夐ケイ・瓊ケイを追加しました。
奐 カン 大部
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解字 金文は身体をひねった大のかたちの人が股間をひろげており、その下に両手を描く。女性が分娩するとき、介助の人が両手で子どもをとりあげる形。篆文は上部が人の側面となり股間と分離した。現代字は両手が大に変化した奐カンになった。この字の本来の意味については、子を手でとりあげて母の胎内から場所を換カン(かえる)。分娩のとき母親が陣痛で喚カン(さけぶ)の初文とも言える。また[字通]は「子は生まれるとき一種の勢いを以って出るので、そのさまを渙カン(勢いよくちる)という」とし渙カンの初文とする。そのほかの意味は、のちにできた形声字の意味を移したものであろう。
意味(1)あきらか(=煥)。立派。「奐焉カンエン」(かがやかしく美しい)(2) ちる。ちらばる(=渙)。「奐衍カンエン」(散りひろがる)(3)かえる。とりかえる。=換。(4)その他。「輪奐リンカン」(「輪」は高大、「奐」は大きく盛んな意)建築物が広大でりっぱなこと。広辞苑より)
イメージ
「かえる」(奐・換)
出産のとき「さけぶ」(喚)
形声文字(煥・渙)
音の変化 カン:奐・換・喚・煥・渙
かえる
換 カン・かえる・かわる 扌部
解字 「扌(手)+奐(かえる)」の会意形声。手で入れ換えること。
意味 かえる(換える)。かわる(換わる)。とりかえる。「交換コウカン」「換言カンゲン」(言い換える)「換算カンサン・カンザン」「転換テンカン」「換気扇カンキセン」
さけぶ
喚 カン・わめく・よぶ 口部
解字 「口(くち)+奐(さけぶ)」の会意形声。口から発する叫び声、また呼ぶ声にも用いる。
意味 (1)わめく(喚く)。さけぶ。「喚声カンセイ」(さけびごえ)「阿鼻叫喚アビキョウカン」(地獄の苦に耐えられず泣き叫ぶ) (2)よぶ(喚ぶ)。よびよせる。「喚起カンキ」(よび起こす)「喚問カンモン」(呼び出して問いただす)
形声字
煥 カン・あきらか 火部
解字 「火(ひ)+奐(カン)」の形声。火のひかりで、あきらかになることを煥カンという。
意味 あきらか(煥らか)。光かがやくさま。「煥然カンゼン」(光かがやくさま)「煥煥カンカン」(光かがやくさま)「煥発カンパツ」(外面に輝きあらわれる)「才気煥発サイキカンパツ」
渙 カン 氵部
解字 「氵(みず)+奐(カン)」の形声。氵(水)が飛び散ることを渙カンという。[字通]は「子は生まれるとき一種の勢いを以って出るので、そのさまを渙カン(勢いよくちる)という」とする。
意味 ちる。とびちる。はなれる。「渙発カンパツ」(天皇が詔勅を発布すること。水が散るように四方に発布する意)「渙散カンサン」(①いきおいよく散っていくこと。②病気で発熱していたものが徐々に下がること)「渙然カンゼン」(とびちるさま。きえうせる)「渙然と氷釈ヒョウシャクする」(氷のとけるように(疑惑や迷いが)きえうせた。杜預ドヨ「春秋左氏伝序」)
<紫色は常用漢字>
音符「夐ケイ」と「瓊ケイ」
夐 ケイ・はるか 攵部 xuàn・xiòng
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上は夐ケイ、下は攴ボク
解字 篆文は「奐カンの上部+𥄎ケツ・ケチ」で[説文解字]は「𥄎(目+攴)に従い、人の穴の上に在るに従う」とし、「營(営)求(尋訪・尋ね訪れる)也(なり)」とするが意味が分かりにくい。𥄎(目+攴)ケツ・ケチは、目を攴ボク(手で棒などを持って打つ)意であり、ネットの[漢字林(非部首部別) 攴部]によると「ちらっと横目で見る」意とする。私は「高い穴(洞穴)の上の人が、おそるおそるチラッと横目で(真下を見るのではなく)遠くを見る意から「はるか」の意味がある会意字と解釈したい(私見です)。
