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転換期の安保2010:オキナワの苦難、ここにも グアム、米軍が「水」支配

2010-04-03 | 日記
(毎日新聞 2010年4月3日 東京朝刊)
 「沖縄が抱える重荷を分かち合いたいと思う。でも長い間、米軍基地を受け入れてきた私たちは疲れ果ててしまった」。グアムに暮らす女性、デビー・キナータさんがいう。1898年に米西戦争で米国の植民地となった島は、第二次大戦では旧日本軍による占領と米軍の奪還を経験した。今では島の3割を米軍用地が占め、アジア太平洋の軍事拠点となっている。
 米領ながら「準州」扱いのグアム。連邦下院に地元から送られる代表には議決権はない。米大統領選挙では、住民に投票権もない。マリアナ諸島に暮らす先住民族チャモロ人の血を受け継ぐキナータさんは「自分の人生を決める選択肢がない。島に生きる人々のとても悲しい物語です」という。
 沖縄もまた薩摩藩侵攻を経て日本に組み込まれ、大戦中は陸上戦を経験、戦後は在日米軍基地の約7割が集中する。グアム大のベベクアル教授(グアム史)は「今も植民地のような状態が続いている。沖縄とグアムは似ている」と指摘する。
 グアムでしばしば語られる「米国による支配」の象徴が「水」。島の飲料水の水源は北部の地下水と南部の湖。うち湖は米軍用地の敷地内にあり、グアム州政府は米軍から水を購入している。乾期に水不足に陥ると米軍は軍用の給水を優先し、住民への給水を止めてしまうという。
 グアムの人々の米国本土に対する思いは複雑だ。ベベクアル教授によると、第二次大戦後、グアムの人々は、自由と繁栄を象徴する「アメリカ人になりたい」と英語の習得に取り組んだ。結果、伝統的なチャモロ語を話す人々の数は激減した。「アメリカ人化」し、土地を提供しながらも、「なぜ虐げられるのか」という疑念も尽きることはない。
 一方で、莫大(ばくだい)な投資による基地経済に期待する声があるのも事実。グアム商工会議所軍事委員会のピーソン委員長は「大統領を選べない代わりに、徴収した所得税や法人税をワシントンに送らなくても良い。受け入れれば、さらに税収だけでも相当な額になる。壊れたままになっている水道管も修理できる」と語る。グアムもまた基地受け入れをめぐって揺れている。
 アプラ港米海軍基地が近くにある中心部ハガニアの砂浜で、漁師のビロリアさんが仲間と漁の準備をしていた。空母受け入れのための海底しゅんせつで、希少な魚も絶滅の危機にあるという。「多くの利点もあるだろう。何も基地が悪いというんじゃない。ただ、チャモロ人が受け継いできた美しい海を守りたいだけだ」
 ◇雇用のため「重荷負う」--テニアン
 米領グアムとは対照的に、北隣の米自治領北マリアナ連邦は米海兵隊や普天間飛行場の受け入れに積極的だ。同連邦のフィティアル知事やテニアン島のデラクルス市長も「受け入れたい」と意欲を示す。背景には観光業不振など経済の悪化がある。
 サイパン島の中心部ガラパン地区。免税店が建ち並ぶが、観光客はまばら。フローレンス市長は「島は道路だけとなった。まるで骸骨(がいこつ)だ」と嘆く。北マリアナ連邦への観光客は航空機の就航数が減少し、かつて年間約74万人を数えたが現在は約40万人。グアムの約110万人と大差がある。
 北マリアナ連邦自治政府は昨年11月、基地招致担当ポストを設置した。
 サイパン島から4人乗り小型飛行機で約15分。大半が緑に覆われたテニアン島は、広島と長崎に原子爆弾を投下した米軍のエノラ・ゲイ号とボックスカー号が飛び立った地でもある。中国人資本のホテル以外に目立った建物はない。失業率は約20%。平均収入は年間約1万5000ドル(約140万円)に過ぎない。デラクルス市長は「人々は生きるのに精いっぱい。恒久的な基地を誘致すれば雇用を確保できる」と語る。
 米軍は約30年前に島面積の6割を軍用地として借りたが、有効利用されておらず、現行の米軍再編計画でも一時的な射撃訓練が行われるだけ。デラクルス市長は「2400メートル級の滑走路が4本もあり、ヘリ部隊の受け入れも可能。日米両政府が普天間飛行場の移設先を探しているなら、テニアンを」と訴える。
 基地を受け入れれば、米兵による犯罪などネガティブな面も不安視される。デラクルス市長は「必要な法律や手続きで防ぐことはできる」と反論し、「それでも」と続けた。
 「日本が米国の防衛力を必要としながら、米軍をこれ以上受け入れたくないのは奇妙かもしれない。だからこそ、私たちと日本は協力できる。原爆を落とした爆撃機が飛び立った島の人々の善意の証しとして、私たちは日本人の重荷を引き受けたいのだ」
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 ■ことば
 ◇在日米軍再編
 在沖縄米海兵隊約8000人のグアム移転や普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)のキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)への移設を2014年までに完了させることで、06年5月に日米が合意した。鳩山由紀夫首相は昨年の衆院選で「県外・国外移設」を目指すと表明した。新移設先としてシュワブ陸上案などを検討。社民党は国外移設を求めている。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100403ddm003010128000c.html

