「9」のつく日は空倶楽部の日。
昨年秋に訪れた丹後半島の伊根。
昔から変わらない海の暮らし、それが原風景として残る集落、
とりわけ舟屋が並ぶ風景を思い浮かべる方も多いと思う。
秋の長雨が上がり、曇り空が次第に青空へと変わっていく空模様が印象に残ったが、
どんな事情があったのか、思い出すこともできないが、つい出しそびれてしまっていた。
それで、空写真在庫が尽きたこの時期、恥をしのんで投稿。
題して「置き去りにできなかった空」、...というか、マヌケな所業。
Sony α99 Vario-Sonnar 24-70㎜/f2.8 (f/6.3,1/320sec,ISO100)
Sony α99 Vario-Sonnar 24-70㎜/f2.8 (f/6.3,1/1600sec,ISO100)
Sony α99 Vario-Sonnar 24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/250sec,ISO100)
伊根の風景を思い出していたら、
ふと、アイルランド民謡のダニー・ボーイのメロディが頭に浮かんだ。
たくさんのカバーがある中、選んだのがこのバージョン。
Danny Boy - Peter Hollens
すばらしいアカペラを聴かせてくれるPeter Hollensという人、
経歴を眺めてみると、音楽家、そして実業家とあるが、
いわゆるユーチューバーで、それもかなり知られた存在らしい。
さて、あらためてこの曲について調べてみると...。
民謡と紹介されるが、作られたのは意外と新しく1910年から12年にかけて。
この年代は第一次世界大戦勃発前夜で、
ヨーロッパでは外交の閉塞感や紛争の危機感が次第に高まっていたころ。
その世情を反映して、この歌は戦地に赴いた息子を思いやる母の心情を綴ったものとされ、
わが国では作詞家なかにし礼による訳詩がもっともポピュラーとのことだが、
その内容も反戦的な色合いを強く感じる。
ところが、このビデオクリップにある原文に忠実な訳詞を眺めていたら、
「すこし解釈が違うのでは...」と思えてきた。
故郷の描写に始まり、それが息子への思いへと綴られていく。
そんな親の心情を表わすひとつひとつの言葉に胸が熱くなった。
どんな時代であろうと、離れて暮らす子供を思う親の気持ちは不変。
それこそがダニーボーイの作者の真意ではなかったのだろうかと思えてきたのだ。