福島第一原発の1号機は従来東電が発表していた時期より1日も早く地震の翌日には前燃料が溶融(メルトダウン)していたとの分析を発表したが、お粗末な事故対応にはあきれるばかりである。
炉の冷却機能が失われた時点で最悪の事態を想定した対応をとるべきだったのに貴重な時間を失ったようだ。我々もTVで嘘の話を前提に報道されていたのを一所懸命に見ていたのだからそれは一体何をしていたのか虚しさを覚える。
ところでメルトダウンというとスリーマイル島の原発事故を思い出す。メルトダウンというとチャイナ・シンドロームという言葉も一緒に連想する。
チャイナ・シンドロームという映画が公開されたのは1979年3月16日であるが、それからわずか12日後の1979年3月28日に、スリーマイル島原発事故が起きてタイミングが合い過ぎるぐらい合って大ヒットした。
チャイナ・シンドロームというのは、アメリカでメルトダウンが起きると炉の底が抜け下の地盤を溶かしながらドンドンと沈んでいく。ついにはアメリカの反対側の中国まで届くという冗談なのである。
しかし、原子炉の底が抜け冷却ができず溶けた燃料が地盤に沈み込んでいくようなことになると大量の放射能物質の拡散は当然のことながら、地下水脈との接触によって爆発を起こすのが恐ろしいという解説を読んだことがある。
ともあれ、今回想定外の地震・津波が起きたということだが想定したのは他ならぬ人間だし、事故後の想定ミスによる対応の不手際は人的なもの、となると原発事故は人災と位置付けてよさそうである。