今日は自己世界の中味について、考えてみる。
法華経の譬喩品の言葉に、『今此三界、皆是我有、其中衆生、悉是我子』」 (今この三界は、みなこれ我がものなり。そのなかの衆生は、ことごとくこれわが子である)
三界とは欲界、色界、無色界の3つ。欲界は欲望の世界、その欲望のない物質だけの世界、無色界とは、その物質の存在を超えた世界ということで、早い話が自己世界のことである。
その世界は我がものである。その中のあらゆるものは皆我が生命の分身としてある、ということを法華経は説いているのである。それを内山興正老師は「出会うところ我が生命」と表現された。
この言葉は実に素晴らしい。嬉しいこと、楽しいこと、つらいこと、苦しいこと、皆、自己の中で起こっている、それを体験しつつ生きている、自己でないものは何もない。この言葉に従えばどんな境遇も受け入れることができると思う。
この言葉を知ってから、ずっと事あるごとにこの言葉を耳鳴りさせてやってきた。私の呪文である。