第十三章(5)
心無罫礙 無罫礙故 無有恐怖
「無罫礙故」に、また仕掛けがある。
今までの「色不異空」と「空不異色」。
「色即是空」と「空即是色」などと同じだ。
そのまま字面を訳したら、マヌケだろ。
ゲンちゃん(玄奘)はボケてない。
せっかく心経という凝縮経にしているのだ。
同じ意味言葉の繰り返しなどしない。
だから、ここも違う訳にして欲しいのだ。
通常の訳者が間違うのは、訳者の立場だからだ。
書き手の立場になれば判る。
まして、イタズラ坊主のゲンちゃんだ。
書き手は、文章に仕掛けをしたいものなのだ。
短い文章になればなるほど仕掛ける。
詩や俳句や短歌をみればいい。
言葉に様々な仕掛けを付ける。
訳し手や読み手の事など、少し度外視してしまう。
書くのが愉しいから、そういう仕掛けをする。
創る愉しみは個人的な愉しみが必ず入る。
何事も個性があってこそ活きる。
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