曹洞宗安泰寺住職ネルケ無方さんの本が出版されたので紹介しておきたい。
『禅が教える「大人」になるための8つの修行』(祥伝社新書 ¥840)
この本は道元禅師の「正法眼蔵」の最終巻「八大人覚」を解説したものである。元はお釈迦様の遺言とされる遺教経というお経を道元禅師が解説されたものであるが、奇しくもそれが禅師の最後の教説、つまり遺言となってしまったものである。
遺言とは人生の締めにいう言葉、最終結論と言えるもの。佛教を学ぶ者は須らく味わってみるべきものと考える。
八大人覚の最初の書き出しは「諸佛は大人なり」とある。本当の大人になるための8つの覚り知るべきこと。
一昔前、ピーターパンシンドロームと言う言葉が流行ったが、大人になれない、大人になりたくない人のことをいう。今も変わらずピーターパンが大勢いる世の中のようである。ピーターパンには是非とも読んでもらいたい本だが、そういう人はきっと読まないだろう。少なくとも子供っぽさを自覚する人は是非読んでもらいたい。
正法眼蔵八大人覚は内山興正老師の「正法眼蔵八大人覚を味わう」(大法輪閣)を繰り返し読んだが、ドイツ人無方さんの味わいに触れられなかなかよい本である。
内山老師の本は、品切れで今ところ再発行の予定も不明であるが古本ならメット上で入手可能であるから合わせて読まれるとよいと思う。
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