(2010・4・25絵)
翁草(おきなぐさ)の花は春3月頃から咲き始めますが、これは3年前この花の保護活
動に取り組む人が、大田市・三瓶町で栽培していたものを描き止めていたものです。
翁草の花や葉を覆う様に生える白銀の羽毛(白髪)の様子から、うつむき加減にひっそ
りと咲く花の佇まいからは想像しにくい、「翁草:おきなぐさ」の名が付けられたと言われ
ています。
翁草と言えば、宮澤賢治の童話「おきなぐさ」が思い浮びまが、賢治は「おきなぐさ」を岩
手地方の方言と思われる、「うずのしゅげ」と記しています。
この作品は、賢治・27歳の時書かれた童話(詩)で、最愛の妹を亡くした後、「おきなぐさ」
の花を通して、妹への思いが綴られているのでしょうか。
「おまえは、うずのしゅげはすきかい、きらいかい」・・・「だいすきです。 誰だってあの人
をきらいなものはありません」・・・「でもあの花は真っ黒だよ」・・・「いいえ・・・燃えあがっ
て真っ赤な時もあります」・・・「やわらかな銀の糸が・・・誰かが病気の時、あの糸を少し貰
って来てからだをさすってやります。」・・・この童話(詩)は、蟻の目、日の光、すきとおった
風、白い雲、雲雀のささやきなど、大宇宙の営みをた高らかに謳い上げ、そして物語のエン
ディング部分では、銀毛の房(種)となった二つの「うずのしゅげ」の魂(新しい生:輪廻)は
天に昇ってゆき、小さな変光星(大きく小さく輝く星)になった・・・」
賢治がおきなぐさを通して伝えたかったこと・・・それは「生きる事の素晴らしさ」」「再生」「
命は終わっても魂は生き続ける」と言ったメッセージでは無かったでしょうか。
※宮澤賢治「おきなぐさ」は、短い短い童話(詩)ですが、読み返せば読み返すほど多くの
ものが得られる味わい深い童話(詩)です。 是非一読をお勧めです!(参考:宮澤賢治・
「おきなぐさ」で検索)
~今日も良い一日であります様に~