ふろしき王子のブログ◎
出前講座開催☆
http://furoshikiouji.asia
メール isamix@gmail.com
 



下町育ちのため、郊外に越してきても、鉢植えを玄関脇にずらりと並べる
もはや癖のようなものがありますが、植物にとって、やはり閉ざされた鉢という
空間は、窮屈なものでしょう。

ですから、もしも植える地面、庭があれば地植えしたほうが、根をのびのび
好きなだけ伸ばせて、植物は元氣になる。

植木鉢も大きめがよい。生長に合わせて植え替える。
難しければ、今の鉢に合った丈に剪定する必要がある。
それをきちんと続けていくのが盆栽ともいえる。

今日、あるお宅の庭におじゃましたとき、
ここで畑をしたいという家主と色々とお話しした。

種は、色んなところにいっぱい蒔くとよい。
そして、条件が合ってよく育っているものを残して
他は間引きながら食べられる。
混生させてよい。
買った種は、家庭菜園レベルだと余りやすいが、他にあげる人がいない限り
翌年以降へ保存していてもあまりよくないので、使い切る。

よい野菜を作ろうとしない。
すてきな環境をつくれば、そこからできる野菜はよいものとなる。

すてきな環境とは、食物連鎖が循環し、あるべき生態系が
成り立っている所。

枯草や弱った葉を虫が食べ、虫を小鳥が食べ、その糞を
土壌の微生物が分解し、それを根からも栄養として吸う。

このバランスを崩すものとして、肥料のやり過ぎがある。
肥料を吸い過ぎた植物は弱るため、土に還すために虫に食われる。
しかし一般的に、虫が居るから葉が食われると認識されるため、
そこには殺虫剤が撒かれる。虫を払っても病氣になるから、
消毒もする。
こうして、生命力の無い野菜が作られると同時に、
他の虫や草の存在を許さない、砂漠のような畑となる。

ただ、肥料分が全くなくても野菜は育たないし、病気にもなるから、
その判断は例えば葉の色が、端から黄色くなってきたら窒素不足と判断。

お風呂の残り湯の冷めたものや、野菜くずでも肥料になる。

野菜くずは浅く埋めておく。すると、それを微生物が分解する。
あまり深く埋めると土中の酸欠を起こす。

自然界ならば、落ち葉など上から積もっていくものなので、
表面は乾いたり、他の動物の餌となるが、その下の湿っている
部分はダニや真菌(カビやきのこや酵母)、さらに下(といっても地下10cmの世界の話)
には細菌が働く。
野菜くずを埋めるのも、動物に食べられないためと、乾かさずに発酵させるためなので
浅くても大丈夫。

野菜の葉の緑色が濃すぎたり、異常な虫食いに遭ったら、肥料のやり過ぎと捉えればよい。

他に肥料は、マメ科の種を蒔くと(黒豆を除く)、大氣中の窒素を固定するため、
マメの葉には窒素分が多く含まれる。
花が咲いて豆の実をつけると、それらの窒素分はアミノ酸そしてたんぱく質へと
高分子化合されるし、その実は鳥獣や虫に消費されるので、
花が咲いたくらいの時期に刈り取って(根は抜かない)やはり浅く埋めておけば
よい肥料となる。

ミネラルの多い海藻(アオサ)なども、土壌発酵を促すよい肥料になり、
かつての東京湾では、カワナという名前で、肥料あるいはもちろん食品として
自然に発生し流れてくるものを採集していた。

このように、土中の微生物が有機物を分解する(発酵)上で、土が乾かないというのは
大切な条件ですが、落ち葉や枯草を敷くという方法もあります。
雑草も土の乾燥や高温になることを防いでいますが、蒸散によって水分を吸い上げ
放出している面もあるので、きちんと水やりをしていたり、元から湿り氣のある土壌であれば
雑草で地表を守るのはありです。

しかし雑草は土の中の栄養を横取りするという心配もあるでしょう。
それによって窒素過多が抑制され、周りに草が生えていると虫にやられない、という
体験もあるのですが、それは、雑草が同時に天敵の棲み家になっているという面もある。

草と草の関係で、ストレスなのは根っこ同士がぶつかり合うこと。
布団の中で、大勢の脚がぶつかりあっていたら安眠できなそうなのと一緒。

その原因は、地下30cmくらいに、硬盤層という硬くて冷たい層が、日本中の畑にあって、
そこを根が突き破るのは、よほど強い植物でないと難しいため、横に広がるしかない。
すると、隣の植物の根と当たってストレスになり、養分の奪い合いになる。

硬盤層ができる原因の1つは、PH調整や肥料に含まれる石灰という石の粉。
土に石灰を混ぜれば、隙間がなくなり、水分が吸われ、カチカチになる。

これによる弊害は、根を下へ伸ばせない、地熱が伝わらず微生物の働きが衰える、
水が溜まって根腐れを起こす、ということになる。

そのため、畑は機械を使って一所懸命耕す必要性も高まるのですが、

もっと、自然の仕組みを利用しながら、手間を最小限に抑えて、
みんながよくなるやり方もあるはず。

石灰の代わりに草木灰を使ったり、卵の殻の粉や貝殻の粉ならば、より分解されやすく、
酸性雨の中和にもつながる。

あれこれ長々と、思うままに書いてしまいましたが、

とにかく、植物も人と同じ。のびのび育ったほうが元氣になるので、
我が家の鉢植えは、場所があれば地植えしたり、また、大きな鉢に植え替えつつ、
水やりや、適切な施肥をしていきたいと思います。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )