増訂しました。
殿 デン・テン・との・どの 殳部 diàn
上は殿、下は殳シュ
解字 戦国期(東周)の殿は、李学勤編の[字源]に掲載されている字で「人が腰かけている形+丌キ+大きな丌キ」で、人が大と小の腰かけを重ねた上に腰をおろしている形。意味は不明であるが、貴人が腰かける形であろう。篆文の左辺は「人が腕を伸ばして腰掛ける形+丌キ(腰掛け)+冂(台)」の会意で、台上で丌キに腰をおろしている貴人。この右に殳シュがつくが、殳は下の甲骨文字でも分かるように手に武器をもつ形である。なぜ武器を描いているか、この意味も不明であるが、武装をしている貴人と考えられる。殿には「殿軍デングン・しんがり」という軍隊用語がある。現代字は左辺が「尸+共」に変化した殿となった。秦~前漢に成立の[倉頡ソウケツ篇]は「殿は大堂也(なり)。商周以前は其名を不載(不記載)、按ずるに始め前殿を作る」とし秦・漢以後に前殿の建設から始まったとする(前殿に対比される語に後殿(奥御殿)がある)。現在の楷書の意味は、天子や君主が住む豪壮な建物の意となり、またその御殿の主人を表す。
意味 (1)との(殿)。ずっしりと土台を構えた大きな建物。「殿堂デンドウ」「宮殿キュウデン」(①国王・君主の住む御殿、②神を祭る社殿)「大仏殿ダイブツデン」(大仏を安置した殿堂)「殿宇デンウ」(大屋根の殿・殿堂)「高殿たかどの」(2)との(殿)。貴人の尊称。「殿下デンカ」「殿様とのさま」(3)しんがり(殿)。後駆(しりがり)の変化音。軍隊が退却するとき、最後尾で敵の追撃を防ぐ軍をいう。「殿軍デングン」(4)[国]どの(殿)。他人の姓名の下にそえて敬意を表わす語。「山田一郎殿どの」
東大寺の大仏殿(華厳宗大本山東大寺「大仏殿」より)
イメージ
「貴人の建物」(殿)
貴人が「腰かける」(臀)
「形声字」(澱・癜)
音の変化 デン:殿・臀・澱・癜
腰かける
臀 デン・しり 月部にく tún
解字 「月(からだ)+殿(貴人が腰かける)」の会意形声。殿の初文は殿の左辺(発音はトン)で貴人が腰かけるかたちであり、腰かける意を含んでいる。そこに月(からだ)がついた臀(トン⇒デン)は貴人が腰掛けるとき、下に触れる身体(月)の部分を意味し、お尻をいう。
意味 (1)しり(臀)。人の尻。「臀部デンブ」(おしりの部分)「臀肉デンニク」(おしりの肉)(2)物の底や下部。「器臀キデン」(器の底)
形声字
澱 デン・テン・よどむ・おり 氵部 diàn
解字 「氵(水)+殿(デン・テン)」の形声。デン・テンは淀テン・デン(よど・よどむ)に通じ、水が滞ってよどむ意。
意味 (1)よどむ(澱む)。水など滞って流れないこと。物事がなめらかに進まないこと。(2)おり(澱)。物が底に沈んでたまる。液体の底に沈んだかす。「沈澱チンデン」(沈んでたまる。沈殿とも書く)「澱淤デンオ」(よどみ。おり。淤オも、おりの意」「澱粉デンプン」(ジャガイモなどをすりおろして布で包み水に漬けて揉みほぐすと下に沈んでたまる粉末のこと。一般に種子・根茎などに含まれる炭水化物をいう)(3)[国]大阪の淀川の別称。「澱江デンコウ」「澱水デンスイ」
癜 デン・テン・なまず 疒部 diàn
解字 「疒(やまい)+殿(=澱。おり)」の会意形声。皮膚に澱(おり)のようにたまり、斑点ができる病を癜デンという。日本で、なまず(癜)というのは魚のナマズの膚(はだ)に似たような模様があるからとされる。
意味 なまず(癜)。皮膚病の一種で、白・紫などの斑点ができる。「癜風デンプウ」(表皮に発生する真菌感染症。「なまずはだ」ともいう)「白癜ハクデン」「紫癜シデン」
ナマズ(「Honda釣倶楽部・ナマズの特徴」より)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
殿 デン・テン・との・どの 殳部 diàn
