とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

マイナンバーカードと特別給付金

2020年07月09日 | 新型コロナウィルス感染症(COVID‐19)
島本町におけるマイナンバー交付枚数と交付率は、6月1日現在、5,325枚、率にして約17.2%となっています。※地方公共団体情報システム機構が公表している資料による

マイナンバーカードの普及が遅々として進んでいないなか、新型コロナウイルス感染症対策における「特別定額給付金」10万円の支給に、オンライン申請を推奨するような総務大臣の発言があり、その影響もあってか、島本町のマイナンバーカード交付枚数は若干増加しました。

特別定額給付金は、あえて「オンライン申請」による方法を選ばない限り「個人番号(マイナンバー)」も「マイナンバーカード」も不要です。本来的には、個人番号(マイナンバー)と10万円の特別給付金の間に関連性はありません。

にもかかわらず、遅々として進まないマイナンバーカードの普及を目的に「オンライン申請」を推進したり(これにより新規申請が殺到するなど市町村業務に余計な混乱を招いた)、リスクの高い銀行口座との連携をほのめかしたりする総務大臣の姿勢は問題、許しがたいです。

そもそも基礎自治体(市町村)には「住民基本台帳」というものがあり、出生、転入転出、結婚、離婚、氏名変更、性別変更、死亡などは市町村が管理しています。※個人番号(マイナンバー)は国の管理

さて、
今回の新型コロナウイルス感染症対策における特別定額給付金は

①住民基本台帳から世帯主と家族をリストアップ
②申請書を印刷して郵送
③返送された申請書を市町村が人を配置して確認事務を行う
④振り込み手続きを行う(金融機関に依頼)
という実にアナログな作業手順で支給されています

ですから、常識的に考えて、自治体規模が大きくなるほど迅速に振り込むことが難しくなります。「なぜ遅い」「なにをやっている」との批判や催促の声は少なくありませんでしたが、市町村業務が著しく遅れていることによるものではないと考えるのが自然です。

では、仮にマイナンバーと銀行口座が連携されていたら迅速に支給されていたでしょうか。それは否定できませんが、銀行口座と個人番号とのリンクは、極めてレベルの高い個人情報(資産)を国に把握され、管理されることに他なりません。

たとえば、よくいわれるように個人情報が大量に流出する事態となった場合、国民に計り知れない損失が発生します。極めてセキュリティレベルの高いシステムの構築が必要となり、安全安心をめざせばめざすほど多額の税金が投入されることになります。

制度導入に際して、政府には国民が持つすべての銀行口座と個人番号(マイナンバー)を連携させる意図があり、個人番号(マイナンバー)と口座の連携については、もともと国にとっては想定の範囲内にあったものです。

マイナンバー=社会保障・税番号。「社会保障・税制度の効率性や透明性を高め、利便性の高い公平・公正な社会を実現する」ための制度として耳障りよく導入され、国民が管理されようとしています。

なおかつ毎年度、基礎自治体に多額の財政負担(システム改修)を強いています。本当に必要だったのか、市民の利便性がどれほど高まったのか、費用対効果はどうなのか、いったい誰が得をするのか、国民はもっと考え、もっと怒ってよいと思います。


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『不服助』
ユーモア造形作家
江口宏さん作品
「華麗なる福助展」(2015年夏GO☆Starにて)