折にふれて

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おみくじの話 

2020-01-03 | 折にふれて

2020年元旦午前6時50分 白山市 白山比咩(しらやまひめ)神社

 

白山比咩神社への初詣は元旦早朝と決めている。

加賀一の宮、県内では白山さんの愛称で呼ばれていて金沢からの参拝客も多い。

したがって、元旦はもちろん三が日通じてたいへんな混みようで、

元旦の昼過ぎなどに出かけようものなら着くまでに日が暮れてしまう。

それで、どの時間帯がもっとも空いているか、

いろいろと試してみて、元旦の早朝に落ち着いたという次第だ。

ふだんなら車で20分の距離だが、

空いているとはいっても、1時間はかかると見込んで6時前には家を出る。

家の近くにもこの総社から分社された白山神社はあるが、

睡眠時間を削ってまでここへやってくるのにはわけがある。

加賀一の宮という格式を重んじてのこともあるが、

大人げない話ながら、おみくじが気になるのだ。

ここ5年ほど、「末吉」を引いている。

知人友人の話を聞いても、この神社のおみくじは総じて辛口で

例え「大吉」であっても、かなり手厳しいことが書いてあるという。

ましてや下から二番目の「末吉」となると、

商売は辛抱、旅行はするな、探しものは出ない、待ち人は来ないなど

真に受けたら社会生活が成り立たない。

それを5年も引いているのだ。

一応、財布の中にしまい込んで、念のための「戒め」としておき、

年が明けると「今年こそはいいおみくじを!」と神様に挑むのである。

その今年の首尾は…。

「小吉」 順位でいうならひとつ良くはなったが、

多少の手心は感じるもののやはり手厳しい。

ところが、である。

もういい加減、こんな馬鹿々々しい意地っ張りはやめよう、と、

そのあたりの木に結ぼうとした時、

ふと、運勢の序文の言葉に目が止まった。

   見かけ倒しの運勢で、人に羨まれるほどに中身がよくない時である。

   斯かる時こそ尚更、人に対しては誠実を旨とし、嘘を言わず親切に交際して、

   信用を築くように心がけるべきである。

どこか、心を見透かされているような気がしたのである。

さらに続いて...。

   虚栄(みえ)を張らず、奢りを慎み、質素を守るがよろしい。

   今の運勢は、遠くの見透しがつかないのが欠点であるから、

   軽はずみせず、諸事手堅くするよう心掛ければ吉になる。

つまりは人としてどうあるべきかということを説いており、

最後には「吉になる」とやさしい言葉で結んである。

もう運勢の順位などさしたる問題ではないと思えてきた。

さらに、そう思って個別の運勢を読み始めると

それぞれの内容に頷けないこともない。

さすがは神様だ。

いや、どなたかは知らないが、ご神託を文章にした方の慧眼と言うべきか。

そして、やはり今年も、財布の中にしまっておこう、と思ったのである。

「戒め」ではなく「教え」として。

 

 

 

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