「東京を仕事場にする天才スリ師。彼のターゲットはわかりやすい裕福者たち。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎ーーかつて一度だけ、仕事を共にしたことのある、闇社会に生きる男。木崎はある仕事を依頼してきた。
<これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。もし逃げれば・・・最近、お前が親しくしている子供を殺す>
その瞬間、木崎は彼にとって、絶対的な運命の支配者となった。」
アパートの前で寝ながら待つ、あの子供・・
「彼の手足を見ながら、生まれた場所により彼の生活は規定されていることを、改めて感じたように思えた。」
「木崎の身体が、少し動いた。
「なぜ殺されたか、なぜこうなったのか、わからんだろ。・・・人生は不可解だ。いいか、よく聞け。そもそも、俺は一体、何だったのか。お前は、運命を信じるか?お前の運命は、俺が握っていたのか、それとも、俺に握られることが、お前の運命だったのか。だが、そもそも、それは同じことだと思わんか?」 」
面白かった。この作者、もう1冊。
(19/08/09撮影)