飯を作ったり、それなりに動いていました。休みの日にごろごろしていては、もったいないですものね。毎度のことで思うのですが、休みはあっという間。何か計画を練っておかないと、瞬く間に時間は過ぎてゆき、何もせずに終わった・・・なんて日もざらにあります。休みの日もきちんと計画を立てて過ごしていこう!と思いつつある、今日この頃でした。

今日は久し振りに哲学です。プラトンの「ソクラテスの弁明」を読みました。一体、ソクラテスが誰に対して弁明しているのかといいますと、アテナイの裁判官たちに対してです。ソクラテスはアテナイの人々に悪い影響を与えているという理由から裁判所?に引っ張られてきたわけです。そこで自分自身の行動に就いて、裁判官に弁明をするのです。

さて、あなたの知っている哲学者の名前を挙げてください、と言われたら、まず誰の名前を挙げますか?大体の人が、まずソクラテスと答えるのではないでしょうか。それくらい彼の名は知られていると思います。でも、彼が一体どんなことを主張した人ですか?と問われたらどれくらいの人が答えられるでしょうか。

ソクラテスの思想の1つとして「無知の知」が挙げられます。「無知の知」?一体何のことでしょう?「ソクラテスの弁明」に私のアレンジを加えて、ごく簡単に説明させていただきます。私たちは、一般的に死ぬことは恐ろしいことだと思っていますよね。けれど、私たちは実際に死んだことは無いはずです。それなのに、どうして死ぬことが恐ろしいと知っているの?というわけです。本当は知らないことを、知っている振りしているだけでしょ、という話。(簡潔にしすぎてます:笑)

私たち、本当は知らないのに、知っている振りをしていることってありますよね。私が冒頭、哲学者ソクラテスはどんなことを主張した人か知っていますか?と問うたとき、あなたは瞬時に答えられましたか?答えられなかった人がほとんどではないでしょうか。「ソクラテス」の名前を知るのみで、主張を知らないということは、何も知らないことと一緒ではないか、という気がしませんか。(多分、今の私の例は違うような気もするけれど、どうぞ御勘弁を!!)自信は無いですが、そんなことを考えました。

「ソクラテスの弁明」は、哲学入門としては面白いと思います。夏目漱石の「坊っちゃん」みたいなものです(笑)夢中になると、時を忘れて読み続けてしまいます。自分自身が裁判官になり、まるで目の前でソクラテスが弁明しているように錯覚してしまう。これは一押し!!

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