Suさんの学球日誌

理科&日本語教師のSuさん(旧名SunQ)が、
国内・国外様々な学校を渡り歩き、
いろいろなチャレンジを試みます。

可愛い見た目なのに…(ナガミヒナゲシ)

2024年04月16日 | 身近な植物

季節は春。桜は満開から散り際へ、菜の花はまだまだ花盛り🌸

Suさんのアパート近くにある国分川沿いの遊歩道

そんな中、これから花盛りを迎えるのが、この花

和名はナガミヒナゲシ(長実雛芥子)、ケシ科の一年草で原産地はヨーロッパ地中海沿岸。1960年ころ輸入穀物などに紛れて渡来したと推測され、2000年以降全国に爆発的勢いで拡散したらしい。私の記憶でも千葉県では、1990年代はたまに見かけるくらいだったが、2000年くらいからあちこちで見かけるようになった気がする。

花弁は4枚、ケシの仲間共通の特徴である。ちょっと気を付けていると、道ばたや空き地に、オレンジ色の花がたくさん咲いているのをみつけることができる。園芸植物のアイスランドポピーが野生化したものなのかなーと思っている人もいるかもしれないが、別種である。

これが園芸品種、アイスランドポピーの花

両者の葉と花は似ているが、果実(種の入れ物)の形が全然違う

アイスランドポピーの果実がこれ

ナガミヒナゲシの果実は細長い(だから長実)

一見したところ、「オレンジ色の可愛いポピーが咲いているな」という印象を受けるが、実はこの花「生態系等に大きな影響を与える外来植物」として、各自治体から危険性を指摘されている厄介者なのだ。

まず注意するべきは、ナガミヒナゲシにアルカロイド性の有害物質が含まれいるということ。そのため素手で茎を触ったり折ったりすると、手がかぶれるおそれがある。草餅に使われるヨモギとも似ているので、間違えて口にしないようにと警告している自治体もある。

次に「アレロパシー活性」が強いということ。アレロパシーとは植物が化学物質を放出し、ほかの植物の生育を阻害する性質のこと。農地や花壇へ侵入すると、他の作物や植物を駆逐してしまう恐れがあるので、見つけたら早急に駆除する必要がある。

 これから5月にかけて各地で咲き誇る美しい花が、こんな厄介者だったなんてなんだか興ざめだが、他をおしのけてでも生きようとする力があるからこそ、異国でこれだけ繁茂できるのだろう。生命力こそ美、ということかな~

 

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天使のトランペット

2023年11月01日 | 身近な植物

久しぶりに 植物ネタである。

今日いつものランニング/ジョギングコースで、長さ20-30cmにもおよぶ巨大な白い花が咲いていることに気が付いた

白い筒状花で先端は5裂

葉は、細長or卵型・らせん状に互生

 

花は全て下向きについている

気になったのでスマホで調べてみると、チョウセンアサガオの仲間と判明。

チョウセンというが、朝鮮からやってきたものではなく、熱帯アジアorアメリカ原産とのこと。また、アサガオと言っているが、ナス科に属していて、ヒルガオ科に属するアサガオとはまったく違う仲間らしい。随分裏切り系(?)の名前だね。

でも医学の世界では結構有名みたいで、江戸時代の医学者・華岡青洲がチョウセンアサガオから麻酔薬「通仙散」を作り出し、世界初の全身麻酔手術に成功したということが分かった。そうか、医療に貢献してくれた植物だったんだーと ひととき感謝。

だがしかし、さらなる裏切り! ネットでチョウセンアサガオの写真をいろいろ見てみると

花はみんな上向いて咲いてるじゃん! でも目の前の花は下向きに咲いてるよー💦

あわててもう一度調べてみると、さらなる新事実判明!下向きに咲くのは、キダチチョウセンアサガオ(コダチチョウセンアサガオ)でチョウセンアサガオとは別属のもの。 おお、なんという裏切りの連続‼

まあ、植物学の世界でも最近まで同属と考えられていたのだから、シロートのSuさんが間違えるのも仕方ないよね。

キダチチョウセンアサガオの仲間は園芸植物としてよく使われており、エンジェルズトランペット(天使のトランペット)の別名をもつ。

学球日誌読者の皆さん、どうですか?  この花、天使のトランペットに見えますかー

 

