塋エイ、犖ラクを追加しました。
熒 ケイ・エイ 火部
解字 金文は、たいまつを交差させた形で、庭燎テイリョウ(かがり火)の象形。火のあかりを意味する。この字は篆文以降、「𤇾(火+火+冖)」に変化して上部につく冠になり、「かがり火がもえる」「ひかる」イメージで音符となったため、新たに「火」をつけた熒が篆文から誕生した。
意味 (1)ともしびの光。ひかる。「熒熒ケイケイ」(ひかりかがやく)(2)あきらか。(3)「熒惑ケイコク」とは火星をいう。光度の変化や逆行が激しいことから、大接近は災いの前兆と考えられた。
イメージ
「かがり火がもえる」(熒・営・塋・労・撈・犖・癆)
かがり火が「光る」(蛍・瑩)
かがり火がもえて「ひかりかがやく」(栄・鶯)
音の変化 ケイ:熒・蛍 エイ:栄・営・塋・瑩 オウ:鶯 ラク:犖 ロウ:労・撈・癆
かがり火がもえる
営 エイ・いとなむ ツ部
解字 旧字は營で「呂(屋根が連なる)+熒の略体(かがり火が燃える)」の会意形声。周囲にかがり火をめぐらせ内に屋根がつらなる軍の陣屋をいう。また、軍の陣営がするさまざまな行為をいう。のち、軍のみでなく、仕事をする・務める意となった。新字体は、營⇒営に変化。
意味 (1)とりで。陣屋。「陣営ジンエイ」「兵営ヘイエイ」(2)いとなむ(営む)。つくる。こしらえる。「運営ウンエイ」「造営ゾウエイ」(3)いとなみ(営み)。はかる。「営利エイリ」「営業エイギョウ」
塋 エイ・はか 土部
解字 「土(つち)+熒の略体(かがり火がもえる・ともしび)」の会意形声。 身分の高い王族の墓は土を盛り上げた墳丘墓とすることが多く、埋葬する所に至る墓道がつくられた。 隧道スイドウは現在ではトンネルの意だが、もとは、阝 (おか・陵墓)の中心に通じる斜めに掘り下げた墓道をいった。墓道は暗いのでかがり火の灯を用いたので「はか」の意味となる。
意味 (1)はか(塋)。「塋域エイイキ」(墓地)「塋壟エイロウ」(墓地)「冢塋チョウエイ」(冢は、つかの意)「墳塋フンエイ」(墳墓)「塋記エイキ」(墓誌)
労 ロウ・ねぎらう 力部
解字 この字の成り立ちについては字形の変遷が複雑で不明な点が多い。現在も系統だった解字はなされていない。そこで現在の字形から私見として解字してみたい。旧字は勞で「力(ちから)+熒の略体(かがり火がもえる)」の会意。かがり火が燃える夜間に力を出して仕事をすること。ほねのおれるつらい仕事をいう。その結果、つかれる意味ともなる。新字体は、勞⇒労に変化。
意味 (1)ほねおる。ほねおり。汗を流して働く。「労働ロウドウ」「労役ロウエキ」「労作ロウサク」 (2)つかれる。体や心の疲れ。「疲労ヒロウ」 (3)なやむ。「苦労クロウ」 (4)ねぎらう(労う)。ほねおりを慰める。労を感謝する。「慰労イロウ」
撈 ロウ 扌部
解字 「扌(手)+勞(ほねおれる)」の会意形声。手をつかってほねおれる労働をすること。とくに魚をとる長い網をすくいあげることをいう。
意味 とる。すくいとる。「漁撈ギョロウ」(魚をすくいとる=漁労)
犖 ラク・まだらうし 牛部
解字 「牛(うし)+勞の略体ロウ⇒ラク(ほねおる。汗をながして働く)」の会意形声。労役にはげむ牛の意。[説文解字]は「駁(まだら)牛なり」といい、まだら牛をいう。
意味 (1)まだらうし(犖)。毛の色がまだらの牛。 (2)すぐれる。まさる。「犖然ラクゼン」(すぐれるさま)「卓犖タクラク」(卓も犖も、すぐれる意) (3)「犖犖ラクラク」とは、明らかなさま。すぐれるさま。
癆 ロウ 疒部
解字 「疒(やまい)+勞(ほねおれる)」の会意形声。過労によりやせ衰える病気。
意味 (1)やせおとろえる。「癆怯ロウキョウ」(やせおとろえる)(2)結核の俗称。「癆咳ロウガイ」(肺結核の古称)「肺癆ハイロウ」(肺結核)
ひかる
蛍 ケイ・ほたる 虫部
解字 旧字は螢で「虫(むし)+熒の略体(光る)」の会意形声。お尻が光る虫でホタルの意。新字体は、螢⇒蛍に変化。
意味 ほたる(蛍)。「蛍光ケイコウ」「蛍雪ケイセツ」(蛍の光と雪明かりで書を読む)「蛍石ほたるいし」(光が当たると蛍のように光る石)
瑩 エイ・ヨウ・あきらか 玉部
