とだ*やすこの「いまここ@島本」

暮らしの豊かさ最優先!
ひとが主役のまちづくり!

大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

大阪府政がめざす府域一水道とは

2020年07月12日 | とだ*やすこの議会報告
現在、大阪府内の水道事業は、①大阪広域水道企業団②大阪市③企業団には入らない基礎自治体(島本町はこれ)によって運営されています。

この度、藤井寺市、大阪狭山市、熊取町、河南町が共同処理事務への参加を意思表明されました(既に各議会において可決)。

これら4市町が企業団に参加されると、大阪府内の町村で大阪広域水道事業団に属さないのは島本町だけになります。

このことをどう考えるのか?!と繰り返し山田町長に質疑で迫る議員もありますが、むしろこれは「府域一水道に向けた水道のあり方に関する検討」における「北大阪ブロック」※での議論、合意形成が要であるとだ*やすこは考えています。

※北摂ブロック(比較的自己水率が高い)
能勢・豊能・池田・箕面・豊中・吹田・摂津・茨木・高槻・島本 

「府域一水道に向けた水道のあり方に関する検討報告書」(大阪府)
この報告書は、府域一水道が2030年に実現すると仮定し、シミュレーションの対象期間を2060年としています。10年後に府域一水道になることを前提に、40年先の水道事業の将来像を描いているのです。


以下、わたくしごとになりますが、1990年代、わたしたち家族は香港に暮らしていました。1997年7月1日、香港が英国から中国に返還されるその瞬間を当地で迎えています。

あれから23年。50年間約束されていた香港の「高度の自治」「司法の独立」は、その半分にも及ばないこの期間で存続が危うくなっています。

報道で知る香港と香港人の環境は激変。住んでいた頃(1992年~1999年)には「水」よりもあたりまえに手にしていた香港の「自由」が失われています。民主化運動が強硬に封じ込められています。

香港には「香港基本法」というものがあるのに、「香港版国家安全法」(「香港特別行政区における国家安全保護に関する法律制度」)が「中国」で可決され、50年間約束された「一国二制度」は事実上なきものとなりました。

1997年7月1日、幼子(息子3歳)を抱き、まるで今日が明日になるように、英国植民地が中国に回帰する日を体感しました。そのとき、わたしは、祭典の花火に沸く街の一角で、なぜか、「あっ、戦争もこんな風にして起こる・・・」と思いました。

政治分野において20年という時間はあまりにも短く、なおかつ、予測できない未来である、という確信がわたしにはあります。

民主化運動の中心となっている若者たちは、わたしが居たころにはまだ生まれていない若者です。これを思うと胸が張り裂けそうです。過去の政治の選択が今を、今の政治の選択が未来をつくります。

政治に距離をおく時代は終わりました。政治は暮らしそのものです。政治は実務の積み重ねです。では、脱イデオロギー政治、脱理念政治のその先にあるのは、いったいなんなのでしょう。

そもそも維新政治がめざそうとしている大阪都構想とは、いったいなんなのでしょう。大阪市の巨大な財源を大阪府が握り、権限を府に集中させるのに他ならないという考え方があり、とだはこれに賛成です。

大阪広域水道事業団も同様です。府域一水道の先にあるのが民営化構想であるとしたら、世界に誇れる日本の水道事業の歴史に、大阪から幕を閉じることになります。

いや、むしろ民営化した大阪市の水道事業に「大阪広域水道企業団」が追随することになるのかもしれません。保健衛生の根幹、命と暮らしの水を市場の原理に委ねることになるのは、断じて、ごめんです。

大阪の吉村知事、コロナ対策、頑張っておられるなぁ(メディア露出度が高い=頑張っておられるというのは???)というお話では断じてない‼はずです。

既に動き出している「大阪広域水道企業団」は、府域一水道の一里塚に他ならないととだ*やすこは考えています。島本町は将来にわたって地下水90%を維持できるのか、基礎自治体の意思は尊重されるのか、いまひとつ不透明なままです。


※関連議案:令和2年6月定例会議
第78号議案 大阪広域水道企業団の共同処理する事務の変更及びこれに伴う大阪広域水道企業団規約の変更に関する協議について


画像
香港・中環(セントラル)
中国回帰15周年を祝う街の様子(2012年8月)

2020年7月1日
中国回帰23年
もはや回帰を祝う雰囲気はなく
民主化運動で逮捕される状況に