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巨大すぎる雑草

2023年09月14日 | 身近な植物

毎朝ジョグ&ウォークする国分川の川岸、これは四月の様子。

 

菜の花が綺麗に咲き誇っている

これが8月の写真

そして9月

竹とも木とも見まがうばかりの巨大な植物が水辺を覆いつくしている 

実はこの植物、一年生の草本。とてつもなく成長が速いため、わずか3・4カ月で3~5mの草丈になってしまうのだ。

遊歩道沿いに生えてるものを見ると、高さが良く分かる

この植物の名は、オオブタクサ(Ambrosia trifida キク科ブタクサ属)。秋の花粉症を引き起こす元凶なので、名前を知っている人は多いと思うが、その姿まで知っている人は少ないのでは?

別種でブタクサ(Ambrosia artemisiifolia キク科ブタクサ属)という植物も存在している。属名のAmbrosia は、ギリシャ神話では不老不死の薬を意味するらしいから、相当生命力が強いと思われる。

オオブタクサ・ブタクサともに北アメリカ原産で温帯を中心に世界の広範囲に広がっている。日本に入って来たのはブタクサが先(明治期)で、オオブタクサは1952年に清水港(静岡県)と千葉市で発見されたのが最初とのこと。

葉が桑の葉に似ているため、最初はクワモドキと呼ばれていた

これが雄花、夏から秋にかけて大量の花粉をまき散らす(ちなみに雌花は雄花の穂のつけ根で、緑色の苞に包まれるようにして咲く)。

植物は多種多様、それぞれに素敵なところがあるが、さすがにこいつはゴツ過ぎて可愛いとは思えない(すまん、オオブタクサ

しかし、この成長の早さ・茎の丈夫さ・強い花粉散布力には、本当に驚かされる。(おまえ、ホントすごいなー

 

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ほんのり赤らむ花(酔芙蓉)

2023年08月17日 | 身近な植物

毎朝日課のラン&ウォーク、橋のたもとに白い大輪の花をいくつも咲かせている木がある。

素敵だなーと思いググって調べたところ、「芙蓉」の花だということが判明。Facebookにも写真を投稿して紹介した。
 ところが今日、昼間に同じところを通りかかってびっくり!
純白だった花が、全部ピンクになってるではないか。

あわてて再び調べてみると、新事実が判明。これは酔芙蓉という品種で、咲き始めは白色だが日が高くなるにつれ赤みを増し、やがて完全な紅色になる性質があるとのこと。

時間帯によって花色の変わる様を、酔客の顔色になぞらえてスイフヨウと名付けられ、観賞用に庭園や公園に植栽されているらしい

ちなみにスイフヨウ(酔芙蓉)の学名は Hibiscus mutabilis cv.Versicol、あらハイビスカスじゃん!

南国の花として有名なハイビスカスと同じ仲間だということも判明(ちなみに我々がふだんハイビスカスと呼んでいるのは、和名ブッソウゲ/仏桑花という花)。

ここのところ身近な植物についての投稿が続いてるけど、植物の名前の由来はホント面白いなあ。

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朝咲くのに夕化粧

2023年08月09日 | 身近な植物

春先に花が咲く植物は、他の植物が成長する前にさっと花を咲かせて種をつくろうとするためか、植物体本体も花も小型で可愛らしいものが多いが、夏に咲く花は、植物体本体も花も大型のものが多いような気がする。

     

            2月に撮影したオオイヌノフグリ             4月に撮影したニワゼキショウ

しかし、今回紹介する植物は別! 夏でも草丈20-30㎝しかなく、直径1㎝程度の可憐な花を咲かせる

ユウゲショウ(夕化粧)は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草。

原産地は南米から北米南部。日本では、明治時代に観賞用として移入されたものが野生化し、道端や空き地でよく見かける。

ユウゲショウ(夕化粧)という名は、夕方美しく花開くという意味だと思われるが、実はこの植物が花を咲かすのは朝で、夕方には閉じてしまう(だからSuさんがジョギングの途中で撮影できるのだ)。全然違う性質なのに、なんでこんな名前がついたのだろう?

 マツヨイグサの仲間は、「待つ宵」の名の通り、夕方咲くものが多いから勘違いされちゃったのかなあ?(諸説あります)

ともあれ、朝のジョグ&ウォークのときに出会える、薄ピンクの可憐な花びらに今日も心癒されるSuさんでありました。

 

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