(毎日新聞 2010年4月29日 1時26分)
北海道大に今春、アイヌ民族出身の北原次郎太准教授(34)が就任した。同大のアイヌ民族出身の教員は、アイヌ言語学者として知られる知里真志保教授(1909~61)以来2人目。北原さんは「日本人が日本文化を研究するように、アイヌ自らが自分たちの文化を研究するのはごく自然なこと。文化の普及に貢献していきたい」と話している。
北原さんは東京生まれ。サハリン出身のアイヌの祖母がおり、小学生時代から関東ウタリ会のアイヌ語教室に通うなど、アイヌ文化に強い関心を持ってきた。千葉大大学院で「北方民族の口承文芸」を学び、05年4月に白老町のアイヌ民族博物館学芸員に採用された。イナウ(木幣)や楽器のトンコリ(五弦琴)などから、宗教観や精神世界などアイヌ文化の調査・研究を続けてきた。
北大ではアイヌ・先住民研究センター准教授となり、1、2年対象の全学共通科目「アイヌ語を通じて文化を学ぶ」を講義。研究面では、北大植物園(札幌市中央区)の北方民族資料室に保管されているイオマンテに使われた約20種類の祭壇などの文化資料の整理を通して、アイヌ文化の復元方法の確立を目指している。
また私的な活動として、昨年9月にユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に記載されたアイヌ古式舞踊の普及を目指し、20代のアイヌの若者を中心としたグループ「チームニカオプ」を結成。道内各地で違う古式舞踊の復元と公演活動の先頭に立っている。北原さんは「(過去には)アイヌが自分たちの文化・歴史を学びにくい環境があったから、苦しい立場に追い込まれた面もある。自らの手で文化を担う世代を育てたい」と力を込めた。【千々部一好】
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20100429hog00m040002000c.html
北海道大に今春、アイヌ民族出身の北原次郎太准教授(34)が就任した。同大のアイヌ民族出身の教員は、アイヌ言語学者として知られる知里真志保教授(1909~61)以来2人目。北原さんは「日本人が日本文化を研究するように、アイヌ自らが自分たちの文化を研究するのはごく自然なこと。文化の普及に貢献していきたい」と話している。
北原さんは東京生まれ。サハリン出身のアイヌの祖母がおり、小学生時代から関東ウタリ会のアイヌ語教室に通うなど、アイヌ文化に強い関心を持ってきた。千葉大大学院で「北方民族の口承文芸」を学び、05年4月に白老町のアイヌ民族博物館学芸員に採用された。イナウ(木幣)や楽器のトンコリ(五弦琴)などから、宗教観や精神世界などアイヌ文化の調査・研究を続けてきた。
北大ではアイヌ・先住民研究センター准教授となり、1、2年対象の全学共通科目「アイヌ語を通じて文化を学ぶ」を講義。研究面では、北大植物園(札幌市中央区)の北方民族資料室に保管されているイオマンテに使われた約20種類の祭壇などの文化資料の整理を通して、アイヌ文化の復元方法の確立を目指している。
また私的な活動として、昨年9月にユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に記載されたアイヌ古式舞踊の普及を目指し、20代のアイヌの若者を中心としたグループ「チームニカオプ」を結成。道内各地で違う古式舞踊の復元と公演活動の先頭に立っている。北原さんは「(過去には)アイヌが自分たちの文化・歴史を学びにくい環境があったから、苦しい立場に追い込まれた面もある。自らの手で文化を担う世代を育てたい」と力を込めた。【千々部一好】
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20100429hog00m040002000c.html