北海道新聞06/08 22:21

アイヌ民族に関する資料が展示される「蝦夷文化考古館」。別棟のブロック造の建物(左)が吉田菊太郎氏の建てた資料室
【幕別】アイヌ民族に関する資料を展示する「蝦夷文化考古館」と隣接する交流スペース「千住生活館」の建て替えについて町は、考古館別棟にある資料室は取り壊さないことを決めた。町によると、同資料室はアイヌ民族が自ら建てた資料館では道内で2番目に古く、歴史的価値が高いと判断し、保存を決定。また新施設には、「生活館棟」と「展示館棟」の2棟と伝統的な家屋(チセ)を設置することも明らかにした。
蝦夷文化考古館と千住生活館は、千住地区の国道38号沿いに隣接。新しい施設は、同敷地約5500平方メートルに新築。別棟の資料館の建物は残し、2025年度に生活館棟、26年度に展示館棟を開館する。
考古館の別棟にある資料室は1959年11月、町内の白人コタンの指導者だった吉田菊太郎氏(1896~1965年)が建てた。床面積42・14平方メートル、ブロック造一部木造平屋建て。吉田氏の死後、1966年に遺族が建物や資料を町に寄贈した。町によると、アイヌ民族が建てた資料館としては、川村カ子トアイヌ記念館(旭川)に次いで2番目に古いという。
新設される生活館棟は、アイヌ民族の儀式や地域住民のアイヌ文化体験の場として利用する。町内のアイヌ民族のムックリ(口琴)奏者安東ウメ子氏(1932~2004年)を紹介するコーナーも検討している。
展示館棟には、蝦夷文化考古館に保存されている吉田氏収集の文書資料や織物などを主に展示。町ふるさと館にある安東氏の装飾品やムックリなどの楽器も展示する予定だ。
今回の新施設を含め、町はアイヌ文化の復興や伝承、資料の保存などの事業を5年計画で進めており、総事業費の概算は10億円。本年度は2施設の基本設計を行う。町は基本設計の委託業者を10日まで募集している。(沼田駿)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/691215

アイヌ民族に関する資料が展示される「蝦夷文化考古館」。別棟のブロック造の建物(左)が吉田菊太郎氏の建てた資料室
【幕別】アイヌ民族に関する資料を展示する「蝦夷文化考古館」と隣接する交流スペース「千住生活館」の建て替えについて町は、考古館別棟にある資料室は取り壊さないことを決めた。町によると、同資料室はアイヌ民族が自ら建てた資料館では道内で2番目に古く、歴史的価値が高いと判断し、保存を決定。また新施設には、「生活館棟」と「展示館棟」の2棟と伝統的な家屋(チセ)を設置することも明らかにした。
蝦夷文化考古館と千住生活館は、千住地区の国道38号沿いに隣接。新しい施設は、同敷地約5500平方メートルに新築。別棟の資料館の建物は残し、2025年度に生活館棟、26年度に展示館棟を開館する。
考古館の別棟にある資料室は1959年11月、町内の白人コタンの指導者だった吉田菊太郎氏(1896~1965年)が建てた。床面積42・14平方メートル、ブロック造一部木造平屋建て。吉田氏の死後、1966年に遺族が建物や資料を町に寄贈した。町によると、アイヌ民族が建てた資料館としては、川村カ子トアイヌ記念館(旭川)に次いで2番目に古いという。
新設される生活館棟は、アイヌ民族の儀式や地域住民のアイヌ文化体験の場として利用する。町内のアイヌ民族のムックリ(口琴)奏者安東ウメ子氏(1932~2004年)を紹介するコーナーも検討している。
展示館棟には、蝦夷文化考古館に保存されている吉田氏収集の文書資料や織物などを主に展示。町ふるさと館にある安東氏の装飾品やムックリなどの楽器も展示する予定だ。
今回の新施設を含め、町はアイヌ文化の復興や伝承、資料の保存などの事業を5年計画で進めており、総事業費の概算は10億円。本年度は2施設の基本設計を行う。町は基本設計の委託業者を10日まで募集している。(沼田駿)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/691215