上は殿、下は殳シュ
解字 戦国期(東周)の殿は、李学勤編の[字源]に掲載されている字で「人が腰かけている形+丌キ+大きな丌キ」で、人が大と小の腰かけを重ねた上に腰をおろしている形。意味は不明であるが、貴人が腰かける形であろう。篆文の左辺は「人が腕を伸ばして腰掛ける形+丌キ(腰掛け)+冂(台)」の会意で、台上で丌キに腰をおろしている貴人。この右に殳シュがつくが、殳は下の甲骨文字でも分かるように手に武器をもつ形である。なぜ武器を描いているか、この意味も不明であるが、武装をしている貴人と考えられる。殿には「殿軍デングン・しんがり」という軍隊用語がある。現代字は左辺が「尸+共」に変化した殿となった。秦~前漢に成立の[倉頡ソウケツ篇]は「殿は大堂也(なり)。商周以前は其名を不載(不記載)、按ずるに始め前殿を作る」とし秦・漢以後に前殿の建設から始まったとする(前殿に対比される語に後殿(奥御殿)がある)。現在の楷書の意味は、天子や君主が住む豪壮な建物の意となり、またその御殿の主人を表す。
意味 (1)との(殿)。ずっしりと土台を構えた大きな建物。「殿堂デンドウ」「宮殿キュウデン」(①国王・君主の住む御殿、②神を祭る社殿)「大仏殿ダイブツデン」(大仏を安置した殿堂)「殿宇デンウ」(大屋根の殿・殿堂)「高殿たかどの」(2)との(殿)。貴人の尊称。「殿下デンカ」「殿様とのさま」(3)しんがり(殿)。後駆(しりがり)の変化音。軍隊が退却するとき、最後尾で敵の追撃を防ぐ軍をいう。「殿軍デングン」(4)[国]どの(殿)。他人の姓名の下にそえて敬意を表わす語。「山田一郎殿どの」
東大寺の大仏殿(華厳宗大本山東大寺「大仏殿」より)
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「貴人の建物」(殿)
貴人が「腰かける」(臀)
「形声字」(澱・癜)
音の変化 デン:殿・臀・澱・癜
腰かける
臀 デン・しり 月部にく tún
解字 「月(からだ)+殿(貴人が腰かける)」の会意形声。殿の初文は殿の左辺(発音はトン)で貴人が腰かけるかたちであり、腰かける意を含んでいる。そこに月(からだ)がついた臀(トン⇒デン)は貴人が腰掛けるとき、下に触れる身体(月)の部分を意味し、お尻をいう。
意味 (1)しり(臀)。人の尻。「臀部デンブ」(おしりの部分)「臀肉デンニク」(おしりの肉)(2)物の底や下部。「器臀キデン」(器の底)
形声字
澱 デン・テン・よどむ・おり 氵部 diàn
解字 「氵(水)+殿(デン・テン)」の形声。デン・テンは淀テン・デン(よど・よどむ)に通じ、水が滞ってよどむ意。
意味 (1)よどむ(澱む)。水など滞って流れないこと。物事がなめらかに進まないこと。(2)おり(澱)。物が底に沈んでたまる。液体の底に沈んだかす。「沈澱チンデン」(沈んでたまる。沈殿とも書く)「澱淤デンオ」(よどみ。おり。淤オも、おりの意」「澱粉デンプン」(ジャガイモなどをすりおろして布で包み水に漬けて揉みほぐすと下に沈んでたまる粉末のこと。一般に種子・根茎などに含まれる炭水化物をいう)(3)[国]大阪の淀川の別称。「澱江デンコウ」「澱水デンスイ」
癜 デン・テン・なまず 疒部 diàn
解字 「疒(やまい)+殿(=澱。おり)」の会意形声。皮膚に澱(おり)のようにたまり、斑点ができる病を癜デンという。日本で、なまず(癜)というのは魚のナマズの膚(はだ)に似たような模様があるからとされる。
意味 なまず(癜)。皮膚病の一種で、白・紫などの斑点ができる。「癜風デンプウ」(表皮に発生する真菌感染症。「なまずはだ」ともいう)「白癜ハクデン」「紫癜シデン」
ナマズ(「Honda釣倶楽部・ナマズの特徴」より)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。