衣は音符字は少ないですが、部首として、①衣の形のままの「衣(ころも)」、②衣のなかに文字をいれこむ「わりごろも」、③左辺につく「衤(ころもへん)」があり、多方面で活躍する字です。
衣 イ・ころも 衣部 yī・yì
解字 衣の襟(えり)もとを合わせたかたちの象形。後ろの襟を立て、前の襟を合わせたかたち。
意味 (1)ころも(衣)。きぬ。身にまとうもの。「衣服イフク」「衣装イショウ」「衣魚イギョ」(しみ。衣服・書物につく虫)(2)きる。身につける。「衣帯イタイ」(衣と帯。衣服を着て帯を結ぶ)(3)おおう。おおい。「面衣メンイ」(外出用の被りもの)
参考 衣は部首「衣ころも・わりごろも」になる。「ころも」は漢字の下部に衣が付く。「わりごろも(衣に割り込む)」は衣が亠と、その下部に分かれ間に漢字がはいる。「衣ころも・わりごろも」は、常用漢字で12字、約14,600字を収録する『新漢語林』では49字が収録されている。主な字は以下のとおり。
「衣ころも」:衣(部首)
袋タイ・ふくろ(衣+音符「代ダイ」)
裂レツ・さく(衣+音符「列レツ」)
装ソウ・よそおう(衣+音符「壮ソウ」)
製セイ・つくる(衣+音符「制セイ」)
襲シュウ・おそう(衣+音符「龍リュウ⇒シュウ」)
裁サイ・さばく(衣+音符「𢦏サイ」)
裳ショウ(衣+音符「尚ショウ」)
「衣わりごろも」:衣の中に音符字を割り込ませる。
衷チュウ・うち(衣+音符「中チュウ」が入る)
裏リ・うら(衣+音符「里リ」が入る)
褒ホウ・ほめる(衣+音符「保ホ⇒ホウ」が入る)
表ヒョウ・おもて(古代文字は、衣+毛が入った会意)
衰スイ・おとろえる(衣+「冄ゼン」が入った会意)
褻セツ・なれる(衣+音符「埶ゲイ・セイ⇒セツ」が入る)
裹カ・つつむ「衣(=ふくろ)+音符「果カ(まるい実・木の実)が入る」
衣は漢字の左辺(偏)に付いたとき部首「衤ころもへん」になる。常用漢字で9字、約14,600字を収録する『新漢語林』では49字が収録されている。主な字は以下のとおり。
「衤ころもへん」:衤(部首)
袖シュウ・そで(衤+音符「由ユウ⇒シュウ」)
被ヒ・こうむる(衤+音符「皮ヒ」)
裕ユウ・ゆたか(衤+音符「谷コク⇒ユウ」)
補ホ・おぎなう(衤+音符「甫ホ」)
裾キョ・すそ(衤+音符「居キョ」)
複フク・かさねる(衤+音符「复フク」)
褐カツ・ぬのこ(衤+音符「曷カツ」)
襟キン・えり(衤+音符「禁キン」)
裸ラ・はだか(衤+音符「果カ⇒ラ)
イメージ 「ころも」(衣・依・哀)
音の変化 イ:衣・依 アイ:哀
ころも
依 イ・エ・よる イ部 yī
解字 「人+衣(ころも)」の会意形声。甲骨文は衣のなかに人が入ったかたち。天子が先王から位を受けつぐ時などに行なう儀式で、先王の霊が移った衣を着て、その霊を受けつぐこと。霊がよりつく意となる[字統]。衣は魂の受け渡しをするという信仰があった。
意味 (1)よる(依る)。よりつく。「依代よりしろ」「憑依ヒョウイ」(①よりすがる・よりどころにする。②霊などがのりうつる)(2)つく。従う。「帰依キエ」(神・仏などにすがること)(3)たのむ。たよる。「依頼イライ」「依存イゾン」「依怙エコ」(特定の者だけひいきする)(4)そのまま。以前のまま。「依然イゼン」
哀 アイ・あわれ・あわれむ 口部 āi
解字 「口(声をだす)+衣(ころも)」の会意。死者の衣の襟もとで、大きな声を出して悲しむこと。
意味 (1)かなしい。かなしむ。うれい。「哀悼アイトウ」「悲哀ヒアイ」「哀号アイゴウ」(悲しんで泣きさけぶ) (2)あわれ(哀れ)。あわれむ(哀れむ)。いつくしむ。「哀感アイカン」「哀調アイチョウ」 (3)も(喪)。亡くなった人を追悼する礼。「哀衣アイイ」(喪中にきる着物)「哀子アイシ」(父母の喪に服している子)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