解字 「玉(たま)+熒の略体(光る)」の会意形声。玉の光を言う。転じて、玉の美しいいろ・つや。および、光を通す玉から、あきらかの意となる。
意味 (1)玉の美しい色。つや。「瑩浄エイジョウ」(つやがあって清らか)「瑩沢エイタク」(つややか。瑩も沢も、つやの意) (2)あきらか(瑩らか)。「瑩明エイメイ」(あきらか)「瑩徹エイテツ」(すきとおって明らか)「晶瑩玲瓏ショウエイレイロウ」(透き通っていて、宝石のように美しいこと) (3)(つやが出るよう)みがく。「瑩磨エイマ」
ひかりかがやく
栄 エイ・さかえる・はえ・はえる 木部
解字 旧字は榮で「木(き)+熒の略体(ひかりかがやく)」の会意形声。ひかりかがやくような木で、花が咲き誇る見事な木をいう。転じて、勢いが盛んな・さかえる意となる。新字体は、榮 ⇒ 栄に変化。
意味 (1)さかえる(栄える)。はえる(栄える)。「繁栄ハンエイ」「栄耀エイヨウ」(栄えかがやくこと) (2)はえ(栄え)。ほまれ。「栄冠エイカン」「栄誉エイヨ」 (3)花がさく。草木がさかんに茂る。「栄華エイガ」(時めきさかえる。華が咲き誇る)「栄枯エイコ」(草木の茂ることと枯れること」「栄華秀英エイカシュウエイ」(草木の花の総称)
鶯 オウ・うぐいす 鳥部
解字 「鳥(とり)+榮の略体(木いっぱいに花が咲く)」の会意形声。春に木いっぱいに花が咲くと飛んでくる鳥。春告鳥。花見鳥。なお、中国では、コウライウグイス(黄鶯)をいう。
意味 うぐいす(鶯)。山地にすみ春の初め花が咲きだすと里に来て美しい声で鳴く鳥。春告鳥。花見鳥。「鶯語オウゴ」(うぐいすの鳴き声)「鶯舌オウゼツ」(うぐいすの声)「鶯遷オウセン」(うぐいすが谷間を出て高い木に移る。昇進・転居した人を祝う言葉)「黄鶯コウオウ」(コウライウグイス。全体に黄色をしている。朝鮮半島・中国に分布。中国で鶯はコウライウグイスをさすので、緑陰に鶯の黄色が映える内容の詩が多い)
<紫色は常用漢字>
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熒 ケイ・エイ 火部
解字 金文は、たいまつを交差させた形で、庭燎テイリョウ(かがり火)の象形。火のあかりを意味する。この字は篆文以降、「𤇾(火+火+冖)」に変化して上部につく冠になり、「かがり火がもえる」「ひかる」イメージで音符となったため、新たに「火」をつけた熒が篆文から誕生した。
意味 (1)ともしびの光。ひかる。「熒熒ケイケイ」(ひかりかがやく)(2)あきらか。(3)「熒惑ケイコク」とは火星をいう。光度の変化や逆行が激しいことから、大接近は災いの前兆と考えられた。
イメージ
「かがり火がもえる」(熒・営・塋・労・撈・犖・癆)
かがり火が「光る」(蛍・瑩)
かがり火がもえて「ひかりかがやく」(栄・鶯)
音の変化 ケイ:熒・蛍 エイ:栄・営・塋・瑩 オウ:鶯 ラク:犖 ロウ:労・撈・癆
かがり火がもえる
営 エイ・いとなむ ツ部
解字 旧字は營で「呂(屋根が連なる)+熒の略体(かがり火が燃える)」の会意形声。周囲にかがり火をめぐらせ内に屋根がつらなる軍の陣屋をいう。また、軍の陣営がするさまざまな行為をいう。のち、軍のみでなく、仕事をする・務める意となった。新字体は、營⇒営に変化。
意味 (1)とりで。陣屋。「陣営ジンエイ」「兵営ヘイエイ」(2)いとなむ(営む)。つくる。こしらえる。「運営ウンエイ」「造営ゾウエイ」(3)いとなみ(営み)。はかる。「営利エイリ」「営業エイギョウ」
塋 エイ・はか 土部
解字 「土(つち)+熒の略体(かがり火がもえる・ともしび)」の会意形声。 身分の高い王族の墓は土を盛り上げた墳丘墓とすることが多く、埋葬する所に至る墓道がつくられた。 隧道スイドウは現在ではトンネルの意だが、もとは、阝 (おか・陵墓)の中心に通じる斜めに掘り下げた墓道をいった。墓道は暗いのでかがり火の灯を用いたので「はか」の意味となる。
意味 (1)はか(塋)。「塋域エイイキ」(墓地)「塋壟エイロウ」(墓地)「冢塋チョウエイ」(冢は、つかの意)「墳塋フンエイ」(墳墓)「塋記エイキ」(墓誌)
労 ロウ・ねぎらう 力部
