Suさんの学球日誌

理科&日本語教師のSuさん(旧名SunQ)が、
国内・国外様々な学校を渡り歩き、
いろいろなチャレンジを試みます。

制服

2008年05月30日 | 学校生活
衣替えの季節だが,どうも暑かったり寒かったりで落ち着かない。服装の指導がやりづらい季節だ。
sunQの勤務校はキッチリと制服を着させる(男子は学ランでカラー着用,女子のスカートは膝上不可)学校なので,わりとこまめに注意する。しかし,注意しても注意してもキリがない!生徒達は制服に改造を施したり,改造しないまでも折り上げてみたりボタン外して胸元開けてみたり,ネクタイやベルトをだらしなく緩めてみたりで制服を着崩してしまう。いきおいこちらも強い態度で指導することになる。生徒達は「怒られるから」キチンと制服を着ている。もし注意をしなければ,すぐにまた着崩すのだろう。

先日,葬儀場で高校生の姿をみかけた。上着の袖をめくり上げ,シャツのボタンを開け,だらしなくネクタイをぶら下げていた。「ああこいつ分かってないな」と悲しい気持ちになった。この少年にとっては,注意する教員がいなければ,制服はいつでも着崩して良いものなのだ。休み時間の教室で友人達とくつろいでいるときとお葬式に参列するとき,状況は全く異なっているのに・・・・。

「場をわきまえる」って大事なことだと思う。ディズニーランドに遊びに行くときに礼服を着ていったらおかしいし,お葬式の時にギンギラギンの格好をしていったら非常識だ。だがひょっとしたらこの当たり前の感覚を制服がスポイルしているのではないだろうか?

リラックスするとき,遊ぶとき,料理するとき,そうじするとき,儀式に出るとき・・・・本来ならば,それぞれ適した服装が存在するはずだ。でも学校では何をするときにも制服を着ていなければいけない。いや,言い方を変えると何をするときでも制服で許されてしまう。とても異常なことだ。

もし制服が無かったら,あの少年は何を来て葬式にでかけただろう?さすがに普段着では行かないだろう。父や母に相談して,地味できちんとした服装を選んで出かけたのではないだろうか。制服が無ければ,生徒達も自分がどんな格好をするべきなのかもう少し考えるのではないか。

とはいえ,今の日本で高校生の制服を無くしてしまうことは難しいと思う。でも,TPOを考えて制服を着ろ!と言うのも難しいよなあ。やれやれ
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センターコート

2008年05月12日 | 卓球
 関東大会千葉県予選最終日,男子シングルス準決勝・・・フロア中央に2台だけ残されたコートの中に,なぜか我がチームのエース君と私がいた。夢の中のような風景だった。

 初日の団体はダメだった。優勝候補の一角の学校に対し,研究し対策練習を行い挑んだが0-3で跳ね返された。2日目のダブルス,ベスト4のペアになんとか1セットをもぎとったが,勝利には遠かった。そして3日目,もう少しだけでも食い下がりたい,一戦ずつ,いや一点ずつ力を出させるのみ,と臨んだシングルスだった。
 シード選手の中ではおそらく最弱と思われるエース君の山には,中学時代県代表の実績をもつ1年生やエース君が苦手とするおなじみの3年生選手まで曲者がずらりとそろった。はたして彼はこの難局を乗り切れるのか?

 試合が始まった。相手はカット型の選手。ふだんは気迫でプレーするエース君だが,今日は少しだけ様子が違う。「カット打ち楽しい!」自分で自分に言い聞かせ,笑顔でプレーしている。これは良い!優れたパフォーマンスを行うためにはりリラックスすることが最も重要だ。「楽しいぞ楽しいぞ」と暗示をかけることにより,力みの無い良いプレーが引き出されている。以前プレッシャーに負け,実力が出せなかった経験を十分活かしている。こちらもそれに乗り少しゆったりしたペースで応援の声を飛ばす,快勝。

 天が味方することも時にはあるのだろう。春風を背中に受けながら自転車をこいでいくような不思議な感覚だった。マークしていた選手が次々に敗れていく,勝ち上がってきた選手はもちろん強いのだが,エース君は過去の苦戦・敗戦の経験を活かし勝ち抜いていく。小柄で球威が無いにもかかわらずエースを張っている男だ。工夫は人一倍している。同じような負け方を繰り返したりしない。 かくして,笑顔の勢いは16シード確保に留まらず,ベスト8入り,さらに準々決勝でも勝利し,このセンターコートにやって来たのだった。

 団体で完敗したチームの選手に立ち向かっていくエース君の後姿を見守りながら,私は共に県代表を目指し歩んだ過去の教え子たちを思い出していた。
「きみたちの時に叶わなかった夢のうち,やっと一つ叶ったよ」
「先生,まだ夢が完全に叶ったわけじゃないんだから油断しないで下さいよ」生意気なアイツが言いそうなセリフが思い浮かんだ。そうだね,そのとおりだ。
さあ,次のセット間で言うアドバイスを考えなきゃ。次の目標へと進むのだ。



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遠征合宿

2008年05月07日 | 卓球
大型連休をみなさんはどのように過ごされただろうか。私たち高校卓球部顧問にはもちろん連休など無縁の話,今年は9~11日が関東大会予選の県大会のため,連休でも手をゆるめるわけにはいかない。旅行なんて夢のまた夢だ。

しかし,今年はなんと長野まで行くことになった。しかも大型浴場付のホテルに3泊!こういうと,”レジャー”という感じだが,そんなわけはない。
なんのことは無い,県大会前の最後のチャレンジで,長野まで試合をしに行ったのだ。

長野といって思い出すことは,私たちの世代では,なんといっても十年前の冬季五輪だ。スキー・ジャンプ団体の感動的な勝利に涙して喜んだ人も少なくないと思う。
市内の各所には,五輪マークのついた施設がまだ残っている。今回会場となった南長野運動公園もそのひとつだ。
五輪用の施設だけあって,体育館の外観ももとてもユニークだ。


体育館に隣接してスタジアムがある。ずいぶん変わったデザインだなあと思ったら,ハスの華が開いた様子をモチーフにしているのだと地元の人が教えてくれた。


手前正面はオリンピックの際使用された聖火台,パネルにその旨が刻まれている。


10年前,世界中の強豪がここに集結し,競技を行ったのだなあ・・・
今回の練習会は,さすがに世界中とまでは言わないが,日本全国(東北,甲信越,北陸,東海等)の色んな地域の強豪校と試合をすることができた。

次から次へと現れる強敵に連戦連敗で生徒達はげんなりしていた。県大会前に,逆効果だった?
いやいやそんなヤワな精神では勝てないよね。前回の悔しい敗戦から四年間耐えて長野で花を咲かせたスキージャンプチームのように,逞しく勝利を掴んでくれよ!
帰りのバスの中で五輪マークの施設を眺めながら切に思った。
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