先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

アイヌの心「つながれ」 宇梶さん、ウポポイPR 函館

2019-11-25 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/25 05:00
 道は来年4月に胆振管内白老町に開設するアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」のPRイベント「アイヌ・フェスティバル」を23、24の両日、函館市内の五稜郭タワーアトリウムで開催した。24日は開設PRアンバサダーの俳優、宇梶剛士さんのトークショーも開かれ、多くの市民がアイヌ民族への理解を深めた。
 宇梶さんは「こんにちは」を意味するアイヌ語「イランカラプテ」と観客らにあいさつ。母親がアイヌ民族の宇梶さんは「幼少期から身近にアイヌ民族の工芸品や衣装があった。今も指輪を身につけると、守られている気持ちになる」とアイヌ文化への思いを語った。5カ月後の開設を前に、「ウポポイが道内各地のゆかりの地とつながる起点になればうれしい。心や文化の魅力を知ってください」と観客らに呼び掛けた。
 会場には、仮想現実(VR)を使ってアイヌ民族の生活やウポポイの体験プログラムをイメージできるブースも設けられた。
 古式舞踊も披露され、友人らと輪踊りに飛び入り参加した道教大函館校3年の岩渕竜也さん(21)は「独特の掛け声や踊りは新鮮だった。アイヌ民族を知る良い機会になった」と催しを楽しんでいた。(池野上遥)
★イランカラプテのプは小文字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/367926


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室蘭開拓の添田龍吉、知里幸恵…西胆振は6種類 先人カード集めて学ぼう ゆかりの施設も見学を

2019-11-25 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/25 05:00

登別市内で配布している北海道先人カード
 道が作製した、北海道ゆかりの人物の功績を記した「北海道先人カード」が西胆振でも配布され、人気を集めている。全道では約100種類、そのうち西胆振では室蘭、登別、伊達、壮瞥の3市1町で計6種類を配布。関係者は「地域の歴史を知るきっかけに」と全道各地での収集を呼びかけている。
 カードは縦8・8センチ、横6・3センチ。表に名前と写真、裏に功績と出身地、生没年を記載している。配布場所は原則先人1人につき、ゆかりの1施設とし、今月11日から配布を順次開始している。
 室蘭市民俗資料館(陣屋町2)では、仙台藩石川家の家臣で室蘭開拓の祖とされる添田龍吉のカードを配布。小中学校の授業でもあまり学ぶ機会がないとして、津川基館長は「子どもたちにも収集に挑戦してもらいたい」と話す。
 登別市ではアイヌ民族の金成マツと知里真志保を市郷土資料館・文化伝承館(片倉町6)で、知里幸恵のカードを銀のしずく記念館(登別本町2)で配布。いずれも地元のアイヌ文化を語る上では重要な人物だ。
 知里真志保が使用していた机などを展示している市郷土資料館・文化伝承館では、カード収集を目的に来場した人もいたという。菅野修広学芸員は「見学もして地域の歴史に関心を持ってもらいたい」と期待する。
 伊達市ではだて歴史文化ミュージアムで伊達邦成、壮瞥町の横綱北の湖記念館では北の湖のカードを配布している。
 道は異なる市町村で3枚を集めるとトートバッグ、5枚集めるとステンレスタンブラーが抽選で当たるキャンペーンを来年2月24日まで実施している。(久保耕平)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/367910