解字 この字の成り立ちについては字形の変遷が複雑で不明な点が多い。現在も系統だった解字はなされていない。そこで現在の字形から私見として解字してみたい。旧字は勞で「力(ちから)+熒の略体(かがり火がもえる)」の会意。かがり火が燃える夜間に力を出して仕事をすること。ほねのおれるつらい仕事をいう。その結果、つかれる意味ともなる。新字体は、勞⇒労に変化。
意味 (1)ほねおる。ほねおり。汗を流して働く。「労働ロウドウ」「労役ロウエキ」「労作ロウサク」 (2)つかれる。体や心の疲れ。「疲労ヒロウ」 (3)なやむ。「苦労クロウ」 (4)ねぎらう(労う)。ほねおりを慰める。労を感謝する。「慰労イロウ」
撈 ロウ 扌部
解字 「扌(手)+勞(ほねおれる)」の会意形声。手をつかってほねおれる労働をすること。とくに魚をとる長い網をすくいあげることをいう。
意味 とる。すくいとる。「漁撈ギョロウ」(魚をすくいとる=漁労)
犖 ラク・まだらうし 牛部
解字 「牛(うし)+勞の略体ロウ⇒ラク(ほねおる。汗をながして働く)」の会意形声。労役にはげむ牛の意。[説文解字]は「駁(まだら)牛なり」といい、まだら牛をいう。
意味 (1)まだらうし(犖)。毛の色がまだらの牛。 (2)すぐれる。まさる。「犖然ラクゼン」(すぐれるさま)「卓犖タクラク」(卓も犖も、すぐれる意) (3)「犖犖ラクラク」とは、明らかなさま。すぐれるさま。
癆 ロウ 疒部
解字 「疒(やまい)+勞(ほねおれる)」の会意形声。過労によりやせ衰える病気。
意味 (1)やせおとろえる。「癆怯ロウキョウ」(やせおとろえる)(2)結核の俗称。「癆咳ロウガイ」(肺結核の古称)「肺癆ハイロウ」(肺結核)
ひかる
蛍 ケイ・ほたる 虫部
解字 旧字は螢で「虫(むし)+熒の略体(光る)」の会意形声。お尻が光る虫でホタルの意。新字体は、螢⇒蛍に変化。
意味 ほたる(蛍)。「蛍光ケイコウ」「蛍雪ケイセツ」(蛍の光と雪明かりで書を読む)「蛍石ほたるいし」(光が当たると蛍のように光る石)
瑩 エイ・ヨウ・あきらか 玉部
解字 「玉(たま)+熒の略体(光る)」の会意形声。玉の光を言う。転じて、玉の美しいいろ・つや。および、光を通す玉から、あきらかの意となる。
意味 (1)玉の美しい色。つや。「瑩浄エイジョウ」(つやがあって清らか)「瑩沢エイタク」(つややか。瑩も沢も、つやの意) (2)あきらか(瑩らか)。「瑩明エイメイ」(あきらか)「瑩徹エイテツ」(すきとおって明らか)「晶瑩玲瓏ショウエイレイロウ」(透き通っていて、宝石のように美しいこと) (3)(つやが出るよう)みがく。「瑩磨エイマ」
ひかりかがやく
栄 エイ・さかえる・はえ・はえる 木部
解字 旧字は榮で「木(き)+熒の略体(ひかりかがやく)」の会意形声。ひかりかがやくような木で、花が咲き誇る見事な木をいう。転じて、勢いが盛んな・さかえる意となる。新字体は、榮 ⇒ 栄に変化。
意味 (1)さかえる(栄える)。はえる(栄える)。「繁栄ハンエイ」「栄耀エイヨウ」(栄えかがやくこと) (2)はえ(栄え)。ほまれ。「栄冠エイカン」「栄誉エイヨ」 (3)花がさく。草木がさかんに茂る。「栄華エイガ」(時めきさかえる。華が咲き誇る)「栄枯エイコ」(草木の茂ることと枯れること」「栄華秀英エイカシュウエイ」(草木の花の総称)
鶯 オウ・うぐいす 鳥部
解字 「鳥(とり)+榮の略体(木いっぱいに花が咲く)」の会意形声。春に木いっぱいに花が咲くと飛んでくる鳥。春告鳥。花見鳥。なお、中国では、コウライウグイス(黄鶯)をいう。
意味 うぐいす(鶯)。山地にすみ春の初め花が咲きだすと里に来て美しい声で鳴く鳥。春告鳥。花見鳥。「鶯語オウゴ」(うぐいすの鳴き声)「鶯舌オウゼツ」(うぐいすの声)「鶯遷オウセン」(うぐいすが谷間を出て高い木に移る。昇進・転居した人を祝う言葉)「黄鶯コウオウ」(コウライウグイス。全体に黄色をしている。朝鮮半島・中国に分布。中国で鶯はコウライウグイスをさすので、緑陰に鶯の黄色が映える内容の詩が多い)
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