穴 ケツ・あな 穴部 xué
解字 戦国(春秋戦国・楚簡)の第一字は宀(建物)とその入り口(ハ)を表している。第二字はその下に土(つち)を描いており、土を掘りくぼめて上に屋根をのせた竪穴住居と思われる。篆文にいたり土のない「宀+八」となり漢代の隷書レイショをへて、現代字の穴になった。戦国から隷書までは建物と入り口がほぼ一体化していたが、現代の楷書で宀と八がはっきり分かれた形になった。穴の意味は現在では地面を掘りくぼめた穴の意味が一般的であるが、部首になっている穴は横穴の意味を表すものが多い。
意味 (1)あな(穴)。くぼんでいる所。「穴居ケッキョ」「墓穴はかあな」「穴蔵あなぐら」(①地中に穴を掘って物をしまうところ。②地下の仕事場) (2)よこ穴。けもののすみか。「洞穴ドウケツ」「虎穴コケツ」 (3)[国]あな(穴)。欠点。損失。番狂わせ。知られていない。「大穴おおあな」(①多額の欠損。②番狂わせ)「穴場あなば」(人に知られていない場所)
イメージ
「あな・よこあな」(穴・突)
「形声字」(鴪)
音の変化 ケツ:穴 トツ:突 イツ:鴪
よこあな
突 トツ・つく 穴部 tū
解字 篆文から旧字まで宊で「穴(よこあな)+犬」の会意形声。横穴から犬が急に飛び出ること。転じて、つきあたる・つきでる意となる。新字体は犬→大に変化した突になった。
意味 (1)つく(突く)。つきあたる。「突破トッパ」 (2)つき出る。つき出たもの。「突起トッキ」「突出トッシュツ」 (3)だしぬけに。にわかに。「突然トツゼン」「突飛トッピ」(思いもよらないこと)
形声字
鴪 イツ・イチ・とぶ 鳥部 yù
解字 「鳥(とり)+穴(ケツ⇒イツ)」の形声。鳥が速く飛ぶさまを鴪イツという。[説文解字]に「鸇セン(はやぶさ)の飛ぶ皃ボウ(さま)」とする。
意味 とぶ(鴪ぶ)。鳥がすり抜けるように速く飛ぶさま。「鴪飛イツヒ」(速く飛ぶ)「鴪イツたる彼の飛隼ヒジュン(空を飛ぶハヤブサ)、其れ飛んで天に戻(いた)る」(詩経・小雅)「鴪隼イツジュン」(はやぶさ)
<紫色は常用漢字>
部首としての穴
穴は部首になり、主に横穴・竪穴および上(天井の穴=煙突)の意味をあらわす。
常用漢字 10字
穴 ケツ・あな (部首)
究 キュウ・きわめる(穴+音符「九キュウ」)
空 クウ・そら(穴+音符「工コウ」)
突 トツ・つく「穴+大(犬)」の会意
窃 セツ・ぬすむ(穴+音符「切セツ」)
窓 ソウ・まど(穴+ム+心の会意)
窒 チツ・ふさがる(穴+音符「至シ」)
窟 クツ・いわや(穴+音符「屈クツ」)
窮 キュウ・きわめる(穴+音符「躬キュウ」)
窯 ヨウ・かま(穴+灬(火)+音符「羊ヨウ」)
常用漢字以外
穽 セイ・おとしあな(穴+音符「井セイ」)
穿 セン・うがつ(穴+牙ガの会意)
窈 ヨウ・ふかい(穴+音符「幼ヨウ」)
窖 コウ・あなぐら(穴+音符「告コク」)
窩 カ・むろ(穴+音符「咼カ」)
窺 キ・うかがう(穴+音符「規キ」)
竄 ザン・かくれる(穴+鼠の会意)ほか
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
解字 戦国(春秋戦国・楚簡)の第一字は宀(建物)とその入り口(ハ)を表している。第二字はその下に土(つち)を描いており、土を掘りくぼめて上に屋根をのせた竪穴住居と思われる。篆文にいたり土のない「宀+八」となり漢代の隷書レイショをへて、現代字の穴になった。戦国から隷書までは建物と入り口がほぼ一体化していたが、現代の楷書で宀と八がはっきり分かれた形になった。穴の意味は現在では地面を掘りくぼめた穴の意味が一般的であるが、部首になっている穴は横穴の意味を表すものが多い。
意味 (1)あな(穴)。くぼんでいる所。「穴居ケッキョ」「墓穴はかあな」「穴蔵あなぐら」(①地中に穴を掘って物をしまうところ。②地下の仕事場) (2)よこ穴。けもののすみか。「洞穴ドウケツ」「虎穴コケツ」 (3)[国]あな(穴)。欠点。損失。番狂わせ。知られていない。「大穴おおあな」(①多額の欠損。②番狂わせ)「穴場あなば」(人に知られていない場所)
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「あな・よこあな」(穴・突)
「形声字」(鴪)
音の変化 ケツ:穴 トツ:突 イツ:鴪
よこあな
突 トツ・つく 穴部 tū
解字 篆文から旧字まで宊で「穴(よこあな)+犬」の会意形声。横穴から犬が急に飛び出ること。転じて、つきあたる・つきでる意となる。新字体は犬→大に変化した突になった。
意味 (1)つく(突く)。つきあたる。「突破トッパ」 (2)つき出る。つき出たもの。「突起トッキ」「突出トッシュツ」 (3)だしぬけに。にわかに。「突然トツゼン」「突飛トッピ」(思いもよらないこと)
形声字
鴪 イツ・イチ・とぶ 鳥部 yù
解字 「鳥(とり)+穴(ケツ⇒イツ)」の形声。鳥が速く飛ぶさまを鴪イツという。[説文解字]に「鸇セン(はやぶさ)の飛ぶ皃ボウ(さま)」とする。
意味 とぶ(鴪ぶ)。鳥がすり抜けるように速く飛ぶさま。「鴪飛イツヒ」(速く飛ぶ)「鴪イツたる彼の飛隼ヒジュン(空を飛ぶハヤブサ)、其れ飛んで天に戻(いた)る」(詩経・小雅)「鴪隼イツジュン」(はやぶさ)
<紫色は常用漢字>
部首としての穴
穴は部首になり、主に横穴・竪穴および上(天井の穴=煙突)の意味をあらわす。
常用漢字 10字
穴 ケツ・あな (部首)
究 キュウ・きわめる(穴+音符「九キュウ」)
空 クウ・そら(穴+音符「工コウ」)
突 トツ・つく「穴+大(犬)」の会意
窃 セツ・ぬすむ(穴+音符「切セツ」)
窓 ソウ・まど(穴+ム+心の会意)
窒 チツ・ふさがる(穴+音符「至シ」)
窟 クツ・いわや(穴+音符「屈クツ」)
窮 キュウ・きわめる(穴+音符「躬キュウ」)
窯 ヨウ・かま(穴+灬(火)+音符「羊ヨウ」)
常用漢字以外
穽 セイ・おとしあな(穴+音符「井セイ」)
穿 セン・うがつ(穴+牙ガの会意)
窈 ヨウ・ふかい(穴+音符「幼ヨウ」)
窖 コウ・あなぐら(穴+音符「告コク」)
窩 カ・むろ(穴+音符「咼カ」)
窺 キ・うかがう(穴+音符「規キ」)
竄 ザン・かくれる(穴+鼠の会意)ほか
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