意味 (1)はるか。とおい。「夐絶ケイゼツ」(はるかにかけ隔てる。=夐遠ケイエン)「夐然ケイゼン」(はるかなさま)「敻古ケイコ」(はるかな昔)(2)もとめる。
イメージ
「はるか」(夐)
「形声字」(瓊)
音の変化 ケイ:夐・瓊
形声字
瓊 ケイ・たま・に 王部
解字 「王(玉・貴石)+敻(ケイ)」の形声。ケイという名の宝石。「たま」や「玉の美しい色」などの意味がある。
意味 (1)たま(瓊)。美しい玉。「瓊音ケイオン」(①玉の音。澄んで調子の高い音響。②手紙の美称)「瓊樹ケイジュ」(①玉の生じる木。その花を食べると長生きするという。②玉のように美しい木)「瓊枝玉葉ケイシギョクヨウ」(皇室の子孫・一族のたとえ)「瓊杯ケイハイ」(玉のさかずき。玉杯)(2)に(瓊)。①赤い色の玉。②万葉仮名の用法。「瓊瓊杵尊ににぎのみこと」(日本神話の神。アマテラスの孫にあたる神)(3)玉のように美しい。「瓊筵ケイエン」(①玉のように美しいむしろ。②美しい宴席)「瓊宮ケイキュウ」(美しい御殿)
鑑真ゆかりの花・瓊花ケイカ
「瓊花ケイカ」とは、スイカズラ科の花で5弁の花を8個付けることから八仙花ともいい中国・隋の皇帝、煬帝ヨウダイも愛したといわれる。唐招提寺を創建した鑑真和上の故郷・揚州市(江蘇省)の名花であり、和上の没後1200年の1963(昭和38)年に中国仏教協会から同寺に贈られた。唐招提寺はこの花が咲く御影堂供華園(くげえん)を4月末から5月初めに毎年特別公開している。
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鑑真ゆかりの花・見頃(ブログ「神仏霊場遥拝の旅」より)
なお鑑真和上が上陸したとされる嘉瀬かせ津があった佐賀市にも揚州市から1990(平成2)年に贈られ、同市の佐賀県立森林公園で育っている。
奐 カン 大部
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解字 金文は身体をひねった大のかたちの人が股間をひろげており、その下に両手を描く。女性が分娩するとき、介助の人が両手で子どもをとりあげる形。篆文は上部が人の側面となり股間と分離した。現代字は両手が大に変化した奐カンになった。この字の本来の意味については、子を手でとりあげて母の胎内から場所を換カン(かえる)。分娩のとき母親が陣痛で喚カン(さけぶ)の初文とも言える。また[字通]は「子は生まれるとき一種の勢いを以って出るので、そのさまを渙カン(勢いよくちる)という」とし渙カンの初文とする。そのほかの意味は、のちにできた形声字の意味を移したものであろう。
意味(1)あきらか(=煥)。立派。「奐焉カンエン」(かがやかしく美しい)(2) ちる。ちらばる(=渙)。「奐衍カンエン」(散りひろがる)(3)かえる。とりかえる。=換。(4)その他。「輪奐リンカン」(「輪」は高大、「奐」は大きく盛んな意)建築物が広大でりっぱなこと。広辞苑より)
イメージ
「かえる」(奐・換)
出産のとき「さけぶ」(喚)
形声文字(煥・渙)
音の変化 カン:奐・換・喚・煥・渙
かえる
換 カン・かえる・かわる 扌部
解字 「扌(手)+奐(かえる)」の会意形声。手で入れ換えること。
意味 かえる(換える)。かわる(換わる)。とりかえる。「交換コウカン」「換言カンゲン」(言い換える)「換算カンサン・カンザン」「転換テンカン」「換気扇カンキセン」
さけぶ
喚 カン・わめく・よぶ 口部
解字 「口(くち)+奐(さけぶ)」の会意形声。口から発する叫び声、また呼ぶ声にも用いる。
意味 (1)わめく(喚く)。さけぶ。「喚声カンセイ」(さけびごえ)「阿鼻叫喚アビキョウカン」(地獄の苦に耐えられず泣き叫ぶ) (2)よぶ(喚ぶ)。よびよせる。「喚起カンキ」(よび起こす)「喚問カンモン」(呼び出して問いただす)
