電力料金を上げる前に説明を尽くせ。
1月26日、東京都は、東京電力、原子力損害賠償支援機構、経済産業省にあてて、電力料金値上げに対する緊急要望書を提出した【注1】。ポイントは、明確な情報開示、中小企業に対する配慮など4つ。
東電によれば、現行料金算定の前提である2008年度に比べて6,800億円増加する。
だが、「燃料費等は火力燃料費、核燃料費、購入電力量など」とあるだけで、内訳がない。【猪瀬直樹・東京都副知事】
経営合理化による2012年度のコストダウン額を1,934億円としているが、昨年10月の緊急特別事業計画で東電は10年間で2.6兆円のコスト削減を掲げているから、単純計算すれば2,600億円のはずだ。【猪瀬副知事】
東京都は、2.7%を保有する東電の第3位の株主だ。また、その年間電気代は380億円【注2】で、今回の値上げによって80億円弱のコスト増となる。
根拠不明な値上げは認めない。【猪瀬副知事】
かくて、都は東電の資産を「仕分け」した。東電の有価証券報告書には社名のある40社【注3】以外は「その他128社」としか記されていない【注4】。そこで、住所が記載されている都内24子会社を調査し、賃貸料を試算した。その結果、整理すれば、ビル売却額80億円+賃料削減20億円=100億円が削減できる、と都は算定した【注5】。
<例1>変電所のない自社ビルは売却し、賃料の安いエリアに移転する。
<例2>東電の社宅や福利厚生施設の管理、運営委託を受けた子会社(従業員1,007人)【注6】は六本木駅から徒歩2分のビルに入居する必要なし。
<例3>群馬など4県にまたがる尾瀬の山林・土地の管理を行う子会社(同104人)【注7】の本社がなぜ東京にあるのか。
【注1】記事「ふざけるな!東電のウソ 「値上げの原因は燃料高」は口実 ひた隠す埋蔵金」(「週刊朝日」2012年2月24日号)によれば、昨年12月、何度も東電に資産売却計画んどの開示を求めた。だが、出てこない。猪瀬副知事は、首都圏の自治体とつくる「9都県市首脳会議」の代表として、資源エネルギー庁長官と面会し、値上げ根拠の詳細を情報開示するよう要望した。
【注2】前掲誌によれば、年間83万kW。
【注3】前掲誌によれば、うち1社は昨年7月に清算、別の3社は2社に統合。
【注4】子会社168社のうち、会社名を公表したのはわずか40社のみ、ということだ。情報開示への意識の低さを示す、と前掲誌は評する。
【注5】前掲誌によれば、猪瀬副知事いわく、「氷山の一角だけで100億円以上出てくるとわかった。まだまだ『埋蔵金』は出てくるに違いない」。
【注6】前掲誌によれば、「東京リビングサービス」。想定賃料833万円。
【注7】前掲誌によれば、「尾瀬林業」。日暮里の高層ビルに入っている。想定賃料202万円。
以上、コラム「東京都、値上げに憤激!」(「週刊東洋経済」2012年2月18日号)に拠る。
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1月26日、東京都は、東京電力、原子力損害賠償支援機構、経済産業省にあてて、電力料金値上げに対する緊急要望書を提出した【注1】。ポイントは、明確な情報開示、中小企業に対する配慮など4つ。
東電によれば、現行料金算定の前提である2008年度に比べて6,800億円増加する。
だが、「燃料費等は火力燃料費、核燃料費、購入電力量など」とあるだけで、内訳がない。【猪瀬直樹・東京都副知事】
経営合理化による2012年度のコストダウン額を1,934億円としているが、昨年10月の緊急特別事業計画で東電は10年間で2.6兆円のコスト削減を掲げているから、単純計算すれば2,600億円のはずだ。【猪瀬副知事】
東京都は、2.7%を保有する東電の第3位の株主だ。また、その年間電気代は380億円【注2】で、今回の値上げによって80億円弱のコスト増となる。
根拠不明な値上げは認めない。【猪瀬副知事】
かくて、都は東電の資産を「仕分け」した。東電の有価証券報告書には社名のある40社【注3】以外は「その他128社」としか記されていない【注4】。そこで、住所が記載されている都内24子会社を調査し、賃貸料を試算した。その結果、整理すれば、ビル売却額80億円+賃料削減20億円=100億円が削減できる、と都は算定した【注5】。
<例1>変電所のない自社ビルは売却し、賃料の安いエリアに移転する。
<例2>東電の社宅や福利厚生施設の管理、運営委託を受けた子会社(従業員1,007人)【注6】は六本木駅から徒歩2分のビルに入居する必要なし。
<例3>群馬など4県にまたがる尾瀬の山林・土地の管理を行う子会社(同104人)【注7】の本社がなぜ東京にあるのか。
【注1】記事「ふざけるな!東電のウソ 「値上げの原因は燃料高」は口実 ひた隠す埋蔵金」(「週刊朝日」2012年2月24日号)によれば、昨年12月、何度も東電に資産売却計画んどの開示を求めた。だが、出てこない。猪瀬副知事は、首都圏の自治体とつくる「9都県市首脳会議」の代表として、資源エネルギー庁長官と面会し、値上げ根拠の詳細を情報開示するよう要望した。
【注2】前掲誌によれば、年間83万kW。
【注3】前掲誌によれば、うち1社は昨年7月に清算、別の3社は2社に統合。
【注4】子会社168社のうち、会社名を公表したのはわずか40社のみ、ということだ。情報開示への意識の低さを示す、と前掲誌は評する。
【注5】前掲誌によれば、猪瀬副知事いわく、「氷山の一角だけで100億円以上出てくるとわかった。まだまだ『埋蔵金』は出てくるに違いない」。
【注6】前掲誌によれば、「東京リビングサービス」。想定賃料833万円。
【注7】前掲誌によれば、「尾瀬林業」。日暮里の高層ビルに入っている。想定賃料202万円。
以上、コラム「東京都、値上げに憤激!」(「週刊東洋経済」2012年2月18日号)に拠る。
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