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五稜郭タワーでアイヌフェス始まる 24日まで【函館】

2019-11-25 | アイヌ民族関連
函館新聞 2019.11.24

観客を引き付けたアイヌの古式舞踊
 アイヌ文化の魅力を紹介する「アイヌ・フェスティバル2019」(道主催)が23日、五稜郭タワーで始まった。アイヌ民族の古式舞踊や民工芸品の販売などが行われ、大勢の人でにぎわっている。24日まで。
 来年4月24日に胆振管内白老町に開設される「ウポポイ(民族共生象徴空間)」の一般公開に先立ち、アイヌやウポポイをより多くの人に知ってもらおうと、これまで札幌市や旭川市でも開いている。
 会場では千歳アイヌ文化伝承保存会がアイヌの古式舞踊を披露した。「弓の舞」では若者が獲物を見つけるも、あまりの美しさに射ることができなかった場面を表現した舞が披露されたほか、「シト」と呼ばれる米粉を使った団子の試食なども行われ、来場者がアイヌやウポポイに理解を深めた。恵庭市の学生、渡邉新さん(18)は「古式舞踊がとても興味深かった。ウポポイが開設されたら一度足を運びたい」と話していた。
 24日は午前10時から午後5時まで。午後0時半からはウポポイ開設PRアンバサダーを務めるタレントの宇梶剛士さんのトークステージも開かれる。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/14782

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アイヌ古式舞踊で文化交流(動画)

2019-11-25 | アイヌ民族関連
熊本放送 11/24(日) 18:34配信
国の重要無形民俗文化財にも登録されているアイヌの古式舞踊が天草市で披露されました。
天草市河浦町は北海道の浦河町と地域間交流を続けていて、今回は踊りを通して浦河町の歴史や文化を理解しようと開かれました。
アイヌ古式舞踊はアイヌの人たちに古くから伝わる歌と踊りで、
自然と共存する生活の中から生まれました。
代々受け継がれてきた踊りを民族衣装を着て披露したのは浦河町アイヌ文化保存会のメンバーです。
踊りはアイヌの楽器、ムックリの演奏で始まり、
踊り始める前の誘いの唄「ウポポ(座り唄)」や小鳥が飛びまわる様子を表現したものなどが披露されました。
また縄を使ったネズミ取りの踊りではネズミに扮した地元の小学生が加わり
食べ物を取ろうとするなど会場の笑いを誘っていました。
「(アイヌ舞踊を見るのは)初めてですけど素晴らしいですね。ムックリがとてもよかったです。」(地元の人)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191124-00000004-rkkv-l43

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独特の響き アイヌ語弁論大会「イタカンロー」開催 北海道千歳市(動画)

2019-11-25 | アイヌ民族関連
UHB 11/23(土) 12:00配信

 アイヌ語を学んでいる人たちによるアイヌ語弁論大会が千歳市で開かれています。
 このアイヌ語弁論大会「イタカンロー」は今回で23回目を迎えるものです。「イタカンロー」は「話しましょう」という意味で、アイヌ民族文化財団が主催しているものです。
 弁論大会は「子供の部」、「口承文芸部門」、「弁論部門」の3部門で、参加者がアイヌ語でそれぞれの考えや思いを発表しました。
 大会では、各部門ごとに最優秀賞、優秀賞が選ばれ表彰されることになっています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191123-00000001-hokkaibunv-hok

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アイヌ語弁論大会開催 物語や歌を披露、北海道(動画)

2019-11-25 | アイヌ民族関連
共同通信 2019.11.23 21:33
アイヌ語を学ぶ人々による弁論大会「イタカンロー」が北海道千歳市で23日開かれ、東京都や静岡県などから参加した36人が日ごろ磨いたアイヌ語の物語や歌を披露した。
https://www.47news.jp/4246657.html

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アイヌ語弁論大会を開催、北海道 36人が参加、物語や歌披露

2019-11-25 | アイヌ民族関連
東京新聞 2019年11月23日 18時21分

 アイヌ語を学ぶ人々による弁論大会「イタカンロー」が北海道千歳市で23日開かれ、東京都や静岡県などから参加した36人が日ごろ磨いたアイヌ語の物語や歌を披露した。
 イタカンローはアイヌ語で「話そう」の意味。参加者が発表前に「イランカラプテ(アイヌ語でこんにちは)」とあいさつすると、会場も「イランカラプテ」と返すなど終始和やかな雰囲気の中で行われた。
 口承文芸部門で最優秀賞を受賞した千歳市の中村勝信さん(75)は「千回くらいテープを聞いて練習したのがよかった」と笑顔だった。(共同)
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019112301001788.html

