「9」のつく日は空倶楽部の日。
先週末に訪れた春の若狭でのひとコマ。
Sony α99 Planar 50㎜(f/5.6,1/2500sec,ISO100)
雲ひとつない空と穏やかな海、
人っ子ひとりいない海水浴場の駐車場に停まっていた赤い車が
見渡す限りの青い風景に映えて印象的だった。
ところで...
北陸の春は若狭からやってくる...そう勝手に思っている。
子供染みた言い方をするなら、
「信じている」といってもいいくらいで、
それほど春の若狭への思い入れが強い。
「なぜ?」と尋ねられても明確な答えはないのだが、
あえてその理由を上げてみるなら、
まず思いつくのが、若狭は金沢からみて地理の上で南だということ。
しかしその緯度の差はわずかでしかなく、
若狭の気温は金沢とほとんど変わらないし、時にドカ雪も降る。
それよりも大きな理由とすれば、「北陸」ではあるけれども「北陸」ではないという若狭の印象かもしれない。
若狭は福井県嶺南地方(敦賀市以西)に位置する。
一方、古代の日本において、福井県嶺北地方(福井市を中心とした地域)から
石川県、富山県、新潟県、さらに山形県の一部は越国(こしのくに)と呼ばれた。
今でも使われる越前、越中、越後といった地域名称はその名残である。
そして現代、一般的には福井県から新潟県にかけては北陸と呼ばれる(新潟を甲信越と分類する場合もある)。
したがって若狭は福井県の一部ながら「北陸」ではなく、自分の地理的感覚ではむしろ近畿地方に近い。
また、かつて若狭は御食国(みけつくに)とも呼ばれ、ヤマト朝廷に豊富な海産物を献上していた。
その歴史も「北陸」でない若狭の印象づけになっているのかもしれない。
その若狭からの花便り。
Sony α99 Planar 50㎜(f/6.3,1/250sec,ISO100)
ちなみにこの日から一週間近く経ったが、金沢ではいまだに開花宣言が出ていない。
いったい春はどこで足踏みをしているのやら...
そんなことをぼやきながら、さらに若狭の春を渚で見つけた。
Sony α99 Planar 50㎜(f/2.8,1/640sec,ISO100)
ここちよい風にやさしい波。
この風景を眺めながら思い出した曲が...
The Beach Boys - Kokomo
トム・クルーズが主演の映画「カクテル」の挿入歌でもあるが、
ビーチ・ボーイズを聴くと、春を通り越して夏を思い浮かべる方も多いかもしれない。