●水没車
中古車でもっとも価値がない、と言われるのが水没車。エンジンが水を嫌う上に、電装部品が多い現代車では水に浸かると致命的だ。
車の処分は、多くの場合、新規購入の下取りか、買い取り専門店に売却する。通常、ゼロ査定になることはない。国内では価値がゼロでも、海外では価値が発生する場合があるからだ。業者オークションに行くと明らかだが、中近東あたりでは国内業者が目もくれない古くてボロい車も買う。十分に商売になるのだ。部品取りもできる。
ところが、無価値だ、とユーザーを引っかける業者が、震災以後、被災地周辺に目立つようになった。
エンジンもコンピュータもみんな交換になるし、内装もやり直さないといけないから新車を買うようなものだ。廃車にする手続き費用はこっちで負担するよ(善人モード)・・・・。
ところが、廃車になったはずの車が中古店で販売されていたりする。
問い合わせると、廃車手続きは他の業者に任せた、の一点張り。
廃車にすれば、税金(自動車税・重量税)や保険料(自賠責)が還付される。こうした戻りを業者が懐に入れるのだ。
悪質な業者は、「無料で廃車手続き」と広告を出しておきながら、契約する段階で「無料は終わった」と手続き料を要求する。しかも、本来ならば廃車にする契約であるはずのところを譲渡契約になっていたりする。転売する意思があるわけだ。バラして部品取りもできる。
被災車両は、岩手、宮城、福島の3県だけで23万台超だ。行政による撤収作業はなかなか進まない。震災ビジネスで儲けようとする連中からみれば、宝の山だ。数千円で入手した被災車両を分解すれば、100倍以上の値で売却できるのだから。
10月現在、当局は解体作業に着手していない。撤去した車を並べるだけで精一杯なのだ。解体作業を請け負うことができれば、業者の収益は莫大なものになる。しかも、請負なら正規の作業になり、違法性が阻却され、表のビジネスに転換できる。現状では裏ビジネス/闇ビジネスだが、将来性の高いビジネスだ。
●廃材
日本の住宅は工法が変わってきたとはいえ、木材が中心だ。軽鉄骨や鉄筋に比べて再利用が容易であることも利点の一つだ。
震災が生んだ瓦礫の山の中には、住宅の基礎として使用された木材が積み上げられたものがある。その廃材もビジネスになる。柱はいくらでも使える。表面が汚れていても削ればよい。古い住宅のほうが、最近のお手軽住宅より柱はいいものを使っていたりする。
正しく利用された場合、リサイクルはエコ社会の要請に適う。
問題は、木材としての価値がなくなったものを、あたかも真っ当な材料であるかのように転売している業者だ。表面ではわからないが、中身にスができていたり、虫食いの被害、割れがある場合がある。水に浸かれば、十分に乾燥させても耐久性に問題が出るし、腐る可能性もある。
いわゆる欠陥住宅には、天井裏、壁の中など見えない箇所に古い木材や廃材が使用されていることが多い。予算の範囲内で仕上げるためには、どうしてもそういうものを使わざるをえない、と工務店は言い訳する。それを施主に伝えていなければ騙りだ。大手の住宅メーカーにしても、下請を使うため、こうした手抜きが起こる。
このたびの震災でも、廃材が流通した。震災直後、住宅資材が不足し、相場が上がった。被災地の水に浸かった廃材が流通した。とりあえず材料がそろえばいい、と安直な考えをもつ業者は、悪質な資材も使った。工期を守ろうとする焦りが資材選定を甘くさせた。
●土砂
震災以後の土砂ビジネスは大きく2つに分かれる。
(a)汚染土壌を含んだ土砂の運搬に関するもの。
被曝線量1mSv以上の地域は国が責任をもって除染する・・・・ことになっている。
ビジネスは1mSv未満の地域で発生する。基準値以下でも土壌を入れ替えたい、という需要に応じるのだ。
問題は、汚染土壌が動くことだ。運び出した汚染土壌は、業者によっては「うちの敷地に山作っとけばいい」「敷地は山の中」なのだ。全国各地から参入する業者が同様な処理をすれば、汚染土壌が全国に散っていく。
(b)土砂に埋もれたある種の宝探し。
土砂を運び出すこと自体、ビジネスになる。汚染土壌でないかぎり、再利用できる。再利用できなくても損はしない。
掘り出していくと、商品として売ることのできるものが見つかる場合もある。
携帯電話からは、インジウム、ネオジウム、サマリウム、ベリリウム、ガリウム、タンタル、チタン、リチウムなどレアメタルを抜き取るのだ。
土砂の中から、宝石、金の類も見つかるかもしれない。
以上、夏原武『震災ビジネスの闇』(宝島SUGOI 文庫、2011)に拠る。
【参考】「【震災】原発>放射能をダシにした詐欺 ~震災ビジネスの闇~」
「【震災】被災者を骨までしゃぶる詐欺 ~震災ビジネスの闇~」