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NZ先住民族が来和〜ラグビーで話題 ハカ披露

2019-11-25 | 先住民族関連
ニュース和歌山/2019年11月23日更新

 ニュージーランドの先住民、マオリ族の5人が日本との交流のため、11月15日から3日間、和歌山市と紀の川市を訪れた。
 15、16日の交流会でマオリ族は、伝統的な戦いの踊りで、同国ラグビー代表のオールブラックスが試合前に踊ることで有名な「ハカ」を披露(写真)。相手を威嚇するため、まゆ毛をつりあげて舌を出し、力強く歌い踊る姿に、参加者から拍手が送られた。
 一方、日本側は、箏や尺八で『赤とんぼ』を演奏したほか、居合道やよさこい踊りを発表した。
 宮司のような役割を持つテマイリキ・ウィリアムズさんは「和歌山の人々は謙虚だが、自分たちの文化に誇りを持っているように感じた。派手な場所ではないが居心地がよく、帰りたくない」と笑顔。ニュージーランドのカンタベリー大学院でマオリ文化を研究し、今回、マオリ族を案内した藤川佳美さんは「この交流会のテーマは尊敬、継続、発展。今回は第一段階である尊敬が成功したと思うので、これを継続し、互いの文化を認め合うよう発展させていきたい」と意気込んでいる。
https://www.nwn.jp/news/191123_maori/

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核のごみ貯蔵施設所在地の先住民に補償金交付 過去分約90億円/台湾

2019-11-25 | 先住民族関連
中央フォーカス台湾 2019/11/23 12:57

蘭嶼にある低レベル放射性廃棄物(核のごみ)の貯蔵施設=資料写真
(台東中央社)東部の離島・蘭嶼で台湾原住民(先住民)タオ族が受け継ぐ「原住民保留地」に低レベル放射性廃棄物(核のごみ)の貯蔵施設が建設された問題で、政府は22日までに、過去分の補償金として25億5000万台湾元(約90億6000万円)を交付することを決めた。経済部(経済省)が台東県内で記者会見を開き、発表した。会見には蔡英文総統も出席した。
蘭嶼の貯蔵施設は1979年に建設が始まり、1982年に供用開始された。飽和状態になる1996年までに台湾内の原子力発電所や研究施設から出た低レベル放射性廃棄物計9万7627本が運び込まれた。同施設を巡っては、「貯蔵施設と知らされていなかった」として地元の先住民が80年代以降、抗議活動を行っていた。蔡総統は2016年8月、過去の不当な扱いを謝罪。住民と直接対話する機会を持った。政府は同施設建設の真相究明のために調査を実施し、昨年12月に公表した報告書で、建設決定の過程において「現地の先住民は知らなかった」と結論づけた。
補償のガイドラインは10月18日に蘇貞昌行政院長(首相)によって承認された。経済部国営事業委員会によると、補償金25億5000万元は、1999年以前の分として交付される。2000年以降は3年ごとに2億2000万元(約7億8000万円)の補償金が支払われている。過去分の補償金は現地のタオ族の人々がつくる財団法人が管理し、先住民の生活改善や福祉のために使われる。
(盧太城/編集:名切千絵)
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201911230001.aspx

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「祖父のノートを解き明かしたい」「お金が出るからじゃない」アイヌ文化を実践、継承に挑み続ける大学生

