水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・327」

2014-09-10 19:20:48 | Weblog



カルテ番号 ぬ・2(10)

ネットで調べるとすぐ見つかった。
早速電話をかけてみた。
「特に病気ではありませんが、体験してみたいのです」
「どうぞ。病気があってもなくても、目指す方向は同じですから」
それがどういう意味だか解らないが、予約を入れた。
電話をしてから、何だか少し楽しい気がしている。

沼田桃子の休日に車で出かけた。
目指す治療院はすぐ見つかった。
思ったより山の中だった。
こんなところに患者さんは来るのだろうか?
錆びついた看板から、あまり来ないのだろうと思われる。

院長はやわらかな印象だった。
白衣の代わりに作務衣を着ていた。
簡単な記入事項の後、早速マットに仰向けになった。
気功しながら、好きなように話していいという。
病気や気功に限らず、何でも質問すれば答えるという。
それを聞いて、しめた、と思った。
あの神社での現象の話がしやすくなった。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・326」

2014-09-09 19:32:47 | Weblog



カルテ番号 ぬ・2(9)

沼田桃子は何故かその話が頭に残っていた。
気功に特に興味はない。
だが、思い込みで効果が無いなどと簡単には判断できない。
こういう仕事をしていると、思わぬ回復を目撃することがある。
それらは病院や一般的な治療以外からの事が多々あるからだ。
回復が難しい病からの脱却は、何か不思議な力が働くようだ。

もちろん、ほとんど役に立たない高額な健康食品や健康器具は山のようにある。
高額の理由は、扱う手数料だというカラクリがほとんどだ。
今では高額ということだけで、ほとんど無駄だと思ってしまう。
だが、それを直接利用している人に言えない。
それらを信じている時は、柔らかに違う考え方をそれとなく言うだけだ。

その気功の治療院に行ってみようと思った。
どんな感じなのか。
もし、よさそうなら、情報の一つとして役にたつかもしれない。
それと、何となくだが、自分の体験した現象について話が通じるかもしれない。
あのような現象の話は普通の人には通じないからだ。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・325」

2014-09-08 19:23:27 | Weblog



カルテ番号 ぬ・2(8)

元気に仕事ができる。
それで充分だ。
ある日、訪問先で被介護者の話だった。
その人は脳血栓の後遺症から半身が思うように動かなかった。
呂律も上手く回らないが、話は出来た。
明るい人だった。

その人の友人からの又聞きだから、かなり曖昧な話だ。
県の北部にある治療院の話だった。
回復が期待できない患者を相手にしてくれるらしい。
気功で回復するという。
その人も、いつか行ってみたいという。

病院で以前のような回復は難しいと言われたようだ。
だが、持ち前の明るさで前向きに考えている人だ。
希望は失わない生き方をしている。
その治療院でどうなるかは判らないが、その姿勢はいいと思う。
介護していて、諦めてしまった人は衰退していく一方だからだ。
回復をあきらめない。
とても大切な姿勢だと思う。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・324」

2014-09-07 19:02:07 | Weblog



カルテ番号 ぬ・2(7)

参道から最後の階段を上って社の背後の巨岩を見る。
・・・無い。
何も無い。
先週の金色の扉はどこにも無かった。
先週と同じ位置に立って見上げるが、そこは岩面だけだった。

参道を歩いている途中、このような予感がした。
きっと今日は無いだろう。
あの時だけの現象だろう。
それはネガティブな感情からの予想ではない。
ネガティブもポジティブも無く、静かな予感でもあった。
そして、その通りになって、これでいい、と思えた。

境内はいつも通り気持ちが良い。
沢伝いの参道も気持ちが良い。
今日も心が静まっている。
やはり、この神社は私に適していると思った。
身体も心も落ち着いている。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・323」

2014-09-06 18:57:53 | Weblog



カルテ番号 ぬ・2(6)

沼田桃子の仕事は介護福祉士。
介護ヘルパーと混同されるし、似ているが介護福祉士は国家資格だ。
もっとも現場は資格よりも能力が大切。
資格だけあって、無能な人達を何人も見ている。
それは医療関係だけでなく、あらゆる業界にいる。
例えば、教師やキャリアと言われる公務員関係者。
能力が無い人は威張るから、現場では嫌われる。

沼田桃子は仕事ではあるが、困っている人のお手伝いが生き甲斐なのだ。
それでも、実際の仕事は神経も体力もハードに使う。
体調を整えていないと、心が折れそうになる事が沢山ある。
介護の必要な人とその家族はとても多くの問題を抱えている。
それで、休みの日は目いっぱい身体と心のケアにつとめる。
その一つが神社仏閣でのリラックス。

あの不思議現象から一週間。
特別幸運が舞い込むことはなかった。
宝くじも当たらないが、事故にも当たらない。
彼氏もできないが、今求めてもいないから必要ない。
体調も普通。
そして休日がきて、もう一度あの神社に向かった。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・322」

2014-09-05 19:25:33 | Weblog



カルテ番号 ぬ・2(5)

