プロフェッサーXの右腕だったジーンの死により、いまだその動揺から立ち直れずにいるX-MEN。そんな中、“ミュータントは病だ”と主張する天才科学者によって、ミュータントの能力を消去し普通の人間にすることのできる新薬“キュア”が開発される。
「バットマン」、「スーパーマン」、「スパイダーマン」など、なかなかおもしろいアメコミが続々と公開されているが、僕が一番楽しみに待っていたのが、この「X-MEN」シリーズだった。今回も、前作の続きなので絶対前2作は見ておいたほうが楽しめるだろう。監督はこれまでのブライアン・シンガーから、ブレット・ラトナーに代わっている。
このシリーズの一番の魅力は、様々な能力を持ったミュータントが出てくるところだ。しかも、かなりの数の登場人物がいるにもかかわらず、それぞれのキャラがどれもすごく魅力的に描かれている。
特に、今回のストーリーの鍵を握るジーンは、冒頭に彼女の少女時代の回想シーンを持ってくることで、その能力や特殊な立場、また彼女に関わるプロフェッサーXやマグニートーの関係などもわかりやすく説明し、それによってその後のストーリーを盛り上げることに成功している。
マイノリティである苦悩をうまく表現していた前2作に比べると、今作はアクションシーンに力を入れて作った感はあるが、それでも、これだけの登場人物をわかりやすくストーリーに取り入れて、アクションシーンたっぷりで、しかも2時間という時間にうまくまとめ上げたのは素晴らしい。今年見た映画の中でもトップクラスのおもしろさだった。
ちなみにエンディングロールが流れた後に、ちょっとした映像が流れるので、最後まで席を立たないほうがいいでしょう。