2019-11-25 | アイヌ民族関連
Abema TIMES 2019.11.23 10:15

 全国で唯一、アイヌの若者に奨学金を出している札幌大学。4年生の葛野大喜さん(22)は週に2回、アイヌの伝統舞踊やアイヌ語を学ぶグループのリーダーを務めている。メンバーは現在20人で、そのうち13人がアイヌの若者だ。「何と言っても、表紙が僕のじいちゃんです。そこがイチオシポイント」。大喜さんが笑顔で指す冊子に写る祖父・辰次郎さんは、アイヌ文化に精通し、仲間から「エカシ(長老)」として慕われる存在だった。
 「そもそもアイヌ語って何だか分かりますか?。明確な基準はないんです。アイヌ民族という言葉も、日本人がつけたような名称です」。狩猟民族として独自の文化を築いてきた先住民族アイヌ。しかし150年前、その暮らしが一変する。明治政府が土地を奪い、狩猟を禁じたのだ。餓死者を生むほどの困窮と差別。出自を隠さざるを得なくなった人も多かったという。
■「今のままじゃ人数が足りない」
 そんな時代にあって、辰次郎さんは口伝えで受け継がれてきたアイヌ語を日本語で記録。2000語を超える単語、儀式の言葉、そして物語。ノートは100冊以上に及んだ。一方、地元の建設会社に勤める葛野さんの父・次雄さんは、17年前に亡くなった辰次郎さんからアイヌの文化をしっかりと学ぶ機会はないままだったという。アイヌには死後、魂は神の世界に戻り、肉体は土に還るという考えがある。
 辰次郎さんをアイヌ式の土葬で弔ったという次雄さんは、代々受け継がれてきた儀式の道具を前に、文化が途絶えることへの危機感を口にする。「俺の時は、まず生活水準が低いということだとか、差別があったとか、そういうことばっかりだったから。これから大喜がアイヌ文化でご飯を食べていけるようなことになるかどうかはまだ分からないことだけど」。
 大喜さんは月に数回、日本の民俗学者でアイヌ研究の第一人者、藤村久和さんからアイヌの儀式や作法を学んでいる。挨拶もアイヌ語で交わす。各地の古老を訪ねて聞き取りを重ねた藤村さんは、辰次郎さんのもとには30年近く通いつめたという。「私に教えたかったということより、本当は自分の子(次雄さん)や孫(大喜さん)に伝えたかったんだろうと思う。でもなかなか時代背景の中では無理な状態だったので、私に教えることで伝えてもらいたいということだったのだろう」。
 最近、辰次郎さんのノートが新たに2冊、見つかった。大喜さんが1歳の時に書かれたものだった。「『大喜 マワシヌ キノ オウレウス キワ シオイナ カムイ コオンカミキ』。大喜は健やかに成長して、聖なる尊い神様へ拝礼をする、ということが書いてある。不思議なこともあるもんだなあと」。こうしたノートのほとんどは、今も手付かずのまま。このままではアイヌ語を絶やすなという祖父の思いは遂げられない。「今のままじゃ人数が足りない。1人でもいいから増やしていく。それはその時にアイヌの血筋なんていうのは考えている暇はない。本当に」。
■「まだアイヌっているんですか」と言われる
「北海道にいて知らなさすぎるもんね。ひどい人なんて、あれだよ。“まだアイヌっているんですか”とか。いやいや、目の前にいるのがアイヌだからって(笑)」。
 ハンターの門別徳司さん(37)の食卓には、クマやシカの肉が上がることもある。北海道は農業や林業へのシカの食害が深刻だ。道はここ5年間で30万頭を減らす計画だ。しかしアイヌ民族の考えでは、人も動物も同じ大地の一部。自然界からいただいた命。畏れ敬い、感謝の気持ちを込める。「ちゃんと俺のところに来てくれて、どうもありがとうございます。魂がちゃんとカムイモシリへ戻り、そしてまたアイヌモシリ(我々の世界)へ来てくださるよう…」。礼を尽くして魂を送る。これも同化政策で奪われた、かつての営みだ。
「伝統的な暮らしをしている人がいないとかって言われるけれども、そういう環境じゃないんだよね。僕らアイヌ民族がやっぱり一からまた文化を勉強しているって感じで。伝承していくにはすごく苦労することで」。
■「やらないと見ることもできない」17年ぶりの儀式に挑む
