改訂しました。
粦 リン 米部 lín
解字 金文は「大(ひと)+小点四つ+両足を外にむけた形」の会意。大は手をひろげた人の正面形で人を表し、続く両足が外に向かって開いた形。小点四つは不明だが、字義からみると鬼火と思われる。金文の意味は「穆ボク公(春秋時代の秦の君主)の聖なる粦(=霊)」とあり霊レイ(=霊魂)の意味で用いられている。篆文は「火+火+舛(両足)」に変化した。[説文解字]は「兵の死(しかばね)及び牛馬の血、粦リンと為る」とし、戦場で死んだ兵士や牛馬の血が鬼火になると考えた。粦は後の燐となる字であり燐の成分から考えると、鬼火は血よりも骨の成分が分解して生ずる化合物であると思われる。楷書は篆文の炎 ⇒ 米に変化した粦になった。
鬼火は湿地に小雨の降る闇夜などに燃えでて空中に浮遊する青火をいう。腐敗した生物から生じた黄燐(または白燐)などが空気中で酸化する際の光とされるが、その原理は完全には解明されていない。一般に鬼火(おにび)とは、伝承上では人間や動物の死体から生じた霊、もしくは人間の怨念が火となって現れた姿と言われている。
意味 おにび。ゆうれいび。きつね火。火の玉。燐の原字。
イメージ
「鬼火」(燐・憐)
「形声字」(隣・鱗・麟・驎)
音の変化 リン:燐・隣・鱗・麟・驎 レン:憐
鬼火
燐[磷] リン 火部 lín
解字 「火(ひ)+粦(おにび)」の会意形声。粦は鬼火の意であるが、それに火をつけて意味を明確にした。しかし、現在は非金属元素の一つである燐の意味で用いられ、鬼火と直接の関係はない。石偏の磷リンは非金属元素の燐を表す異体字。
意味 (1)おにび(鬼火)。きつねび。ひとだま。「燐火リンカ」(墓地・沼沢などで自然に発光する青白い火光)(2)りん(燐)。非金属元素の一つ。元素記号P。燐酸カルシュウムとなって鉱物界に存在する。「黄燐オウリン」(淡黄色状の燐の同素体の一つ。空気中で自然発火する)「燐寸マッチ」(点火用具。木製の軸の頭薬にかつて黄燐が使われていたことから)「燐酸リンサン」(燐の化合物と水が結合してできる酸の総称)
憐 レン・あわれむ 忄部 lián
解字 「忄(心)+粦(おにび)」 の会意形声。鬼火のあがる屍(しかばね)を見て、あわれに思うこと。
意味 (1)あわれむ(憐れむ)。あわれみ。「憐憫レンビン」(あわれむこと)「憐察レンサツ」(あわれみ思いやる)(2)いとしくおもう。「可憐カレン」(かわいらしいこと。いじらしいこと)
形声字
隣[鄰] リン・となり・となる 阝部 lín
解字 本字は鄰リンで「粦(リン)+邑(むら)」の形声。となり合う邑を鄰リンといった。[説文解字]は「五家が鄰と爲す。邑に従い粦リンの聲(声)」とし、五家が隣り合っている様(さま)とする。これは周代の社会組織で五戸を鄰リンといったことに由来する。鄰の字は、現在は「阝(おおざと=邑)が左に移動した隣となった。となり合う国・土地・家・部屋などをいう。
意味 (1)となり(隣り)。となる(隣る)。となりあう。「隣人リンジン」「隣家リンカ」「隣室リンシツ」「隣国リンコク」(2)ちかい。「近隣キンリン」(3)したしい。「隣交リンコウ」(近所づきあい)「隣睦リンボク」(近づきしたしむ)
鱗 リン・うろこ 魚部 lín
解字 「魚(さかな)+粦(リン)」 の形声。魚のうろこを鱗リンという。[説文解字]は「魚の甲(外皮)也(なり)。魚に従い粦リンの聲(声)」とする。
コイ科の魚の鱗(「ウィキペディア・鱗」より)
意味 (1)うろこ(鱗)。魚類や爬虫類の体表をおおう薄片。「金鱗キンリン」(金色のうろこ。転じて美しい魚)「逆鱗ゲキリン」(竜のあごの下の逆さうろこ。そこに触れると怒って触れた人を殺すという)(2)うろこ状のもの。「鱗茎リンケイ」(うろこ状になった地下茎)「鱗粉リンプン」(チョウやガの羽についている微細な粉状のうろこ)「鱗雲うろこぐも」
麟 リン 鹿部 lín
解字 「鹿(しか)+粦リン(=鱗、うろこがある)」 の形声。うろこ状のものがある鹿。麒麟キリンに用いられる。[説文解字]は「大牝めす鹿也(なり)。鹿に従い粦リンの聲(声)」とする。
麒麟(「百度百科・麒麟伝説」より)
意味 麒麟キリンに使われる字。麒麟(雄を「麒キ」、雌を「麟リン」という)とは、①中国で、聖人の出る前に現れるとされる想像状の獣。形は鹿に似て大きく顔は龍に似て牛の尾と馬の蹄をもち、背毛は五色に彩られ、毛は黄色く、身体には鱗がある。古くは一角獣。②傑出した人物のたとえ。「麒麟児キリンジ」(才能がすぐれ将来が期待される少年) ③ウシ目キリン科の哺乳動物。「キリン」と書くことが多い。
驎 リン 馬部 lín
解字 「馬(うま)+粦(リン=鱗)」の形声。リンという名のうろこ状のものがある馬。
意味 (1)鱗のような斑紋がある馬。まだら馬。(2)良い馬の名。駿馬のこと。「麒驎キリン」(①一日に千里も走るという駿馬。②麒麟に同じ)
<紫色は常用漢字>
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※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
