最近7MHz帯を受信していたら受信中にランダムに接触不良の様なノイズが入る現象が出始めた。症状が出る日と出ない日があるのだが症状が出ると耳障りな状態で気になる 送信状態での(SWRと反射波のレベルは常時監視している)確認や交信中の相手方からレポートでは問題は無いのだが気に成るので昨日は第二タワーに上がって確認してみた。
何ヶ月振りにタワーに登ったが此方のタワーはステーが無いので登る途中や作業台で力が入る作業をするとタワーはユラユラと揺れて心許無い。一度、総点検しなければと思った。最上部の作業台に上り安全ベルトを架けて給電部の接続状態を確認する為に可也入念に巻かれたエフコ・テープを剥がそうとしたが迂闊にもカッターナイフを忘れ手作業に成ったがテープが一体化している為に中々除去出来ずに梃子摺った。バランからの単線とスタブやエレメントから立ち上がったボルトも目視的には表面の問題が無かったが念の為に真鍮のブラシで表面を磨き処理した。
前回にSWRが外気温の影響でフラフラした問題の箇所も気に成ったのでエレメントクランプのUボルトを外しエレメントを90度回転させブームと平行にした状態でブームの延長方向に押し出す状態で修理したトラップ部分を自分の手の届く範囲に手繰り寄せトラップ部分の防水キャップを外して接続部を確認したが見た感じでは問題なさそうで有ったが念の為接続部のネジを増し締めすると角度で40度程絞まったので念の為、再度分解して点検した。
此の部分は21MHzのトラップと14MHzのローディングコイル兼ねた部分でコイルの保護カバーのアルミケースの片方は(エレメントの先端側)インナーと防水キャップで固定され居るが手前側(ブームに近い方)はアルミケースの先端1cmの部分に切り込みを入れその部分を谷折りして其の部分をリベットでエレメントに貫通止めしている構造で電気的にはコイルとアルミケースとの静電容量で共振点を設計している感じ、元々の故障はアルミケースの外周の山折りの部分で金属疲労に寄るエレメントから分離した状態、電気的には断線から来る乗数の変化から14MHz帯や7MHz帯のSWRが2~3の間をフラフラする症状で有った。しかも此の症状は外気温度の変化によりアルミの熱膨張が違うので金属疲労の切断面が付いたり離れたりする為に時々症状で悩まされた。
一番最初の修理点検は輻射エレメントを降ろして地上で点検し、トラブルの原因が判明した段階で鉄板ビスでアルミケースの一部をエレメントに直接ネジ止めして対応した1年後に症状が再発し確認すると鉄板ビスの緩みと其の後の金属面の劣化に寄るもので有った。其の時から修理点検の為に一々輻射エレメントを地上に降ろすのは面倒なので他のエレメントを利用するブームに平行にエレメントを並べてスライドしながらエレメントを修理点検する方法に気が付いた。そしてケース側もエレメント側も貫通したボルト・ナットと独立したリード線で完全に接続した。
今回はSWRのフラツキも無く今回の症状との関連性は考え難いのだがスタブやバランからのリード線の接続状況の確認後では過去の経緯から矢張り怪しい感じは免れない。通常の直流や交流では2mmの銅線での両端子の接続では十分と思うのだが何せ相手は高周波電流なので私の考えの及ばない事が有るのかも知れない。有るとすればオリジナルは接触面が直径8mm程のリベット止めにした面接触だが対して現在の処理は銅線2mmの幾ら締めこんでも所詮は点接触に近い状態、そこらと高周波の流れ方、表皮効果の問題が有るのかも知れない。とにかくこのアンテナは定期的に問題が発生し楽しませてくれる。
私は過去に沢山さんのアンテナを使用してきたが殆どがクリエート製、ナガラ(当時はナガラと言って居なかったかも)のアンテナはOEMで製作されたモズレーのTA-33と先日降ろした18~24MHz帯の八木のみで其の他はクリエート社製
両者の比較は賛否両論有ると思うが堅牢さや部材で選択するのなら圧倒的にナガラ製であろう。しかし残念な事にナガラのアンテナは全体的にナロースペース(同じエレメント数ならブーム長が短い)のアンテナ 私は八木の基本である対数的なエレメント間隔の広がりがゲインが大きいと(同じエレメント数ならブーム長が長いほど)神の如く信じているので其の意味でクリエートを使用している。
ナガラのアンテナは部材を見ると頑丈でエレメントが曲がった経験は一度も無く何十年も使えるがクリエートのアンテナはエレメント・クランプ、エレメント、ブーム部材どれを採ってもナガラと比較すると見劣りするが(四国のような台風銀座ではトラップタイプは勿論の事、モノ・バンドのアンテナでも長年使用すると使用上は問題ないがエレメントは弓の様に保々ゆがんでしまう)反面、アンテナの種類の豊富さ、価格の問題、組み立て後の再現性の良さと最初のブーム長と選択肢の豊富さを考えればクリエート社のアンテナに成ってしまう。基本的に私はアンテナは使用中に飽きたり限界を感じて比較的短い期間に交換していくので強度や構造面の差は問題としない。個人的な考えだが都会の敷地の狭い場所や長年使用する堅牢なアンテナを望む方はナガラ社の選択がベストで有ろう。
上記は個人的な見解だが日本のコンテスト局やタワーを何基も持ったビッグ・ステーションの写真を見るとクリエート社か如何かは解らないがナガラ系のアンテナは少ない。殆どの局がロング・ブームのアンテナを使用している。此れは少しでもゲインの有るアンテナを求めたら当然の結果であろう。私は目的に合わないので使用する機会は少ないが一番最初のビーム・アンテナは現在のナガラで製作されたアンテナを使用した。其のアンテナは私が23歳の時に購入し現在は他の局が使用して居るかどうかは解らないが42年経った現在でもタワーの上に鎮座している。此れは丈夫さの証拠、其れと各アンテナメーカーは全体的に利得表示に眉唾物が多いが其の点と保守部品や各種対応に関しては一番信頼できるアンテナメーカーと私は思っている。私は「ナガラさん もっと各種のロング・ブームのアンテナも作って頂戴」と御願いしたい。
最近、我家の隣に太陽光発電のソーラー・パネルが200枚ほど並んだ、当初はインバター・ノイズでアマチュア無線も世間の話で危ぶまれたが少しノイズレベルが上がったかな?のレベルで一安心、2枚目の写真はスタブを結線時に引張りすぎて先端の固定部の部品から片方が外れている。写真を撮る最中に気付いたが残念ながら手が届かず、其れならと最後の得意技の足を利用する事を考えたが これまた生来の短足で届かず。接続部はエフコ・テープで固めたので遣り直しも面倒なので其の侭放置する事に、アンテナの前方は元中学校の跡地で草原、最近メガ・ソーラの建設も話題に成って居るとか?「勘弁してくれ~」その様な物が来たら今度こそ無線など確実に出来なく成るだろう。この場所に登る度に此れだけの敷地が有ったらアンテナの張り放題、無料でワイヤーアンテナだけでも張らしてくれれば嬉しいのだが・・・
最後の写真はアメリトロンの切替器が其の下の地上にやがてタワーに上がるで有ろう?28MHz帯の6エレ八木と10,18,24MHzの3エレのトライバンダー八木が写っている。