福岡市総合図書館と赤煉瓦文化館という二つの会場で行われている、文芸誌「午前」とその周辺をめぐる企画展の図録である。
展示は12月16日(日)まで。
「午前」は昭和21年6月、敗戦直後、福岡で創刊された文芸誌である。パンフレットには、創刊者北川晃二の次のような言葉が載っている。
戦後の荒廃のなかに、戦いに敗れた若ものたちが自らを燃焼させるも
のはなんだったろうか。私たちは、それを芸術に求め、文学に青春を賭
けた。 (北川晃二「戦後文学の旗手たち」から)
檀一雄、島尾敏雄、三島由紀夫らが作品を発表し、戦後文学の担い手達が次々に登場していった「午前」。企画展とこの図録は、その第一次「午前」から二次、三次、さらに「季刊午前」へとつながる文芸誌、文芸同人誌「午前」の過去から現在への流れを豊富な資料によって再現している。また、常に「午前」と共にあった北川晃二が創り出した、「西域」などの重要な同人誌も合わせて紹介されている。
自筆原稿、書簡、そして本それ自体。戦後を時代と伴走しながら、時代を作り上げ、格闘してきた文学のある局面が感じられる一冊である。
「青春への恋文」という企画展の名前については、図録中表紙に、北川晃二が昭和24年に書いた文章の一節が掲載されている。
文学はつねに青春(あなた)にあるからなのです。
それは決して卑俗な意味で云うのではなくて
あなたを正しく解したものにこそ、その真当な道が拓けると思うので
す。 (北川晃二「青春への恋文」)
それにしても、図書館、博物館、美術館の展示、さらに図録制作作業というのはたいへんな作業だろうと思う。
展示は12月16日(日)まで。
「午前」は昭和21年6月、敗戦直後、福岡で創刊された文芸誌である。パンフレットには、創刊者北川晃二の次のような言葉が載っている。
戦後の荒廃のなかに、戦いに敗れた若ものたちが自らを燃焼させるも
のはなんだったろうか。私たちは、それを芸術に求め、文学に青春を賭
けた。 (北川晃二「戦後文学の旗手たち」から)
檀一雄、島尾敏雄、三島由紀夫らが作品を発表し、戦後文学の担い手達が次々に登場していった「午前」。企画展とこの図録は、その第一次「午前」から二次、三次、さらに「季刊午前」へとつながる文芸誌、文芸同人誌「午前」の過去から現在への流れを豊富な資料によって再現している。また、常に「午前」と共にあった北川晃二が創り出した、「西域」などの重要な同人誌も合わせて紹介されている。
自筆原稿、書簡、そして本それ自体。戦後を時代と伴走しながら、時代を作り上げ、格闘してきた文学のある局面が感じられる一冊である。
「青春への恋文」という企画展の名前については、図録中表紙に、北川晃二が昭和24年に書いた文章の一節が掲載されている。
文学はつねに青春(あなた)にあるからなのです。
それは決して卑俗な意味で云うのではなくて
あなたを正しく解したものにこそ、その真当な道が拓けると思うので
す。 (北川晃二「青春への恋文」)
それにしても、図書館、博物館、美術館の展示、さらに図録制作作業というのはたいへんな作業だろうと思う。
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