学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

黒田清輝の《昼寝》

2016-02-16 19:16:15 | その他
昨夜、どうも眠れなかったので、本棚に向かって闇雲に本を掴んだら、それは黒田清輝の画集でした。そういえば、今年は黒田清輝の生誕150周年。3月から東京国立博物館で特別展が開催される予定ですね。

私が手にとった例の画集は、2001年に宮城県美術館で開催された「近代日本洋画の巨匠 黒田清輝」展のカタログでした。実際に見に行った展覧会だったので、当時の思い出が蘇ってきます。どの作品が印象に残ったのか、と言われれば、代表作として紹介される《湖畔》。優しくてさわやかな風が吹き抜けていくような作品でした。そして《智・感・情》の圧倒的な迫力に驚き…。そういえば…その感動を帰宅してから両親に話をしたものの、その感動がまったく伝わっていなかった記憶もついでに蘇りました(笑)

さて、久しぶりに画集を眺めていて気になった作品がありました。それが《昼寝》です。一人の女性が横になって昼寝をしていて、彼女の体を太陽の光が全身を包んでいるというもの。その光の表現が後期印象派を彷彿とさせるものでなかなか興味深い。(どうも萬鉄五郎が頭に浮かぶ…)この絵が生まれてきた背景まではわからないのですが、その画集をめくる限り、こうした表現の作品を黒田が試みたものは見つかりませんでした。どうも気になります。(ちなみに《昼寝》は《湖畔》の3年前に制作されています)

3月から開催される特別展に展示されるかはわかりませんが、そんなことから、まとまった点数で黒田の作品を見てみたいと持っています。ちなみに、同展覧会のホームページを開いたところ、「黒田清輝」が展覧会情報をツイートしていました。面白い試みですね(笑)




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