粦 リン 米部 lín
解字 金文は「大(ひと)+小点四つ+両足を外にむけた形」の会意。大は手をひろげた人の正面形で人を表し、続く両足が外に向かって開いた形。小点四つは不明だが、字義からみると鬼火と思われる。金文の意味は「穆ボク公(春秋時代の秦の君主)の聖なる粦(=霊)」とあり霊レイ(=霊魂)の意味で用いられている。篆文は「火+火+舛(両足)」に変化した。[説文解字]は「兵の死(しかばね)及び牛馬の血、粦リンと為る」とし、戦場で死んだ兵士や牛馬の血が鬼火になると考えた。粦は後の燐となる字であり燐の成分から考えると、鬼火は血よりも骨の成分が分解して生ずる化合物であると思われる。楷書は篆文の炎 ⇒ 米に変化した粦になった。
鬼火は湿地に小雨の降る闇夜などに燃えでて空中に浮遊する青火をいう。腐敗した生物から生じた黄燐(または白燐)などが空気中で酸化する際の光とされるが、その原理は完全には解明されていない。一般に鬼火(おにび)とは、伝承上では人間や動物の死体から生じた霊、もしくは人間の怨念が火となって現れた姿と言われている。
意味 おにび。ゆうれいび。きつね火。火の玉。燐の原字。
イメージ
「鬼火」(燐・憐)
「形声字」(隣・鱗・麟・驎)
音の変化 リン:燐・隣・鱗・麟・驎 レン:憐
鬼火
燐[磷] リン 火部 lín
解字 「火(ひ)+粦(おにび)」の会意形声。粦は鬼火の意であるが、それに火をつけて意味を明確にした。しかし、現在は非金属元素の一つである燐の意味で用いられ、鬼火と直接の関係はない。石偏の磷リンは非金属元素の燐を表す異体字。
意味 (1)おにび(鬼火)。きつねび。ひとだま。「燐火リンカ」(墓地・沼沢などで自然に発光する青白い火光)(2)りん(燐)。非金属元素の一つ。元素記号P。燐酸カルシュウムとなって鉱物界に存在する。「黄燐オウリン」(淡黄色状の燐の同素体の一つ。空気中で自然発火する)「燐寸マッチ」(点火用具。木製の軸の頭薬にかつて黄燐が使われていたことから)「燐酸リンサン」(燐の化合物と水が結合してできる酸の総称)
憐 レン・あわれむ 忄部 lián
解字 「忄(心)+粦(おにび)」 の会意形声。鬼火のあがる屍(しかばね)を見て、あわれに思うこと。
意味 (1)あわれむ(憐れむ)。あわれみ。「憐憫レンビン」(あわれむこと)「憐察レンサツ」(あわれみ思いやる)(2)いとしくおもう。「可憐カレン」(かわいらしいこと。いじらしいこと)
形声字
隣[鄰] リン・となり・となる 阝部 lín
解字 本字は鄰リンで「粦(リン)+邑(むら)」の形声。となり合う邑を鄰リンといった。[説文解字]は「五家が鄰と爲す。邑に従い粦リンの聲(声)」とし、五家が隣り合っている様(さま)とする。これは周代の社会組織で五戸を鄰リンといったことに由来する。鄰の字は、現在は「阝(おおざと=邑)が左に移動した隣となった。となり合う国・土地・家・部屋などをいう。
意味 (1)となり(隣り)。となる(隣る)。となりあう。「隣人リンジン」「隣家リンカ」「隣室リンシツ」「隣国リンコク」(2)ちかい。「近隣キンリン」(3)したしい。「隣交リンコウ」(近所づきあい)「隣睦リンボク」(近づきしたしむ)
鱗 リン・うろこ 魚部 lín
解字 「魚(さかな)+粦(リン)」 の形声。魚のうろこを鱗リンという。[説文解字]は「魚の甲(外皮)也(なり)。魚に従い粦リンの聲(声)」とする。
コイ科の魚の鱗(「ウィキペディア・鱗」より)
意味 (1)うろこ(鱗)。魚類や爬虫類の体表をおおう薄片。「金鱗キンリン」(金色のうろこ。転じて美しい魚)「逆鱗ゲキリン」(竜のあごの下の逆さうろこ。そこに触れると怒って触れた人を殺すという)(2)うろこ状のもの。「鱗茎リンケイ」(うろこ状になった地下茎)「鱗粉リンプン」(チョウやガの羽についている微細な粉状のうろこ)「鱗雲うろこぐも」
麟 リン 鹿部 lín
解字 「鹿(しか)+粦リン(=鱗、うろこがある)」 の形声。うろこ状のものがある鹿。麒麟キリンに用いられる。[説文解字]は「大牝めす鹿也(なり)。鹿に従い粦リンの聲(声)」とする。
麒麟(「百度百科・麒麟伝説」より)
意味 麒麟キリンに使われる字。麒麟(雄を「麒キ」、雌を「麟リン」という)とは、①中国で、聖人の出る前に現れるとされる想像状の獣。形は鹿に似て大きく顔は龍に似て牛の尾と馬の蹄をもち、背毛は五色に彩られ、毛は黄色く、身体には鱗がある。古くは一角獣。②傑出した人物のたとえ。「麒麟児キリンジ」(才能がすぐれ将来が期待される少年) ③ウシ目キリン科の哺乳動物。「キリン」と書くことが多い。
驎 リン 馬部 lín
解字 「馬(うま)+粦(リン=鱗)」の形声。リンという名のうろこ状のものがある馬。
意味 (1)鱗のような斑紋がある馬。まだら馬。(2)良い馬の名。駿馬のこと。「麒驎キリン」(①一日に千里も走るという駿馬。②麒麟に同じ)
<紫色は常用漢字>
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