先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

憂楽帳:里山の春

2012-04-05 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2012年04月04日 12時49分

 木葉下。水戸市北西端の町で「あぼっけ」と読む。がけ下を意味するアイヌ語に由来するという。子供のころに読んだ小松左京氏のSF小説「日本沈没」でこの地名が印象に残っていた。
 想定外の地殻変動で地震や津波、火山噴火に襲われ、日本列島が海に沈むという筋書き。最後に地表に残ったのが木葉下だった。政府が先送りする異変の公表を米学会が発表したのが、くしくも3月11日、原子力施設から核燃料の灰が流出し海を汚染……。今思えば示唆的で予言めいた内容だった。
 昨年の大震災で水戸も震度6弱を観測したが、小松氏の設定どおり木葉下の被害は比較的小さかった。それでも県道は陥没、がけの赤土がむき出しになった。シシ肉から基準値超の放射性セシウムが検出されたこともあった。
http://mainichi.jp/opinion/news/20120404k0000e070244000c.html

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卓上四季 二つの水

2012-04-05 | アイヌ民族関連
北海道新聞 2012・4・4

思いがけない来客で、水を多く使いすぎて水樽(たる)が空になると、沢に水くみに行かなければならない。6、7歳にもなれば、たとえ夜でも、その仕事を言い付かったという▼湧き水をすくう際には守るべき作法があった。それはまず、ひしゃくで水面をなでて音を立ててから「トゥワッカモーシモシ、トゥワッカモーシモシ」と唱えるというものだ▼この言葉は<二つの水よ目を覚ませ>という意味。103歳まで生きたおばあさんが、「夜は水の神様も眠っている。水音を立て神様の目を覚まさせてからくまなければ、悪い神が水に毒を入れる」と教えてくれたそう▼アイヌ民族の文化伝承につくした故・萱野茂さんの回想だ。<アイヌの考え方の中では、流れる水にも生命を認め、昼は起きて夜は寝ると信じ、自然とまったく一緒に歩む心であったと思われます>。初期の著書「おれの二風谷」(すずさわ書店)に書いている▼きょうは二十四節気の「清明(せいめい)」。<万物がすがすがしく明るく美しい>とされる季節に萱野さんが残した逸話を思う。地球に生きる者は誰しも、このようにつつましく、情愛を込めて自然に接してきたはずだ▼いまこの時も、壊れた原子炉では遺伝子を損なう毒水が増え続けている。それは神の仕業ではない。私たちは、昼夜を分かたず炉内に注がれている水にかける言葉を持ち合わせているだろうか。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/362476.html

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