増補改訂しました。
夾 キョウ・はさむ 大部

解字 大(大きい人)の両わきに人が向き合うように配した形の会意。中央の大きい人が両側から人にはさまれるかたち。はさまれる・はさむ意味をもつ。現代の字は大の両側に人を配した形の夾になった。新字体では、夾 ⇒ 夹 に変化する。
意味 (1)はさむ(夾む)。さしはさむ。「夾撃キョウゲキ=挟撃」 (2)はさまる。まじる。「夾雜キョウザツ」(余計なものがまじる)「夾雑物キョウザツブツ」 (3)たすける。
イメージ
「はさむ」(夾・挟・頬・鋏・莢・筴)
「はさまれる」(狭・峡・陜・侠)
「形声字」(篋)
音の変化 キョウ:夾・挟・頬・鋏・莢・筴・狭・峡・陜・侠・篋
はさむ
挟 キョウ・はさむ・はさまる 扌部
解字 旧字は挾で「扌(手)+夾(はさむ)」の会意形声。手ではさむこと。新字体は挟に変化。
意味 (1)はさむ(挟む)。はさまる(挟まる)。さしはさむ。「挟撃キョウゲキ」(挟み撃ち)「挟み箱」(衣服などを入れてかつぐ箱)「挟持キョウジ」(①はさみもつ。②心にいだきもつ) (2)わきばさむ(挟む)。「挟書キョウショ」(書物を所蔵する)
頬 キョウ・ほお 頁部
解字 旧字は頰で「頁(かお)+夾(はさむ)」の会意形声。顔の両側をはさむようにあるほお。新字体は頬に変化。
意味 ほお(頬)。ほほ。ほっぺた。「頬摺(ほおず)り」「頬杖ほおづえ」「紅頬コウキョウ」(あかい頬っぺ)
鋏 キョウ・はさみ・はさむ 金部
解字 「金(金属)+夾(はさむ)」 の会意形声。はさんで物を切る金属製の道具。
意味 (1)はさみ(鋏)。物を切る道具。「剪定鋏センテイばさみ」「裁(た)ち鋏ばさみ」( 裁縫ばさみ)「鋏研(はさみと)ぎ」 (2)はさむ(鋏む)。鋏で切る。「鋏虫はさみむし」(尾の端が鋏状になった昆虫) (3)やっとこ。金属をはさむ工具。
莢 キョウ・さや 艸部
解字 「艸(草)+夾(はさむ)」の会意形声。種子を両側からはさむように包む豆類のさや。
意味 さや(莢)。さやの形をしたもの。「莢豆さやまめ」「莢豌豆さやエンドウ」
筴 キョウ・サク・はし・めどぎ 竹部
解字 「竹(たけ)+夾(はさむ)」の会意形声。竹の棒で物をはさむこと。竹の箸(はし)、またはさむ意ともなる。サクの発音で竹の箸と似ている、めどぎ(筴)の意となり、また策と通用し、はかりごとの意になる。

筮竹ゼイチク(筴めどぎ)(「筮竹を使って占う」より)
意味 (1)はし。竹の箸。「竹筴チクキョウ」(竹のはし)「箸筴チョキョウ」(箸も筴も、はしの意) (2)はさむ。 (3)めどぎ(筴)。うらないに用いる筮竹ゼイチク。「筴筮サクゼイ」(めどぎ)「易筴エキサク」(易にもちいるめどぎ) (4)はかりごと。策と通用する。「筴謀サクボウ」(策謀)
はさまれる
狭 キョウ・せまい・せばめる・せばまる 犭部
解字 旧字は狹で「犭(けもの)+夾(はさまれる)」の会意形声。両側をヤブにはさまれた細くて狭いけもの道。新字体は狭に変化。
意味 (1)せまい(狭い)。せばめる(狭める)。せばまる(狭まる)。「狭軌キョウキ」(鉄道の狭い軌道⇔広軌コウキ)「狭量キョウリョウ」 (2)[国]さ(狭)。語調を整える接頭語。「狭霧さぎり」「狭衣さごろも」
峡 キョウ・はざま 山部
解字 旧字は峽で「山(やま)+夾(はさまれる)」の会意形声。両側を山にはさまれた谷間。新字体は峡に変化。
意味 (1)はざま(峡)。たにあい。「峡谷キョウコク」「峡間キョウカン」(谷間) (2)細長く挟まった所。「海峡カイキョウ」(陸と陸との間にはさまれて海の狭くなった所)
陜 キョウ・せまい 阝部こざと
