タカちゃんの絵日記

何気ない日々の感動を、スケッチと好きな音楽と、そして野鳥写真を。。。

うらうらと照れる光にけぶりあひて咲きしづもれる山ざくら花    (若山牧水)

2014-04-06 | 風景

山桜の花が、月の光を浴びてひらひらと舞い散る、これぞ日本ならではの”和の美”

はないだろうか。

今年も山ざくらが山に彩りを添える季節が巡り、奥山の静寂に包まれて今を盛りに

いている。

山桜をこよなく愛した歌人・若山牧水、彼は「旅の歌人・情熱の歌人・酒の歌人」等と

されている。

牧水が大正10年に伊豆の湯河原温泉で詠んだとされる、『山桜の歌』の中に収録され

いる23首の中から、好きな歌を幾つか紹介したいと思います。

『山ざくら』 若山牧水

うすべにに葉はいちはやく萠えいでて咲かむとすなり山櫻花

うらうらと照れる光にけぶりあひて咲きしづもれる山ざくら花

花も葉も光りしめらひわれの上に笑みかたむける山ざくら花

瀬々走るやまめうぐひのうろくづの美しき頃の山ざくら花

山ざくら散りしくところ眞白くぞ小石かたまれる岩のくぼみに

つめたきは山ざくらの性にあるやらむながめつめたき山ざくら花

峰かけてきほひ茂れる杉山のふもとの原の山ざくら花

とほ山の峰越の雲のかがやくや峰のこなたの山ざくら花

日は雲にかげを浮かせつ山なみの曇れる峰の山ざくら花

今朝のあらしめきて溪間より吹きあぐる風に櫻散るなり

山ざくら散りのこりゐてうす色にくれなゐふふむ葉のいろぞよき

            ~今日も良い一日を~