語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【震災】原発>牛乳汚染スパイラル

2011年12月30日 | 震災・原発事故
 12月7日、宮城県内3カ所の原乳が、2カ所で20Bq/kg、21Bq/kgと、前週の2倍を超えた。
 仙台市の小学校の学校給食の牛乳から、放射能が検出された。その後も同じブランドXの1リットル入り牛乳3本から17~23Bq/kgが検出された。測定したのは、NPO法人「TEAM二本松」(福島県二本松市)だ。
 「TEAM二本松」は、これを含めて22日までに複数メーカーの37本を測定し、11本からセシウムを検出した。いずれも暫定基準値の200Bq/kgを下回り、来年度から実施予定の50Bq/kgよりも低かった。国が「飲んでも安全」とするレベルだ。
 しかし、学校給食は半ば強制的に子どもたちの口に入る。
 給食に出す牛乳の放射能はゼロにしてほしい。たとえ他県から持ってきてでも。 【佐々木道範・「TEAM二本松」理事長】
 栄養バランスに優れた牛乳は給食のメニューから外しにくい。当面の対策として、放射能を理由にして飲まない子が代金を払わなくてすむ措置ができるかどうか検討している。【佐藤順・仙台市教育委員会健康教育課長】
 上記ブランドXのメーカーは、関東・東北各県の原乳を6月から週1回、放射能検査をしてきた。検出の下限である10Bq/kgを超える放射能が検知されることもある。
 メーカーに原乳を供給するのは販売農協だ。メーカーは、二本松の検査結果も含め、販売農協に伝えて改善を求た。
 生産者団体の宮城県酪農農協組合は、11月半ばから動き始めている。所属の酪農農家全180戸を回り、餌の放射能を測定中。放射能ゼロを目指している。

 以上、松浦新「学校で毎日飲むもの ~〈プロメテウスの罠〉■学長の逮捕:20~」(2011年12月29日付け朝日新聞) 

    *

 福島県二本松市の市民団体「TEAM二本松」は、食品大手「明治」の乳児用粉ミルクの放射線汚染を同社に通報、対象製品36万缶を無償交換に至らせた。
 実は、粉ミルクだけではない。牛乳の汚染が見過ごされている。
 メーカーは、自主検査の数値を公表していない。なぜか。
 行政が生産段階で検査しているから、規制値を超える原乳がメーカーに来るはずはない。自社検査は、あくまで自主的な確認レベルなので、公表する必要はない。【雪印メグミルク、明治、森永乳業】
 実はしかし、10月以降、汚染が検出されている。育ち盛りの子どもは1日に1リットルを飲む。毎日40Bq近くを摂取し続ける勘定になる。

●「TEAM二本松」の検査
  ・「明治・おいしい牛乳」・・・・26Bq/kg
  ・「メグミルク牛乳」(宮城県大崎市で製造)・・・・39Bq/kg
  ・「森永牛乳」(仙台市で製造)・・・・18Bq/kg
  ・「まきばの空」(仙台市で製造)・・・・15Bq/kg
  ・「毎日の食卓3・6牛乳」・・・・38Bq/kg

●福島県のスーパーの独自検査(11月11日)
  ・「明治・おいしい牛乳」・・・・18Bq/kg。

●新潟県による県内流通品の「抜き打ち検査」
  ・3点の牛乳(商品名非公表、製造所:宮城・福島)・・・・12.3~22.3Bq/kg

●自治体独自の検査
  ・「メグミルク」(宮城県で製造)・・・・18.9~25Bq/kg 【宮城県大崎市】
  ・「明治」(神奈川県で製造)・・・・9.4Bq/kg 【東京都世田谷区】
  ・「明治・おいしい牛乳」(宮城県県で製造)・・・・17.9Bq/kg 【東京都千代田区】
  ・「**」(群馬県で製造)・・・・7Bq/kg  【東京都武蔵野市】

 以上、藤後野里子/大場弘行(本紙)「牛乳汚染スパイラルから子どもを守れ」(「サンデー毎日」2011年1月1・8日号)に拠る。
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