1 政府の説明
年金、介護、医療の高齢者3経費の不足額は、2011年度で10兆円。これが、2015年度には13.4兆円になる。その穴埋めのため消費税を増税する。消費税1%当たり2.7兆円、5%で13.5兆円だ。2006年度の水準に戻せば、当面は増税不要だ。
2 消費増税に代わる財源
(1)バラマキ政策を削減【①】
一般会計予算は、2006年度の81兆円台から、2012年度は96.7兆円に拡大。消費増税に相当する14兆円ほど膨らんでいる。
(a)形を変えて残る子ども手当・・・・2兆2,857億円(うち国庫負担1兆3,283億円)。
(b)整備新幹線未着工3区間(北海道・北陸・九州)計画復活・・・・総事業費3兆3,000億円。従来まで国土交通省が示していた2兆7,500億円から拡大。
(c)八ツ場ダム建設再開・・・・総事業費4,600億円。
(d)東京外環道着工・・・・総事業費1兆2,820億円(道路1m当たり7,900万円、世界一「高い」道路)。
(2)国家公務員人件費を削減【①、②】
5.3兆円の2割に当たる1.1兆円を削減。
(3)独立行政法人の民間化【①】
独立行政法人全体に計上されている年間3兆円を削減。
(4)特別会計の埋蔵金を一般会計に移行【④】
2010年度の特別会計291兆円には、国債整理基金30兆円、財政投融資19兆円、外国為替資金その他余剰金など、50兆円の埋蔵金がある。まず埋蔵金を吐き出してから増税すべきだ。
(5)金持ち優遇の税制を改正【③】
(a)所得税の最高税率の引き上げ・・・・かつて75%だったが、今は37%に引き下げられている。消費税導入直前の税率65%と皮革すると、減税額の合計は2兆2,250億円。消費税の1%相当だ。消費税導入以降現在までの26年間の累計は30兆円近くある。消費税12%相当分だ。
(b)租税特別措置の廃止で国・地方の合計28兆1,105億円の税収増・・・・①2011年度分をみると、企業が株式を発行した場合、額面を超えた発行差金(時価との差)は非課税だが、それを廃止すれば3兆9,320億円の税収増となる。②大企業が株を持つ子会社からの配当金の80%は益金に入れなくてよいが、これを廃止すれば4兆815億円だ。
(6)富裕税を賦課【⑤】
日本の個人金融資産は総額1,400兆円だ。その大部分を所有しているのは400万人程度の富裕老人たちだ。1,400兆円の個人金融資産に、家や土地などの資産を合わせると8,000兆円を超える。それらに対し、1%の富裕税をかければ、概算でも80兆円の税収になる。生活資産は課税免除にしても、40兆円ぐらいにはなるはず。現在の日本の税収40兆円に匹敵する。
富裕税は、恒久財源となり得る。富裕税は、フランスなど一部先進国で導入されている。
日本では、1990年以降、高額所得者の所得税率や相続税の最高税率が大きく下げられる一方、配偶者特別控除や定率減税が廃止されるなど、中間層以下の負担が増えた。現在の閉塞感を打破するためには、ある程度の痛みは必要だが、痛みを受けるべきはこれまでいい思いをしてきた富裕層だ。
3 意見を出した人
①岸博幸・慶應大学教授
②岩瀬達哉・ジャーナリスト
③富山泰一・不公平な税制をただす会事務局長/税理士
④菊池英博・日本金融財政研究所所長/経済アナリスト
⑤武田知弘・経済ジャーナリスト/元大蔵官僚
以上、奥野幹浩/藤後野里子(本誌)「消費税の必要なし 目からウロコの財源はこれだ」(「サンデー毎日」2012年2月26日号)に拠る。
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年金、介護、医療の高齢者3経費の不足額は、2011年度で10兆円。これが、2015年度には13.4兆円になる。その穴埋めのため消費税を増税する。消費税1%当たり2.7兆円、5%で13.5兆円だ。2006年度の水準に戻せば、当面は増税不要だ。
2 消費増税に代わる財源
(1)バラマキ政策を削減【①】
一般会計予算は、2006年度の81兆円台から、2012年度は96.7兆円に拡大。消費増税に相当する14兆円ほど膨らんでいる。
(a)形を変えて残る子ども手当・・・・2兆2,857億円(うち国庫負担1兆3,283億円)。
(b)整備新幹線未着工3区間(北海道・北陸・九州)計画復活・・・・総事業費3兆3,000億円。従来まで国土交通省が示していた2兆7,500億円から拡大。
(c)八ツ場ダム建設再開・・・・総事業費4,600億円。
(d)東京外環道着工・・・・総事業費1兆2,820億円(道路1m当たり7,900万円、世界一「高い」道路)。
(2)国家公務員人件費を削減【①、②】
5.3兆円の2割に当たる1.1兆円を削減。
(3)独立行政法人の民間化【①】
独立行政法人全体に計上されている年間3兆円を削減。
(4)特別会計の埋蔵金を一般会計に移行【④】
2010年度の特別会計291兆円には、国債整理基金30兆円、財政投融資19兆円、外国為替資金その他余剰金など、50兆円の埋蔵金がある。まず埋蔵金を吐き出してから増税すべきだ。
(5)金持ち優遇の税制を改正【③】
(a)所得税の最高税率の引き上げ・・・・かつて75%だったが、今は37%に引き下げられている。消費税導入直前の税率65%と皮革すると、減税額の合計は2兆2,250億円。消費税の1%相当だ。消費税導入以降現在までの26年間の累計は30兆円近くある。消費税12%相当分だ。
(b)租税特別措置の廃止で国・地方の合計28兆1,105億円の税収増・・・・①2011年度分をみると、企業が株式を発行した場合、額面を超えた発行差金(時価との差)は非課税だが、それを廃止すれば3兆9,320億円の税収増となる。②大企業が株を持つ子会社からの配当金の80%は益金に入れなくてよいが、これを廃止すれば4兆815億円だ。
(6)富裕税を賦課【⑤】
日本の個人金融資産は総額1,400兆円だ。その大部分を所有しているのは400万人程度の富裕老人たちだ。1,400兆円の個人金融資産に、家や土地などの資産を合わせると8,000兆円を超える。それらに対し、1%の富裕税をかければ、概算でも80兆円の税収になる。生活資産は課税免除にしても、40兆円ぐらいにはなるはず。現在の日本の税収40兆円に匹敵する。
富裕税は、恒久財源となり得る。富裕税は、フランスなど一部先進国で導入されている。
日本では、1990年以降、高額所得者の所得税率や相続税の最高税率が大きく下げられる一方、配偶者特別控除や定率減税が廃止されるなど、中間層以下の負担が増えた。現在の閉塞感を打破するためには、ある程度の痛みは必要だが、痛みを受けるべきはこれまでいい思いをしてきた富裕層だ。
3 意見を出した人
①岸博幸・慶應大学教授
②岩瀬達哉・ジャーナリスト
③富山泰一・不公平な税制をただす会事務局長/税理士
④菊池英博・日本金融財政研究所所長/経済アナリスト
⑤武田知弘・経済ジャーナリスト/元大蔵官僚
以上、奥野幹浩/藤後野里子(本誌)「消費税の必要なし 目からウロコの財源はこれだ」(「サンデー毎日」2012年2月26日号)に拠る。
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