2010年封切り当時の「女は、恋さえ知らなかった・・・男は、愛など信じなかった・・・美しい
「雷桜」が、二人の運命を変えた。」というキャッチコピーと、日本版「ロミオとジュリエット」、身
分違いの恋愛時代劇というフレーズが微かに記憶に残る、映画「雷桜」を今頃になってやっと
レンタルしてきました。
映画の冒頭、霧が立ち込める森の中から、白馬に乗った覆面の天狗?が登場するシーン
が、観るものを一気に物語の中に引き込んで行きます。
これが、奥深い山の炭焼き小屋に潜み、里人と断絶された世界に育った娘・雷(らい)/遊で
す。
(あらすじ) ~将軍家に生まれた斉道は、母を早くに亡くして親の愛も知らずに育ち、心に深い病を抱えて
いた。
療養を兼ねて家臣の瀬田助次郎の故郷、瀬田村を訪れた斉道は、天狗が住むと言われる瀬
田山に家臣が止めるのも聞かず、ひとり分け入り天狗と出会う。
その天狗の正体は雷(らい)と云う娘で、幼い頃に誘拐され、父(誘拐した男)と二人、山奥に
潜み、炭焼き小屋で里人を遠ざけ育てられた、助次郎の妹「遊」だった。
山を降りた事も他人と話したこともなく、世間知らずの自由奔放な娘「遊」に、斉道は惹かれ
る。
この瀬田の山には、雷に打たれた美しい桜の巨木「雷桜」が咲き誇り、この木の下で2人は再
会し、次第に愛を育む。
世間知らずの「遊」は、「身分違い」の何たるかも知らず、純真無垢な気持ちで斉道に向き合
い、斉道も立場を忘れて素直に向き合える「遊」・・・・強く惹かれ合い恋に落ちて行く2人・・・・
しかし、周囲がそれを許すはずはない・・・・~
ラブロマンスの条件が「生まれによる身分」が絶対的に支配していたこの時代、生家に帰った
「遊」が、ある日母親に・・・遊「身分とは一体何か」・・・母「生まれた時、既に決まった宿命の
様なで、どうにもならないもの」・・・遊「その決まりを破ったらどうなるのか」・・・母「それは私
にも分からない」・・・劇中のこんなやり取りが実際に随分有ったのだろうと思われてくる。
この後、物語はどのような展開を辿って行くのか興味深々、見て行くうちに「もしかしたら、こ
の時代にも、本当にこんな恋が有ったのではないか?」と思わせるストーリー構成に感心、平
素あまりビデオを見ない家内も、いつしかすっかり見入ってしまっている様だ。
ラストは、「愛は決して裏切らなかった」・・・・と確信させるシーンで幕が引かれる。
監督:廣木隆一 斉道:岡田将生 雷/遊:蒼井優 瀬田助次郎:小出恵介
~今日も良い一日であります様に~