形声字
煥 カン・あきらか 火部
解字 「火(ひ)+奐(カン)」の形声。火のひかりで、あきらかになることを煥カンという。
意味 あきらか(煥らか)。光かがやくさま。「煥然カンゼン」(光かがやくさま)「煥煥カンカン」(光かがやくさま)「煥発カンパツ」(外面に輝きあらわれる)「才気煥発サイキカンパツ」
渙 カン 氵部
解字 「氵(みず)+奐(カン)」の形声。氵(水)が飛び散ることを渙カンという。[字通]は「子は生まれるとき一種の勢いを以って出るので、そのさまを渙カン(勢いよくちる)という」とする。
意味 ちる。とびちる。はなれる。「渙発カンパツ」(天皇が詔勅を発布すること。水が散るように四方に発布する意)「渙散カンサン」(①いきおいよく散っていくこと。②病気で発熱していたものが徐々に下がること)「渙然カンゼン」(とびちるさま。きえうせる)「渙然と氷釈ヒョウシャクする」(氷のとけるように(疑惑や迷いが)きえうせた。杜預ドヨ「春秋左氏伝序」)
<紫色は常用漢字>
音符「夐ケイ」と「瓊ケイ」
夐 ケイ・はるか 攵部 xuàn・xiòng
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上は夐ケイ、下は攴ボク
解字 篆文は「奐カンの上部+𥄎ケツ・ケチ」で[説文解字]は「𥄎(目+攴)に従い、人の穴の上に在るに従う」とし、「營(営)求(尋訪・尋ね訪れる)也(なり)」とするが意味が分かりにくい。𥄎(目+攴)ケツ・ケチは、目を攴ボク(手で棒などを持って打つ)意であり、ネットの[漢字林(非部首部別) 攴部]によると「ちらっと横目で見る」意とする。私は「高い穴(洞穴)の上の人が、おそるおそるチラッと横目で(真下を見るのではなく)遠くを見る意から「はるか」の意味がある会意字と解釈したい(私見です)。
意味 (1)はるか。とおい。「夐絶ケイゼツ」(はるかにかけ隔てる。=夐遠ケイエン)「夐然ケイゼン」(はるかなさま)「敻古ケイコ」(はるかな昔)(2)もとめる。
イメージ
「はるか」(夐)
「形声字」(瓊)
音の変化 ケイ:夐・瓊
形声字
瓊 ケイ・たま・に 王部
解字 「王(玉・貴石)+敻(ケイ)」の形声。ケイという名の宝石。「たま」や「玉の美しい色」などの意味がある。
意味 (1)たま(瓊)。美しい玉。「瓊音ケイオン」(①玉の音。澄んで調子の高い音響。②手紙の美称)「瓊樹ケイジュ」(①玉の生じる木。その花を食べると長生きするという。②玉のように美しい木)「瓊枝玉葉ケイシギョクヨウ」(皇室の子孫・一族のたとえ)「瓊杯ケイハイ」(玉のさかずき。玉杯)(2)に(瓊)。①赤い色の玉。②万葉仮名の用法。「瓊瓊杵尊ににぎのみこと」(日本神話の神。アマテラスの孫にあたる神)(3)玉のように美しい。「瓊筵ケイエン」(①玉のように美しいむしろ。②美しい宴席)「瓊宮ケイキュウ」(美しい御殿)
鑑真ゆかりの花・瓊花ケイカ
「瓊花ケイカ」とは、スイカズラ科の花で5弁の花を8個付けることから八仙花ともいい中国・隋の皇帝、煬帝ヨウダイも愛したといわれる。唐招提寺を創建した鑑真和上の故郷・揚州市(江蘇省)の名花であり、和上の没後1200年の1963(昭和38)年に中国仏教協会から同寺に贈られた。唐招提寺はこの花が咲く御影堂供華園(くげえん)を4月末から5月初めに毎年特別公開している。
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鑑真ゆかりの花・見頃(ブログ「神仏霊場遥拝の旅」より)
なお鑑真和上が上陸したとされる嘉瀬かせ津があった佐賀市にも揚州市から1990(平成2)年に贈られ、同市の佐賀県立森林公園で育っている。
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