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【白老】入館20万人を割り最低に アイヌ民族博物館

2010-04-03 | 日記
(苫小牧民報 2010年 4/2)
 白老町アイヌ民族博物館(野本勝信理事長)の2009年度入館者が19万5383人にとどまった。08年度に比べて8.7%落ち込み、過去最低になった。不況や新型インフルエンザのあおりを受けて、外国人や修学旅行客の足が遠のいた。
 博物館によると、入館は日本人が12万9145人と6割を占め、韓国から3万4646人、シンガポール1万5708人、中国4268人。韓国5.5%減、シンガポール、中国は20%もの大幅な減少になった。新型インフルエンザが世界的に流行した5~7月に半減するなど、外国人旅行客は11月まで8カ月連続の前年割れした。
 ただ、12月から回復し、今年2、3月は前年の2倍になった。特に中国、タイが大きく伸びており、中国は、昨年7月の個人観光ビザ解禁が追い風になった。
 とはいえ、年間20万人割れは深刻。ピークの91年度(約87万人)の4分の1にも満たず、内部努力で赤字幅を抑えてきたものの、「もはや瀕死(ひんし)の状態」と博物館。一部には「文化伝承は片手間でできるものではなく、観光との両立は困難」との声もある。
 町は、支援を強化し、10年度補助金を09年度の4倍となる2000万円に増額したほか、国立移管を国に要望している。博物館も「国はアイヌ民族を先住民族として認めており、その存在を国民に普及啓発するのは当然の役割」と国立化の必要性を強調する。
 博物館は、アイヌ文化を教材とする修学旅行の誘致に力を入れている。学校向けのプロモーションDVD1000枚製作したほか、教育関係者をターゲットにした初の「移動博物館事業」を函館で開催した。観光プロモーションも維持しながら、「学びの場所」への脱皮に向けた動きも着々と進んでいる。
http://www.tomamin.co.jp/2010s/s10040202.html

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アイヌ協会 不適切な会計75件

2010-04-03 | 日記
(朝日新聞 2010年04月02日)
■道調査で新たに判明
 北海道アイヌ協会で不適切な会計処理が相次いでいる問題をめぐり、社団法人「アイヌ文化振興・研究推進機構」(札幌市)が委託し、同協会釧路支部が実施した事業などで新たに75件の不適切な会計処理があったことがわかった。道は同協会に対し、同機構を通じて計約82万円の返還を求める方針だ。
 道が3月中旬に実施した調査で判明した。この調査は、昨年11月の道議会委員会で「(同支部の)会計処理に不適切な点がある」と指摘されたのをきっかけに、道が今年1月末まで行った調査で接触できなかった関係者を対象に実施した。
 不適切な会計処理があったのは、同機構が委託し、2004~09年度に同協会釧路支部が実施したり、開催にかかわったりした「国内文化交流助成事業」。同機構には国と道が年間約3億円ずつ補助金を支出している。
 道によると、イチャルパ(先祖供養)などの行事に参加しておらず、謝金も受け取っていない人の領収書が発行されていたケースなどがあったという。
 同機構の委託事業をめぐっては、すでに38事業で計202件の不適切な処理が判明しており、道が同機構と同協会に約470万円の返還を求める方針を決めている。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001004020004

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民族文化祭、今年は中止 道アイヌ協不適切会計で

2010-04-03 | 日記
(北海道新聞 04/02 07:49)
 【釧路】道などからの補助金を受け、釧路市で2006年から毎年8月に行われていた国際民族文化祭「ミンタラ」の実行委員会は、今年の開催を中止することを決め、実行委を解散した。催しのうちアイヌ民族の文化発表で道から会計処理が不適切との指摘を受けたことを理由としている。
 実行委は市民有志でつくるが、アイヌ民族の文化発表は北海道アイヌ協会釧路支部が担当、道はアイヌ文化振興・研究推進機構を通じ補助金を支出していた。
 道の調査では、実行委に06~08年に補助した274万円のうち、34万4千円が「不適切な使用」とされ、道は同機構に返還を求めている。
 実行委は3月15日付で解散した。熊野敬一委員長は「アイヌ民族の発表は釧路支部に運営を任せていたので詳細は分からない。他の催しは適正だったが、結果的に不信感を招き、継続は困難と判断した」と話している。
 ミンタラは道内外から民族音楽のグループなどが出演し、音楽と各国料理を楽しむイベントで、2~3日間の開催で数千人の観客を集めていた。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/223994.html

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