とまどっている沼田桃子にお辞儀をして宮司は離れた。
何度見ても扉はある。
岩の色とは違い、金色だ。
数歩動いて見ても、やはりある。
あまりに上を見ているので、他の参拝者も桃子の視線の先を追う。
だが何事も無かったように、すぐに視線を戻す。

これは、どういう現象だろう。
どうやら私だけが見えているようだ。
いや、本当は無いのに幻を見ているのだろう。
戸惑っていたが、金色に輝く扉を見ているうちに心が静まってきた。
幻でもいい。
綺麗なものが見えたのだから、ラッキーなのだ。

綺麗だが、ずうっと見上げていて首が疲れた。
それに、扉が開くわけでもなく、何かが動くわけでもない。
いつまで見ても変わらないだろう。
最初は不思議だと思ったが、何の変化も無ければ普通だと思える。
とにかく、ラッキーだと思って帰ろう。
これから、何か良い事が起こる、とかすかに期待して。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・321」

2014-09-04 23:21:29 | Weblog



カルテ番号 ぬ・2(4)

やがて宮司は怪訝そうに沼田桃子に言った。
「どの場所でしょう?」
宮司の言葉に沼田桃子の方が怪訝そうだった。
「あの岩の扉です。以前は無かったですよね」
再び宮司は沼田桃子の目線の先を見たが、視線を桃子に戻した。
「岩に扉はありませんし、そういう工事もしていません」

沼田桃子は一瞬言葉を失った。
今見えているのは扉ではないのか?
扉にしか見えないが、ではあれは何だろう?
「では、あれはなんですか?以前には気づかなかったのですが」
宮司は、今度は岩を見なかった。
「岩の影が何かの形に見えるのでしょう。
この岩は神聖なものですから、一切削ったりはしません。
頂上にしめ縄を張るだけです」

沼田桃子は混乱した。
今、見えているではないか?
岩の形ではなく、金色の扉が見えているではないか?
宮司は見えないのだろうか?
それとも、嘘を言っているのだろうか?
いや、そんな嘘を言ってどうなる。
では、私の目の錯覚?
それとも、私だけに見えるもの?
それとも、私の頭がおかしくなった?

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・320」

2014-09-03 19:24:42 | Weblog



カルテ番号 ぬ・2(3)

幾度目か訪れたある日だった。
社の上の岩に扉がついていた。
上といっても巨大な岩だ。
20メートルはあるだろう。
その上から社の屋根との半分くらいのところだ。
かなり高い位置でもある。

観音開きになっているようだ。
金色に光っているが、安っぽく見えない。
今までは無かったから、工事したのだろう。
だが、あの位置につけるのは大変だったろう。
もしかしたら、この巨岩の内部は登れるようになっているのだろうか?
案内書には書いてないが、一般が入れない場所があってもおかしくない。

しばらく見上げていた。
いや、見とれていたといってもいいだろう。
何か美しいのだ。
その時、近くに宮司さんが通ったので声をかけた。
「あの岩の扉はいつ取り付けたのですか?」
宮司は沼田桃子の見ている岩を一緒に見たが、何も言わなかった。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・319」

2014-09-02 19:23:15 | Weblog



カルテ番号 ぬ・2(2)

お気に入りというか、幾度も行きたいと思う神社があった。
そこは大きな岩に社がくっついていた。
どうやら磐座(いわくら)というらしい。
その岩に神様が下りてきた、宿ったということのようだ。
岩に宿る神様がいるのかどうかは知らないが、とても気持ちが落ち着く。

参道は沢に沿って結構な距離がある。
それがまたいい。
社近くになると、その沢に注がれる滝がある。
滝といっても細い。
それも岩に沿って注がれている。
何万年もそうだったのだろう。
滝は岩を削って、水の通り道を作っていた。

大きくはないが、滝音も心地よい。
心が無くなるように静かにしている。
ぼんやり滝を見ていると、自分が周囲に溶けてしまいそうだ。
自分が無くなりそうだが、とても安心なのだ。
この気持ち良さは何だろう。
しばらく境内に留まって、またゆっくり参道を帰る。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・318」

2014-09-01 19:00:34 | Weblog



カルテ番号 ぬ・2(1)

沼田桃子は最近、神社仏閣に魅かれるようになった。
20代の頃は古い建物など、全く興味がなかったのに。
何度も通っているうちに、神社もお寺もいろいろな系統があることを知った。
だが研究しているわけでもなく、こだわる系統があるわけでもない。
ただ、境内にいるのが好きになったのだ。
だから、最初はお参りの仕方も知らなかった。

車で少し走るだけで、とても多くの神社やお寺がある。
神社もお寺も双方で混じり合っている気がする。
沼田桃子からすれば、雰囲気も似たようなものだ。
お寺は線香の香りがするが、それ以外は古い建物というだけだ。
中には最近建てられたものもあるが、そういうところには行く気がしない。
原色の赤や金ビカが安っぽいとしか思えない。

桃子が境内に入る基準のようなものが、次第にできてきた。
古いという事は第一条件。
古くても観光目的のような雰囲気のあるところは行かない。
境内がいつも掃除されていること。
大きな木が多いから、明るくなくてもいいが、暗いのはパスする。


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