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中古車でもっとも価値がない、と言われるのが水没車。エンジンが水を嫌う上に、電装部品が多い現代車では水に浸かると致命的だ。
車の処分は、多くの場合、新規購入の下取りか、買い取り専門店に売却する。通常、ゼロ査定になることはない。国内では価値がゼロでも、海外では価値が発生する場合があるからだ。業者オークションに行くと明らかだが、中近東あたりでは国内業者が目もくれない古くてボロい車も買う。十分に商売になるのだ。部品取りもできる。
ところが、無価値だ、とユーザーを引っかける業者が、震災以後、被災地周辺に目立つようになった。
エンジンもコンピュータもみんな交換になるし、内装もやり直さないといけないから新車を買うようなものだ。廃車にする手続き費用はこっちで負担するよ(善人モード)・・・・。
ところが、廃車になったはずの車が中古店で販売されていたりする。
問い合わせると、廃車手続きは他の業者に任せた、の一点張り。
廃車にすれば、税金(自動車税・重量税)や保険料(自賠責)が還付される。こうした戻りを業者が懐に入れるのだ。
悪質な業者は、「無料で廃車手続き」と広告を出しておきながら、契約する段階で「無料は終わった」と手続き料を要求する。しかも、本来ならば廃車にする契約であるはずのところを譲渡契約になっていたりする。転売する意思があるわけだ。バラして部品取りもできる。
被災車両は、岩手、宮城、福島の3県だけで23万台超だ。行政による撤収作業はなかなか進まない。震災ビジネスで儲けようとする連中からみれば、宝の山だ。数千円で入手した被災車両を分解すれば、100倍以上の値で売却できるのだから。
10月現在、当局は解体作業に着手していない。撤去した車を並べるだけで精一杯なのだ。解体作業を請け負うことができれば、業者の収益は莫大なものになる。しかも、請負なら正規の作業になり、違法性が阻却され、表のビジネスに転換できる。現状では裏ビジネス/闇ビジネスだが、将来性の高いビジネスだ。
●廃材
日本の住宅は工法が変わってきたとはいえ、木材が中心だ。軽鉄骨や鉄筋に比べて再利用が容易であることも利点の一つだ。
震災が生んだ瓦礫の山の中には、住宅の基礎として使用された木材が積み上げられたものがある。その廃材もビジネスになる。柱はいくらでも使える。表面が汚れていても削ればよい。古い住宅のほうが、最近のお手軽住宅より柱はいいものを使っていたりする。
正しく利用された場合、リサイクルはエコ社会の要請に適う。
問題は、木材としての価値がなくなったものを、あたかも真っ当な材料であるかのように転売している業者だ。表面ではわからないが、中身にスができていたり、虫食いの被害、割れがある場合がある。水に浸かれば、十分に乾燥させても耐久性に問題が出るし、腐る可能性もある。
いわゆる欠陥住宅には、天井裏、壁の中など見えない箇所に古い木材や廃材が使用されていることが多い。予算の範囲内で仕上げるためには、どうしてもそういうものを使わざるをえない、と工務店は言い訳する。それを施主に伝えていなければ騙りだ。大手の住宅メーカーにしても、下請を使うため、こうした手抜きが起こる。
このたびの震災でも、廃材が流通した。震災直後、住宅資材が不足し、相場が上がった。被災地の水に浸かった廃材が流通した。とりあえず材料がそろえばいい、と安直な考えをもつ業者は、悪質な資材も使った。工期を守ろうとする焦りが資材選定を甘くさせた。
●土砂
震災以後の土砂ビジネスは大きく2つに分かれる。
(a)汚染土壌を含んだ土砂の運搬に関するもの。
被曝線量1mSv以上の地域は国が責任をもって除染する・・・・ことになっている。
ビジネスは1mSv未満の地域で発生する。基準値以下でも土壌を入れ替えたい、という需要に応じるのだ。
問題は、汚染土壌が動くことだ。運び出した汚染土壌は、業者によっては「うちの敷地に山作っとけばいい」「敷地は山の中」なのだ。全国各地から参入する業者が同様な処理をすれば、汚染土壌が全国に散っていく。
(b)土砂に埋もれたある種の宝探し。
土砂を運び出すこと自体、ビジネスになる。汚染土壌でないかぎり、再利用できる。再利用できなくても損はしない。
掘り出していくと、商品として売ることのできるものが見つかる場合もある。
携帯電話からは、インジウム、ネオジウム、サマリウム、ベリリウム、ガリウム、タンタル、チタン、リチウムなどレアメタルを抜き取るのだ。
土砂の中から、宝石、金の類も見つかるかもしれない。
以上、夏原武『震災ビジネスの闇』(宝島SUGOI 文庫、2011)に拠る。
【参考】「【震災】原発>放射能をダシにした詐欺 ~震災ビジネスの闇~」
「【震災】被災者を骨までしゃぶる詐欺 ~震災ビジネスの闇~」
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