赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

『タフィ-』サラ クロッサン 三辺律子・訳

2022-06-03 10:20:16 | その他

翻訳小説を読みました。

『タフィー』岩波書店です。

この頃、アメリカの話題作は散文詩形式、もしくは詩の形でつづられた小説が人気だそうです。

以前、読書会でやった『エレベーター』(レイソン レナルズ)もそういう形でした

『エレベーター』も、ギリギリの生活をしている若者がでてきましたが、ここでの主人公、アリソンも父親に暴力をふるわれています

それに逃げて、迷いこんだ納屋で、マーラと出会います。マーラは認知症。すぐに忘れてしまいます。アリソンにであったことも、話したことも。

過去のことは、断片的におぼえています。

暴力の場面など、細かな描写にされると、わたしはにがてなのですが、この形式だと読みやすく、アリソンの孤独がよけいにうかびあがってきます

行方不明になって、わたしは存在しない?と疑問をもつ、アリソンは、マーラからタフィーとよばれることで、タフィーになって、マーラのそばにいることにします

マーラがうまくかけていると思いました。

ときに陽気になり、ときにしずみこみ、過去の記憶がこんがらがっている様子など、認知症っぽさがよくでています。わたしも92の母も、マーラほどではないが、記憶は混乱するのでよくわかります。けど、あの人はやさしいとか、あの人はきらいとか、そういう感情はきわだってくるのです。

とはいえ、わたしは、散文のほうが読みやすいかな。日本の作品もこういう形がでてくるのでしょうか。

 

玄関先のじまんのあじさい。子どもの頭くらいの大きさで咲きます。

夏がきたなーって思います。