解字 「阝(おか)+夾(はさまれる)」の会意形声。両側を丘にはさまれた狭いところ。
意味 (1)せまい(陜い)。はさまれてせまい。=狭キョウ。「陜隘キョウアイ」(地形が両側が挟まれてせまい=狭隘)「陜小キョウショウ」(せまく小さい=狭小) (2)姓の一つ。
侠[俠] キョウ・きゃん イ部
解字 正字は俠で「イ(人)+夾(両側に子分をかかえる)」の会意形声。まわりに子分を抱えている親分。侠は新字体に准じる。
意味 (1)おとこ気。おとこだて。きゃん(侠)。「侠客キョウカク」(強きをくじき弱気を助ける人)「侠気キョウキ」「任侠ニンキョウ」(本来は、仁義を重んじ困ったり苦しんでいたりする人を見ると放っておけず、彼らを助けること=仁侠)「義侠心ギキョウシン」 (2)勇み肌の女。おきゃん。「御侠おきゃん」(活発で軽はずみのある女。キャンは唐音)
※「侠の精神」とは、信義を重んじて個人的利害を度外視し、時には命をかけて弱気を助け強気を挫くべく、大いなる敵を向こうにまわして闘いつづけること。伊波律子「(水滸伝に見る)侠の精神」(読売:2018.6.25)
形声字
篋[匧] キョウ・はこ 竹部
解字 本字は匧キョウで「匚(はこ)+夾(キョウ)」の形声。キョウという名のはこ。衣類などを収めるはこを表す。篋キョウは、そこに竹(たけ)を加えた字で竹のはこの意。竹にかかわらず物を収納する長方形のはこを表す。
意味 (1)はこ(篋)。「篋笥キョウシ」(篋も笥も、はこの意。書物や衣服をいれるはこ)「鼓篋コキョウ」(太鼓をいれるはこ)「薬篋ヤッキョウ」(薬ばこ)「宝篋ホウキョウ」(宝玉の装飾を施したりっぱなはこ。また、宝物を入れるはこ)
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夾 キョウ・はさむ 大部

解字 大(大きい人)の両わきに人が向き合うように配した形の会意。中央の大きい人が両側から人にはさまれるかたち。はさまれる・はさむ意味をもつ。現代の字は大の両側に人を配した形の夾になった。新字体では、夾 ⇒ 夹 に変化する。
意味 (1)はさむ(夾む)。さしはさむ。「夾撃キョウゲキ=挟撃」 (2)はさまる。まじる。「夾雜キョウザツ」(余計なものがまじる)「夾雑物キョウザツブツ」 (3)たすける。
イメージ
「はさむ」(夾・挟・頬・鋏・莢・筴)
「はさまれる」(狭・峡・陜・侠)
「形声字」(篋)
音の変化 キョウ:夾・挟・頬・鋏・莢・筴・狭・峡・陜・侠・篋
はさむ
挟 キョウ・はさむ・はさまる 扌部
解字 旧字は挾で「扌(手)+夾(はさむ)」の会意形声。手ではさむこと。新字体は挟に変化。
意味 (1)はさむ(挟む)。はさまる(挟まる)。さしはさむ。「挟撃キョウゲキ」(挟み撃ち)「挟み箱」(衣服などを入れてかつぐ箱)「挟持キョウジ」(①はさみもつ。②心にいだきもつ) (2)わきばさむ(挟む)。「挟書キョウショ」(書物を所蔵する)
頬 キョウ・ほお 頁部
解字 旧字は頰で「頁(かお)+夾(はさむ)」の会意形声。顔の両側をはさむようにあるほお。新字体は頬に変化。
意味 ほお(頬)。ほほ。ほっぺた。「頬摺(ほおず)り」「頬杖ほおづえ」「紅頬コウキョウ」(あかい頬っぺ)
鋏 キョウ・はさみ・はさむ 金部
解字 「金(金属)+夾(はさむ)」 の会意形声。はさんで物を切る金属製の道具。
意味 (1)はさみ(鋏)。物を切る道具。「剪定鋏センテイばさみ」「裁(た)ち鋏ばさみ」( 裁縫ばさみ)「鋏研(はさみと)ぎ」 (2)はさむ(鋏む)。鋏で切る。「鋏虫はさみむし」(尾の端が鋏状になった昆虫) (3)やっとこ。金属をはさむ工具。