 今年8月、生前、アイヌ式の土葬で弔ってほしいと話していた次雄さんのいとこ・タナヨさんの葬儀で、次雄さん自身が喪主を務めることになったのだ。新ひだか町の葛野家に親族や知人が集まり、17年間も途絶えていた儀式を行うことを決めた。準備は多岐にわたるが、儀式に精通した人がいないため、議論しながら、それぞれの遠い記憶を寄せ集めながら進める。そして、あの世で生活に困らぬよう、日々の暮らしで使う一式を3日かけて取り揃え、魂を送り、肉体を大地に還す。
 土葬の儀式もまた失われた風習の一つ。祈りを捧げたいという気持ちと、学び直した知識。思いがかみ合わず、葬儀での手順などを巡って、大喜さんと次雄さんが激しい口論になった。「俺はアイヌとしての文化を守るためにやらなきゃならないことだと思っている。息子がどういう風に受け止めているのか、それはまた別の話で。息子の心までまだ分からんわい」(次雄さん)。
 アイヌ民族の言い伝えでは、亡くなった人の魂は肉体を離れ、あの世に向かうとされている。道に迷わぬよう、「クワ」と呼ばれる墓標を杖の代わりにして進むのだ。あの世にたどり着いた魂は、この世と同じように生活を続ける。アイヌ文様の衣装を着せ、装飾品も持たせる。「やらないと見ることもできないし、知ることもできないし、本に書いてあること、きれいな写真、きれいな映像と見てもやっぱり自分がやるという、ただ一回の方が勉強になったりする」(大喜さん)。
 大喜さんは、儀式でアイヌ語を使うよう努力した。「タナヨおばさんに、今こうやってアイヌ語で喋っているぞ、頑張っているぞ、というところを見せられたらいいかなと思うから。みんながこうやって集まって、アイヌプリ(アイヌ式)で葬儀したいと気持ちを込めて言っている。すごく嬉しいし、羨ましい。それを言葉にしてタナヨおばさんに言った」。
 アイヌ語で祝詞をあげる大喜さんの様子を見て、次雄さんは「格好良くやるとか、大きくやるということではなくて、わしらの文化を伝えたい、その一心だ。あれだけの単語をどんどん並べていくことだけなんだけどなかなかそういうことって大変なことなんだと思う。よくやってくれたなという思いばかり」と目を細めた。
■観光への期待も…「お金が出るからじゃない」
 小屋を建て、服を縫い、装飾品で飾る。自然の恵みを得て日々の糧とする。アイヌとしての暮らしがあって初めて、儀式が生まれる。そして、魂はこの地を離れるため、土葬が終わると、墓に訪れることはなく、供養はそれぞれの家や集落で行うことになる。一方で、こうした独自の風習は、偏見や差別を生んだ。「アイヌは墓参りをしない、先祖を大切にしない民族だ」と決めつけ、墓標が朽ち果て、大地に帰っていく様を見て、「ここは無縁墓地だ」と次々に掘り返し、遺骨や装飾品を持ち去る研究者も現れた。
 政府は今年に入り、法律で初めてアイヌを先住民族と明記した。「広くアイヌ文化を発信する拠点を白老町に整備し、アイヌの皆さんが先住民族として誇りを持って生活できるよう取り組みます」(安倍総理)。
 来年4月に開業する、民族共生象徴空間「ウポポイ」。“みんなで唄う”という意味で、伝統舞踊や儀式の披露、工芸品、生活用品などを集め展示する。アイヌ文化復興の拠点との位置づけだが、観光での利用に熱が入る。アイヌ政策推進本部長でもある菅官房長官は、「年間来場者100万人の目標を達成して、ウポポイが北海道観光の起爆剤、そしてこのことによって北海道が観光先進地となることができるように」と話している。
 国は「アイヌ民族の人口を正確に把握することは困難」としているが、北海道の調査では、アイヌ民族の人口は1万3118人。4年間で3668人が減少した計算だ。「アイヌ文化って、今もやっているんだ。それはお金が出るからじゃない、注目が集まっているからじゃない、気持ちを込めたいからやっている。みんなができるようにしたいし、それが文化でしょ、と思いますけどね」と大喜さん。
 “祖父のノートを解き明かしたい”。そんな思いから、大喜さんは、大学院への進学を検討している。そして誰もが手に取れるよう、出版を目指す考えだ。今を生きるアイヌのために。
(北海道テレビ放送制作・テレメンタリー『いまを生きるアイヌへ』より)
https://abema.tv/video/episode/89-78_s10_p47
https://times.abema.tv/posts/7029617

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