衣 イ・ころも 衣部 yī・yì
解字 衣の襟(えり)もとを合わせたかたちの象形。後ろの襟を立て、前の襟を合わせたかたち。
意味 (1)ころも(衣)。きぬ。身にまとうもの。「衣服イフク」「衣装イショウ」「衣魚イギョ」(しみ。衣服・書物につく虫)(2)きる。身につける。「衣帯イタイ」(衣と帯。衣服を着て帯を結ぶ)(3)おおう。おおい。「面衣メンイ」(外出用の被りもの)
参考 衣は部首「衣ころも・わりごろも」になる。「ころも」は漢字の下部に衣が付く。「わりごろも(衣に割り込む)」は衣が亠と、その下部に分かれ間に漢字がはいる。「衣ころも・わりごろも」は、常用漢字で12字、約14,600字を収録する『新漢語林』では49字が収録されている。主な字は以下のとおり。
「衣ころも」:衣(部首)
袋タイ・ふくろ(衣+音符「代ダイ」)
裂レツ・さく(衣+音符「列レツ」)
装ソウ・よそおう(衣+音符「壮ソウ」)
製セイ・つくる(衣+音符「制セイ」)
襲シュウ・おそう(衣+音符「龍リュウ⇒シュウ」)
裁サイ・さばく(衣+音符「𢦏サイ」)
裳ショウ(衣+音符「尚ショウ」)
「衣わりごろも」:衣の中に音符字を割り込ませる。
衷チュウ・うち(衣+音符「中チュウ」が入る)
裏リ・うら(衣+音符「里リ」が入る)
褒ホウ・ほめる(衣+音符「保ホ⇒ホウ」が入る)
表ヒョウ・おもて(古代文字は、衣+毛が入った会意)
衰スイ・おとろえる(衣+「冄ゼン」が入った会意)
褻セツ・なれる(衣+音符「埶ゲイ・セイ⇒セツ」が入る)
裹カ・つつむ「衣(=ふくろ)+音符「果カ(まるい実・木の実)が入る」
衣は漢字の左辺(偏)に付いたとき部首「衤ころもへん」になる。常用漢字で9字、約14,600字を収録する『新漢語林』では49字が収録されている。主な字は以下のとおり。
「衤ころもへん」:衤(部首)
袖シュウ・そで(衤+音符「由ユウ⇒シュウ」)
被ヒ・こうむる(衤+音符「皮ヒ」)
裕ユウ・ゆたか(衤+音符「谷コク⇒ユウ」)
補ホ・おぎなう(衤+音符「甫ホ」)
裾キョ・すそ(衤+音符「居キョ」)
複フク・かさねる(衤+音符「复フク」)
褐カツ・ぬのこ(衤+音符「曷カツ」)
襟キン・えり(衤+音符「禁キン」)
裸ラ・はだか(衤+音符「果カ⇒ラ)
イメージ 「ころも」(衣・依・哀)
音の変化 イ:衣・依 アイ:哀
ころも
依 イ・エ・よる イ部 yī
解字 「人+衣(ころも)」の会意形声。甲骨文は衣のなかに人が入ったかたち。天子が先王から位を受けつぐ時などに行なう儀式で、先王の霊が移った衣を着て、その霊を受けつぐこと。霊がよりつく意となる[字統]。衣は魂の受け渡しをするという信仰があった。
意味 (1)よる(依る)。よりつく。「依代よりしろ」「憑依ヒョウイ」(①よりすがる・よりどころにする。②霊などがのりうつる)(2)つく。従う。「帰依キエ」(神・仏などにすがること)(3)たのむ。たよる。「依頼イライ」「依存イゾン」「依怙エコ」(特定の者だけひいきする)(4)そのまま。以前のまま。「依然イゼン」
哀 アイ・あわれ・あわれむ 口部 āi
解字 「口(声をだす)+衣(ころも)」の会意。死者の衣の襟もとで、大きな声を出して悲しむこと。
意味 (1)かなしい。かなしむ。うれい。「哀悼アイトウ」「悲哀ヒアイ」「哀号アイゴウ」(悲しんで泣きさけぶ) (2)あわれ(哀れ)。あわれむ(哀れむ)。いつくしむ。「哀感アイカン」「哀調アイチョウ」 (3)も(喪)。亡くなった人を追悼する礼。「哀衣アイイ」(喪中にきる着物)「哀子アイシ」(父母の喪に服している子)
<紫色は常用漢字>
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