莢 キョウ・さや 艸部
解字 「艸(草)+夾(はさむ)」の会意形声。種子を両側からはさむように包む豆類のさや。
意味 さや(莢)。さやの形をしたもの。「莢豆さやまめ」「莢豌豆さやエンドウ」
筴 キョウ・サク・はし・めどぎ 竹部
解字 「竹(たけ)+夾(はさむ)」の会意形声。竹の棒で物をはさむこと。竹の箸(はし)、またはさむ意ともなる。サクの発音で竹の箸と似ている、めどぎ(筴)の意となり、また策と通用し、はかりごとの意になる。

筮竹ゼイチク(筴めどぎ)(「筮竹を使って占う」より)
意味 (1)はし。竹の箸。「竹筴チクキョウ」(竹のはし)「箸筴チョキョウ」(箸も筴も、はしの意) (2)はさむ。 (3)めどぎ(筴)。うらないに用いる筮竹ゼイチク。「筴筮サクゼイ」(めどぎ)「易筴エキサク」(易にもちいるめどぎ) (4)はかりごと。策と通用する。「筴謀サクボウ」(策謀)
はさまれる
狭 キョウ・せまい・せばめる・せばまる 犭部
解字 旧字は狹で「犭(けもの)+夾(はさまれる)」の会意形声。両側をヤブにはさまれた細くて狭いけもの道。新字体は狭に変化。
意味 (1)せまい(狭い)。せばめる(狭める)。せばまる(狭まる)。「狭軌キョウキ」(鉄道の狭い軌道⇔広軌コウキ)「狭量キョウリョウ」 (2)[国]さ(狭)。語調を整える接頭語。「狭霧さぎり」「狭衣さごろも」
峡 キョウ・はざま 山部
解字 旧字は峽で「山(やま)+夾(はさまれる)」の会意形声。両側を山にはさまれた谷間。新字体は峡に変化。
意味 (1)はざま(峡)。たにあい。「峡谷キョウコク」「峡間キョウカン」(谷間) (2)細長く挟まった所。「海峡カイキョウ」(陸と陸との間にはさまれて海の狭くなった所)
陜 キョウ・せまい 阝部こざと
解字 「阝(おか)+夾(はさまれる)」の会意形声。両側を丘にはさまれた狭いところ。
意味 (1)せまい(陜い)。はさまれてせまい。=狭キョウ。「陜隘キョウアイ」(地形が両側が挟まれてせまい=狭隘)「陜小キョウショウ」(せまく小さい=狭小) (2)姓の一つ。
侠[俠] キョウ・きゃん イ部
解字 正字は俠で「イ(人)+夾(両側に子分をかかえる)」の会意形声。まわりに子分を抱えている親分。侠は新字体に准じる。
意味 (1)おとこ気。おとこだて。きゃん(侠)。「侠客キョウカク」(強きをくじき弱気を助ける人)「侠気キョウキ」「任侠ニンキョウ」(本来は、仁義を重んじ困ったり苦しんでいたりする人を見ると放っておけず、彼らを助けること=仁侠)「義侠心ギキョウシン」 (2)勇み肌の女。おきゃん。「御侠おきゃん」(活発で軽はずみのある女。キャンは唐音)
※「侠の精神」とは、信義を重んじて個人的利害を度外視し、時には命をかけて弱気を助け強気を挫くべく、大いなる敵を向こうにまわして闘いつづけること。伊波律子「(水滸伝に見る)侠の精神」(読売:2018.6.25)
形声字
篋[匧] キョウ・はこ 竹部
解字 本字は匧キョウで「匚(はこ)+夾(キョウ)」の形声。キョウという名のはこ。衣類などを収めるはこを表す。篋キョウは、そこに竹(たけ)を加えた字で竹のはこの意。竹にかかわらず物を収納する長方形のはこを表す。
意味 (1)はこ(篋)。「篋笥キョウシ」(篋も笥も、はこの意。書物や衣服をいれるはこ)「鼓篋コキョウ」(太鼓をいれるはこ)「薬篋ヤッキョウ」(薬ばこ)「宝篋ホウキョウ」(宝玉の装飾を施したりっぱなはこ。また、宝物を入れるはこ)
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