語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【心理】夜と霧 ~異常な状況下の心理~

2017年02月08日 | 心理
 

 加賀乙彦は、本書を一言で要約する。すなわち、異常な状況に対する正常な反応は、異常な行動をとることだ、と。
 心やさしい人は、本書を読むにあたって、最初は口絵の写真を見ないで、本文を一読してから見るとよいかもしれない。以下、1988年新装第8刷の裏表紙から。

 <この本は、人間の極限悪を強調し、怒りをたたきつけているが、強制収容所で教授が深い、清らかな心を持ち続けたことは、人間が信頼できるということを示してくれた。この恐ろしい書物にくらべては、ダンテの地獄さえ童話的だといえるほどである。しかし私の驚きは、ここに充たされているような極限の悪を人間が行ったことより、かかる悪のどん底に投げこまれても、人間がかくまで高貴に、自由に、麗しい心情をもって生き得たかを思うことの方に強くあった。その意味からフランクル教授の手記は現代のヨブ記とも称すべく、まことに詩以上の詩である。>【野上弥生子・評】

 <アウシュビッツその他ナチスの収容所を描いた『夜と霧』という本が、長期間にわたってよく売れているようです。・・・・この書物の著者フランクルの手記は独自の性格を持っています。この心理学者のの記録は、読むだけでも寒気のするような悲惨な事実をつづりながら、不思議な明るさを持ち、読後感はむしろさわやかなのです。>【中村光夫・評】

□ヴィクトル・E・フランクル(霜山徳爾・訳)『夜と霧 ~ドイツ強制収容所の体験記録~』(フランクル著作集1)(みすず書房、1961)
□ヴィクトル・E・フランクル(霜山徳爾・訳)『夜と霧 ~ドイツ強制収容所の体験記録~』(みすず書房、1961初版第1刷/1988新装第8刷)
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【南雲つぐみ】目の温浴 ~蒸しタオル~

2017年02月08日 | 医療・保健・福祉・介護
 2月8日は針供養。お針子さんが仕事を1日休んで、さびたり折れたりした古い針を豆腐やコンニャクに刺して神社に納め、針仕事の上達を祈る行事だ。東京の浅草寺淡島堂のほか、全国の淡島神社などで供養を行う。
 裁縫などの細かい仕事では、目も酷使しやすい。できるだけこまめに休息して“供養”したい。
 たとえば、ハンドタオルをぬらしてラップで包んでレンジで温める。40度ぐらいの蒸しタオルを目に乗せると、目のピント調節をしている筋肉がほぐれるという。また、蒸しタオルの蒸気はドライアイを癒やすのにもいい。鶴見大学眼科学臨床教授の後藤英樹氏は「蒸しタオルを10分ぐらい当てることで涙の蒸発量をかなり抑えることができる」という。
 目にはいろいろな神経が集まっているので、温めると、まるで全身の凝りがほぐされるようなリラックス感を得ることができる。瞳の乾きや疲れは、顔全体の表情にも影響するものだ。鏡を見て顔色がさえないと思ったら、目をリフレッシュするのもいいだろう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「目の温浴 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年2月8日)を引用
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 【参考】
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