徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

子供が走り回れる家-4

2016-06-21 08:24:31 | こだわりの趣味の部屋を作る
 リビング・吹抜を中心に据え、小分けした階段がそれを取り囲み、階段の周りに各部屋を配置したプランを第二案に設定した「らせんに広がるイエ」。

 違う床レベルが創生され、各々の床レベルに各々部屋がある。まずは外収納の床レベル。天井高を抑え外収納とする。無論、玄関よりも床レベルは低く設定。

 

 2つ目の床レベルは通常の1階床レベル。リビング、ダイニング、キッチン、客間、水回りと生活の中心の場となる空間で構成している。

 3つ目の床レベルは子供部屋1。リビングから階段を7段上った高さに設定し、下部には1番目の床=外収納がある。

 
 
 4つ目の床レベルは子供部屋2とスタディスペース。平面的には子供部屋に挟まれてスタディスペースがあるが、子供部屋1と他は違う床レベル。スタディスペースはクライアントの書斎で、本でギッシリ埋まっている。吹抜け回りの手すりも本棚として利用した。

 小分けした3つの階段をらせん状に昇っていき、最後にたどり着く5つ目の床レベルには寝室と小屋裏収納が配置されている。

 

 ここで気づいていただけただろうか。床レベルを徐々に昇っていくと、段々プライバシー性が高くなる部屋が存在することを。

 

 こうして創り上げた第二案。クライアントは熟慮の末この案を選んだ。

 らせん状に床レベルの異なった部屋が階段でつながり、子供の遊び場として階段が有効に活用されている。完成して数ヵ月後に訪問したとき笑いながらクライアントは言った。「子供が外で遊ばなくなりました。家の中が楽しいみたいで。」

 子供が走り回れる家、「らせんに広がるイエ」はクライアントの要望通り、建築家としての狙い通りに生活シーンを映し出したのだった。


 ~終わり~
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子供が走り回れる家-3

2016-06-16 09:00:28 | こだわりの趣味の部屋を作る
 “家の中を走り回る”と“階段”を組み合わせる第二案を考え始めた「らせんに広がるイエ」。

 

 階段を子供の遊び場として捉えての提案。そうであれば階段は家の中心に堂々と配置したい。またストレートに2階に行くような直進階段だと味気ない。階段を中心にしたプランニングを模索する私…。

 そして生まれたのが、リビング・吹抜を中心に据え、小分けした階段がそれを取り囲み、階段の周りに各部屋を配置したプラン。階段を小分けにするということは、色々な高さの床レベルが発生し、視線のUP・DOWNが創生する。

 視線のUP・DOWNは、子供の視界をバラエティにさせるはずだ。これは大人でも同じ効果があるはず。

 違う床レベルに各々部屋があり、その部屋を階段がつなぐ空間構成も面白く様々な生活シーンを生むに違いない。

 

 私の頭の中には、リビングで寛いでいるクライアントの周りで、子供が階段を駆けずり回って飛び跳ねてる姿が浮かんできた。

 この案で行こう。そう決めた瞬間だった。


 ~つづく~

 
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子供が走り回れる家-2

2016-06-15 08:54:23 | こだわりの趣味の部屋を作る
 原点に立ち返り、子供が走り回れるってどんなことだろう…、そればかり考えたらせんに広がるイエ。

 

 中庭を走り回ることを創造した第一案。次なる第二案は、中庭以外で走り回れる場所を考えるのであった。

 中庭は外部空間=外。じゃあ、第二案は内部空間=家の中をメインに走り回ることを考えようと思ったのは2、3日してから。

 

 “家の中を走り回る”というキーワードだけでは単純に回廊型プランに留まってしまう。そこでもう少しインパクトが欲しいと感じ、次なるキーワードを頭の中で検索する。

 「子供が走り回れる家」なので、子供が好きな事、子供が好きな物を考えていく…。土いじり、水溜り…等々。内部空間で使える物…。

 そこで浮かんできたのが“階段”であった。

 子供は少しでも高いところがあれば登るし、そこから飛び跳ねて降りることもある。その行為が大好き。それが容易にできる場所が家の中では“階段”なのかなと…。

 “家の中を走り回る”と“階段”を組み合わせて第二案を組み立てることにしたのだ。


 ~つづく~
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子供が走り回れる家-1

2016-06-09 08:43:43 | こだわりの趣味の部屋を作る
 「子供が走り回れる、遊べる家にして欲しい」とクライアントから要望があった「らせんに広がるイエ」。

  

 当初私は平屋に近い造りで、中庭で子供が走り回ることをイメージした。そして建物の中心に中庭を配置した中庭案でファーストプレゼンを行った。

 

 その案はその案でクライアントには好評で好感触を受けたのだった。しかし、クライアントがポツリと言ったのだ。

 「この案はこれとして気に入りました。しかし、比較できる違う案も提案して欲しい。」

 そうなると、似たような中庭案では“違う”案にはならない。子供が走り回れるとはどういうことなのか。クライアントは何を要求しているのか。

 “子供が走り回れる”というキーワードが頭から離れなくなったのであった…。

 ~つづく~
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景色を取り込んだこだわりの浴室-4

2016-05-02 08:47:08 | こだわりの趣味の部屋を作る
 ヒノキの浴槽を採用し、非日常の演出をしたいと思った浴室。

 次に提案したのは露天風呂の感覚であった。月を眺められるように東側の景観をとり込む為、東側の2階に浴室を配置した。

 そこにルーフバルコニーを設置し、裸で出れるようにしたらどうだろうか…。もちろん、浴室の窓は開放的に開けられるので露天風呂の感覚になるのではないか…。

 2階に浴室を持ってくるときから、周囲の視線を遮る為目隠しフェンスは必要不可欠だった。そのフェンスの高さを調節すれば裸でもバルコニーに出れて、周囲の視線も気にならないだろう。

 そんなことを考えから、クライアントに提案すると一発回答でOKをもらう。

 

 月が見れて、周囲からの視線を遮るフェンスの高さはバルコニーの床から≒1.8mに設定。そして、浴室の上部にはトップライトも設置し、月だけでなく星をも見れるようにした。

 天気が良い日は、お風呂に入りながら月と星が見れる。そんな浴室を実現した住宅。クライアントの帰宅時間が早まったそうだ…。


 ~終わり~

 写真:プランニングゆうむ
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