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知里幸恵の新資料も展示 登別

2012-04-29 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 04/28 16:00)

 【登別】登別本町の「知里幸恵 銀のしずく記念館」に登別出身で「アイヌ神謡集」の著者知里幸恵(1903~22年)に関する新たな資料5点が寄贈され、同館は28日から特別展を開く。口承のカムイユーカラ(神謡)11編のあらすじを日本語で記した「アイヌ傳(でん)説集」と題された幸恵の原稿用紙もあり、同館は「存在すら知られていなかった貴重な資料」と話している。
 5点は原稿用紙とB5判ノート4冊で、今年1月に東京の消印で郵送で届いた。差出人の名前はなかった。
 「アイヌ傳説集」は原稿用紙50ページにわたって書かれ、「銀のしずく降る降るまわりに」で知られる一編も記載されている。執筆した年月日は書かれていないが、同館は記載内容などから神謡集の構想過程で書かれた可能性もあるとみている。また神謡集に掲載されていない神謡も記されており、横山むつみ館長は「神謡集以外に本を出版予定だったのかもしれず、興味が尽きない」と話す。
 ノート4冊は幸恵が神謡集出版に向け、東京の言語学者金田一京助のもとで暮らしていた22年5月から亡くなる9月までのころのもの。このうち2冊は道内のアイヌ民族が金田一を訪ねた際に披露したユーカラを、幸恵がローマ字で書き留めたノートの原本。同館には複製が展示されているが原本はなかった。残りの2冊は金田一のもので幸恵の上京直後に幸恵から聞き取りしたユーカラの考え方などが書かれている。
 同館では5月14日まで展示した後、幸恵の研究者らの協力を得て内容を解明していく考え。横山館長は「幸恵の短い東京時代の業績が良く分かる貴重な原本ばかり」と喜んでいる。(石丸厚子)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/368648.html


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