花ごよみ

映画、本、写真など・

配達あかずきん  (大崎 梢)

2007-07-18 | 本 あ行(作家)



本屋さんで起こった出来事を
書店員の目を通して描くミステリー。

駅ビルの中にある書店・成風堂。
本に関わる小さな事件。

成風堂に働く書店員、杏子が、
アルバイト店員、多絵の協力を得て、
事件の謎を推理していきます。

そしてこの二人が、
事件を解決に導くまでの過程が、
5つの短編によって描かれています。

事件といっても暗さはほとんどなく
ほんわかとした気分が漂っています。

収録作品は
「パンダは囁く」
「標野にて。君が袖振る」
「配達あかずきん」
「六冊目のメッセージ」
「ディスプレイ・リプレイ」
の5作品

一番印象に残ったのは
「標野にて、君が袖振る」
この話はジーンときました。
終わり方は、ちょっと予想外…。

書店員の日常が描かれていて
興味深いです。

本の最後に本屋さんで働く人達の、
座談会も付け加えられています。

本屋に足を運んだときは
座談会に書いてあったことを
思い出し、何となく
書店に働いている人達に
親近感を持ってしまいます。

登場人物の存在感も明白で
物語のまとまりもすっきりしていて
よかったです。

本に対しての思い入れ、
人に対しての温かい思いやりが
感じられる物語でした。




 

コメント (12)
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